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投票しない人はいない人 [No.2026-012]

衆議院選挙の話題が続いていますが、もうすこし...

 

投開票日の翌日、Xで少し気になるポストを目にしました。
かなり強い言葉遣いの、いわば「怒りのポスト」です。

 

ポストしたのは、最近政治的な発言で注目されるようになっている方で、宝塚出身の方のようですね。見かけた方も多かったのではないでしょうか。

 

そのポストの画像を貼っておきます。

要するに、自民党の得票率は「有権者全体」に対して20.3%。
つまり、自民党に投票しなかった人は79.7%もいる、という主張です。

 

どうやら、2026210日付朝日新聞朝刊に掲載の「天声人語」にもこの方と同じ計算をした結果によって「自民党に投票したのは5人に1人」と書かれていたようですね。

 

どちらにしても、

自民党は多数派ではない」「多くの国民は自民党を支持していない」

と言いたかったのでしょう。

 

しかし、その主張の論拠になったこの考え方には大きな間違いがあります。

 


「投票しなかった人」=「非自民党支持」ではない

このポストでは、

  • 有権者全体を100%とする

  • 自民党の得票率は20.3%

  • だから残りの79.7%は「自民党に投票しなかった人」

という単純な引き算をしています。

ですが、これはかなり乱暴な論法ですし、そもそも間違っています

 

なぜなら、

  • 投票したが他党に入れた人

  • そもそも投票に行かなかった人

この二つを、ひとまとめにして母数として計算してしまっているからです。

 

「投票しなかった人」が、必ずしも「反自民」や「非自民党支持」だとは限りません。
政治に不満があって棄権した人もいれば、忙しくて行けなかった人、関心が薄い人、候補者が分からなかった人もいるでしょう。

つまり、

投票しなかった人の政治的意思は、外からは一切分からない

というのが現実です。

 


それでも、もっと重要な事実がある

ただし、このポストを見て「計算がおかしい」とだけ言って終わりにしてしまうのは、少しもったいない気もします。

なぜなら、この話題にはとても重く、そして大切な事実が含まれているからです。

それは、

投票しない人は、政治的には「いない人」になる

という事実です。

これは皮肉でも、比喩でもありません。

選挙制度の仕組み上、完全な事実なのです。

 


今回の選挙を数字で見てみる

今回の衆議院選挙における有権者数は、約1億350万人。
投票率は56.26%でした。

計算すると、実際に投票所へ足を運んだ人は、約5,826万人です。

つまり、

  • 有権者全体の約4割強

  • およそ4,500万人以上

この人たちは、選挙という場に存在しなかったことになります。

そして、政治はどう動くかというと――
当然ながら、投票した人の意思だけをもとに決まります。

 


「国民の多数がこう思っている」は幻想

よく選挙後に、

  • 国民は○○を支持した

  • 民意は△△を選んだ

といった言い方がされます。

しかし、正確に言えばそれは、

「投票に行った人の中での多数意見」

にすぎません。

投票しなかった人の考えは、制度上、存在しないものとして扱われます。

どれほど人数が多くても、どれほど不満を抱えていても、です。

これは冷たい話に聞こえるかもしれませんが、民主主義とはそういう仕組みです。

 


「行かなかった」ではなく「消えた」

投票に行かなかった人は、

そのすべてが、政治の世界では同じ扱いになります。

 

意思を表明していない=存在していない=消えた

 

かなり残酷ですが、これが現実です。

だからこそ、

自民党に投票しなかった人は79.7%もいる」

という言い方は間違っています。
正確に言うなら、

自民党に投票しなかった“投票者”は何%か」
「そもそも投票に参加した人は有権者の何割か」

を分けて考える必要があります。

 


投票とは「支持」ではなく「参加」

ここで誤解されがちなのですが、投票とは必ずしも「熱烈な支持」を意味しません。

  • 消去法で選ぶ

  • 仕方なく入れる

  • 他よりマシだから入れる

それでも構いません。

投票の本質は、「このルールの中に参加します」という意思表示です。

参加した人だけが、政治に影響を与えられる。
参加しなかった人は、最初からカウントされない。

それだけの話です。

 


数字にすると見えてくること

今回の選挙で「政治的に存在していた人」は、有権者の6割弱でした。

裏を返せば、

国の方向性を決める場に、4割以上の人が最初から参加していなかった

ということでもあります。

 

こうして数字で眺めてみると、
「ちゃんと投票に行く」という行為が、どれほど重い意味を持つか、少し実感できるのではないでしょうか。

支持政党がある人も、ない人も。

不満がある人も、諦めている人も。

投票しない限り、その声は最初から無かったことになる

 

とても大切なことです、投票しない人は、政治的には「いない人」なのだから。

 

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