
近年の国政選挙を見ていて、
「立憲民主党などの左派政党の得票が伸び悩んでいる」
「それと同時に新聞の発行部数が激減している」
この二つの現象が重なっていることに気づいた人も多いのではないでしょうか。
左派政党の得票と新聞の発行部数、
『両者には相関がある』
という指摘を耳にすることあります。
これは本当なのでしょうか。暇に任せて調べてみたのですが、結論から言いますと、
統計的に“それなりの相関が見える”という指摘はあるが、
新聞が左派政党を支えていた、あるいは新聞が衰退したから左派が弱体化した、
という単純な因果関係ではない。
ということのようです。
ただし、その背景を考えると、かなり筋の通った説明ができるようなのです。
新聞発行部数と左派政党得票、共通するトレンド
まず事実関係を整理してみましょう。
新聞発行部数の長期減少
全国紙・地方紙を問わず、日本の新聞発行部数は
1990年代後半〜2000年代初頭をピークに、一貫して減少していて、これは今後も引き続き減少傾向にあるといいます。これはみなさんご存知のように事実です。
特に、
-
若年層の非購読
-
高齢読者の減少
-
ネットニュースへの移行
が顕著です。

左派・中道左派政党の得票減少
一方で、社会党から民主党、社民党や立憲民主党へと看板は変わったものの、
いわゆる「左派・中道左派」政党の得票は、縮小傾向で推移してきていて、今回の衆議院選挙でも大きく減らすことになりました。
極左政党である共産党も50年で党員数が半減するなど縮小傾向が続いています。
たしかに数字だけで見れば2024年の衆議院選挙では自民党が大敗し立憲民主党が議席を増やしはしましたが、時の与党が失った78議席に対して、立憲は52議席の獲得に留まり絶好のチャンスを物にできなかった、という話題は当時メディアでも取り上げられました。
労働組合の組織率低下、無党派層の増加なども影響して、かつてのような固定支持基盤は明らかに弱体化しています。
従って、そういった組織基盤による得票数が減っていること、これも事実です。
以上から、この二つが同時進行で起きていることは否定しようがないでしょう。
なぜ「相関がある」と言われるのか
理由はシンプルで、紙の新聞も左派政党もその支持層がかなり重なっている、という事です。
新聞読者層と左派支持層の共通点
-
高年齢層
-
都市部在住
-
公務員・教員・研究職・マスコミ関係者
-
労組経験者
-
政治情報を活字メディアで得てきた層
- 安保闘争時代に青春を過ごした世代
従って、
「新聞を読み、政治を考えてきた層」そのものが、
左派政党の主要な支持層だった
と言えます。
この層が、
-
高齢化し
-
新聞購読をやめ
-
あるいは投票そのものから距離を置く
結果として、
新聞も左派政党も、同時に縮小して見えているというわけです。
ただし「新聞が左派を支えていた」わけではない
調べてゆくとよくある誤解にぶつかります。
「新聞が左派政党を後押ししてきたから、新聞が衰退すると左派も衰退した」
という見方です。
こうなるとやや短絡的のようですので気をつけたいところです。
実際のところ、
-
新聞は思想を“植え付ける”装置というより
-
既に似た価値観を持つ人が、情報を確認・整理するメディア
という関係だった、という見方が正しそうです。
テレビついても各放送局は以下のような資本関係や協力関係があるため同様の推移になってきました。
TBS ← 毎日新聞
日本テレビ ← 読売新聞
フジテレビ ← 産経新聞
左派政党も同様で、新しい支持層を開拓するより、
既存支持層の価値観を代弁し続けてきた側面が強いようです。
つまり、
共通の社会基盤が痩せ細った結果、
新聞も左派政党も弱体化した
そして新聞社にぶら下がってきたテレビもその力を失った
と見る方が自然だと思われます。
なぜ今保守系は相対的に強く見えるのか
この構図は、保守系政党の動きとメディアを対比するとより分かりやすいのではないでしょうか。
など、情報源の多角化が早かったのは、むしろ保守側それもその末端(国民一人ひとり)だったとの分析がありました。
一方で左派政党は、
-
記者会見
-
新聞報道
-
テレビ討論
といった90年代型メディア戦略から抜けきれなかった。 - ツイッター(現X)の利用は早かったが「ノイジー・マイノリティー」とレッテルを貼られることが多かった
新聞の影響力が低下する中で、
その変化に十分適応できなかった政党が、結果として票を落とした――
そう考えることもできるようです。
更に左派を支援するメディアの側も「ダッチアングル」,「支持率落とす写真しか撮らねえぞ」,「兵庫県知事問題」,「しばき隊」,「仕込み街頭インタビュー」,「切り取り報道」,「グラフ捏造」等、だれもが簡単に見抜くことが出来る仕込みをし続け、それがSNSで暴かれる、ということが常態化しています。
学術的にはどう評価されているか
実際、新聞発行部数と左派政党得票率の相関については、一部の政治学者や選挙分析者が既に指摘しています。
ただし、
-
因果関係が確定しているいわゆる「定説」ではない
-
高齢化、労組弱体化、無党派層増加、ネット化といった
複合要因の一部として語られるのが一般的
という位置づけのようですね。
まとめ
まとめるとこんな感じでしょうか。
新聞発行部数の減少と、立憲民主党など左派政党の得票減少には、
支持基盤の重なりによる相関は見られる。
しかし、それは新聞が左派を支えていたからでも、
新聞がなくなったから左派が負けた、という話でもない。
共通の社会層と情報環境が同時に変質した結果である。
この視点を持たずに、「メディアが悪い」「有権者が右傾化した」
とだけ語っても、状況は見えてこないかもしれませんね。
むしろ問うべきなのは、
これから政治は、どこで、誰に、どう語られるのか
なのかもしれないですね。
でも結局「どこで、誰に、どう語られるのか」が、
情報の民主化=ネット上の自由空間
に移行してしまった今、これからは更に左派的な思想はどんどん薄まってゆくのでしょうね。