
選挙戦もいよいよ大詰めを迎えていますね!
でも残念なことに、高市さんの政策や言動をめぐって、さまざまな批判や非難の声が出ています。理屈の上の批判なら良いのですし、政治家に対する批判そのものは健全ですし、必要なものでもあります。
ただ、その中のごく一部には、経済の仕組みや国の制度を誤解したまま語られている意見も見受けられ、且つそのような極端な表現が独り歩きしやすくなっているように感じます。
そこで今回は、よく目にする主張をいくつか取り上げて、論点を整理する形で見ていきたいと思います。
以下、「」内が、よく見かける批判の要旨です。
「積極財政政策では物価高や円安が進むのが心配。でも経済は成長してほしい」
まず、「経済が成長する」とは何を意味するのでしょうか。
一般にそれは、一人当たりGDPが伸び、「生産」「所得」「支出」の規模が大きくなることを指します。
この三つが拡大すれば、物価がある程度上昇するのは自然な現象です。
物価がまったく上がらないまま、所得だけが継続的に増える、という状況は、現実的にはあまり起き得ません。
経済成長と物価上昇は、望ましい範囲であれば表裏一体の関係にあります。
その意味で、「成長はしてほしいが、物価は上がってほしくない」という主張は、やや矛盾を含んでいるように思えます。
また、私たちのような年金に頼った生活者についても、よく「物価高に弱い」と言われます。(私自身も、晴れて今年から年金を受け取る側になりました)
確かに、年金にはマクロ経済スライドがかかるため、実質的には調整(目減り)が起きます。
しかし一方で、名目額そのものは物価や賃金の動向を一定程度反映する仕組みになっており、
「何の調整もなく一方的に切り下げられる」というものではありません。
この制度の存在を理解した上で、
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生活設計
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支出の見直し
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資産の置き方
など、別の方策で備える余地は十分にあるはずです。
「資産を持っている人だけが豊かになるのは、政治が悪いからだ」
経済が成長すれば、株式や不動産などの実物資産や金融資産の価値が上がりやすくなるのは事実です。
一方、現金や預金だけを保有している場合、インフレが進めば確かに実質的な価値は目減りしてしてまいます。
これは特定の政権や政策の善悪というより、インフレという経済現象そのものの性質です。
もちろん、資産形成の機会を広げる政策や、セーフティネットの整備は重要ですが、
「資産価値が上がること自体」を政治の失敗と捉えるのは、少し論点がずれているように感じます。
「為替介入に税金を投入するとは何事だ?!無駄遣いだ!」
先週の為替の話題に関連して、Xなどでよく見かけたのが
「為替介入に税金を使うとは何事だ!」
という批判です。これは以前の介入時にも繰り返し見られました。
ですが、為替介入に直接「税金」が投入されているわけではありません。
為替介入は、「外為特会」と呼ばれる専用の会計を通じて行われます。
正式名称は外国為替資金特別会計。
これは、円やドルなどを保有し、為替政策を行うための**国の“財布”**のようなものです。
この中には、過去の為替取引で得た資金や外貨がプールされており、
日々の一般会計(いわゆる税金の財布)とは分けて管理されています。
先日の介入騒ぎ(実際には介入は行われていませんでしたが)では、
X上で「外為特会」を何かの組織や団体と勘違いした投稿も見かけました。
中には
「外為特会は円安で儲かる会員制組織だ」
といった、さすがに首をかしげたくなる表現までありました。
しかし外為特会は、あくまで会計制度の名称であって、
会社でも団体でも、ましてや会員制組織でもありません。
外為特会について、もう一つよく誤解されている点があります。
それが「なぜ利益(為替差益)が出ているのか」という点です。
為替介入の基本的なオペレーションは、比較的シンプルです。
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円安が進みすぎた局面では、円が安いときに円を買う(円買い介入)
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その後、円高方向に戻った局面で、その円を使って外貨を買う
このような形で取引が行われるため、結果として
為替差益が出やすい構造になっています。
これは「儲けるために介入している」というより、
為替の急変動を抑えるために動いた結果、差益が残るという話です。
為替介入については、
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「税金の無駄遣いだ」
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「誰かが不当に儲けている」
といった感情的な言葉が先に立ちがちですが、
実際には制度として切り分けられ、長年運用されてきた仕組みです。
賛否を語るにしても、
まずは「何に、どこから、お金が使われているのか」を
一度整理してから議論したほうが、話はずっと建設的になるはずです。
「国債発行は、将来世代にツケを回すことになる」
といった国内主体です。
その資金の源泉をたどれば、最終的には国民の預金や保険料に行き着きます。
つまり、日本国債は「政府の負債」ではありますが、国民全体が海外から借金をしている構図ではありません。
また、日本の国債は原則として税金で必ず返済しなければならない性質のものではなく、借換えを前提とした金融政策の一部でもあります。
この点を踏まえると、「若い世代に借金を背負わせている」という表現は、やや単純化しすぎているように思われます。
「自民党は統一教会とつながっていて問題だ」
旧統一教会との関係が問題視されたのは事実ですが、
関係が指摘されたのは自民党議員だけではありませんでした。
また、政治と宗教団体の距離の取り方という問題は、本来政党を超えて整理されるべき論点です。実際自民以外の政治家や毎日、朝日新聞なども統一教会とのつながりがありました(報道されていないだけです)。
特定の党だけを切り取って語ると、全体像が見えにくくなります。
重要なのは、「どことつながっていたか」よりも、
今後どう線引きをし、再発を防ぐかでしょう。
「高市さんはアイドル的存在で、具体的な政策がない」
この評価については、事実とは相当に異なる印象を受けます。
高市さんは、永田町でもしばしば「政策通」「政策オタク」と呼ばれるタイプの政治家です。
総理の著書『美しく、強く、成長する国へ』や『日本を守る 強く豊かに』などを読むと、
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経済
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安全保障
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科学技術
といった分野について、かなり具体的な考えを持っていることが分かりますし、既にそのうちのいくつかは総理着任以来早速手掛けられています。
好みは分かれるにせよ、「政策がない」という評価は的外れでしょう。
「体調を理由に討論会を欠席したのは逃げだ」
この点については、関節リウマチという疾患への理解不足を感じます。
関節リウマチは、外見からは分かりにくいものの、強い痛みや可動制限を伴う病気です。
先日の実際に身体的な被害を受けた場面の映像も公開されています。
この状況で「ずるい」「逃げた」と断じるのは、
政治的評価以前に、人としての配慮を欠いた見方ではないでしょうか。
おわりに
今回挙げた意見は、すべての批判者に当てはまるものではありません。
ただ、いくつかの主張を見ていくと、
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経済の仕組みへの誤解
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制度の単純化
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感情が先行した評価
といった共通した傾向が見えてくるように感じます。
賛成であれ反対であれ、
一度立ち止まって「その前提は正しいのか?」と考えること。
それが、健全な政治議論の第一歩なのかもしれませんね。