@tadsan = id:zonu_exe せんぱいに招待をいただきまして,PIXIV DEV MEETUP 2024 に参加してきました.この予定が入る前から Maker Faire Tokyo 2024 にいくために宿を抑えており,また,飛行機の値段も加味して眺めに旅程を組んでいたため,即座に参加の気持ちを作れました.
ちなみに,Maker Faire Tokyo 2024 には富良野市から FuraIT Arduino部の一団で参加し,満喫することにしてイベントも立てていました.
ということで,この記事ではピクシブ社のみなさんとお話しして感じたことを主体に,感想を述べます.
conference.pixiv.co.jp
PIXIV DEV MEETUP 2024 はたくさんのセッションもあり,そちらも気になってはいましたが,ブースを回ったり,雨竜町・北竜町にふるさと納税をして空知エリアにオフィスをつくってくださいうちわを作ったり,他の参加者と久しぶりの再会やはじめましてをしているうちに,いつのまにか最後のキーノートになっていました.セッションもタイトルからして素敵な内容であることに違いなさそうなので,他の参加者のみなさんのブログなどを読んで,二度美味しいを実現していこうと思います.
SDGs シールロスをなくそうの様子#pixivdevmeetup https://t.co/D8uReI6TTM pic.twitter.com/gIySddI8fS
— 旭川から小平市をはじめ各地に飛び立つ地方ITコミュニティ盛り上げ大臣とみお (@tomio2480) 2024年9月20日
PIXIV DEV MEETUP は全社イベント
はじめにおじゃましたブースは,ピクシブで働くみなさんが書いたプロフィールカード的なものの展示でした.写真は載せられませんが,会社やチームのいいところ,ご自身の働き方などが一問一答形式で書かれていました.新卒一年目からベテランまで,幅広く各チーム宛に,書いてくれそうな方を選出してほしいと依頼し,協力者を集めたとのことでした.
この企画は人事のみなさんが会場で応対されていました.なんとなくですが,これを今の自分の所属会社であるサイボウズでやると,開発本部内で有志を募り進めることになりそうで,本部を超えてこういった企画にコミットメントしてもらう座組になるかどうかわからんなぁと思いました.もちろん声はかけられると思うんですが,全社でこの PIXIV DEV MEETUP 的な取り組みを後押ししよう!の機運が高まるかは,少なくとも自分は謎です.どうなんでしょう?
他にも全社イベントを実感した話として,我々が訪問した前日に全社イベント扱いの予行演習をおこなっていること,各事業や取り組みのブースに立っている人たちが必ずしも開発メンバーではなくそれぞれに詳しい人であること,キーノートや発表で登壇している人が開発勢だけじゃなかったことでしょうか.
DEV とついているけれども,開発勢に閉じたものではなくて,ピクシブ社が開発している各種サービスや文化を作っていきたいという気概の DEV なんだなと感じた次第です.
ピクシブ百科事典の裏側に想いを馳せた
dic.pixiv.net
ときたま話をしますが,自分は 2005 年(中2) のときに友達が見つけてきた,日本語版 Wikipedia の記事を量産する遊びにハマっていました.友達たちと一緒に自分が詳しいと思うことの赤リンクを撲滅する活動です.自分のオープンマインド(?)はこのときに培われたものです.記事の書き方や視点をとおして,公平性等の観点から公益性を自覚した活動の精神性を叩き込まれています.利用者ノートで各種指摘をくださった方は,相手が中学生だと知って接してくださっていたかはわかりませんが,いい勉強になりましたし,今も自分の中で生きている大変重要な経験です.
今でこそ自分は Wikipedia の記事を一生懸命書いているわけではありませんが,2005 年より遠くから Wikipedia の諸々を見ていて,どうやって今の状態になったかの片鱗を知っているつもりです.今でもたくさんの課題があり,一般ユーザーの善意に頼るところの多いコンテンツを,管理する人の苦労は想像を絶します.ピクシブ百科事典も変わりなく大変だろうと推察できましたので,まずブースを訪れて開口一番に労いの気持ちを伝えました.
当然,ピクシブ百科事典は特定分野に強い必要がある上に民間企業管理のため,Wikipedia とは事情が異なります.しかし,ユーザーによる記事の編集をバネに,すばらしいデータベースを目指すオンライン百科事典であることはどちらも同じです.同じような苦労としては,管理の仕方やユーザーから規律や秩序の管理を求められることなどが挙げられるなと思ったので聞いてみたところ,やはりたくさんの頑張りに支えられているようでした.
さらに,コンテンツの特性としてネットミームや新しいアニメ,ゲームは変化が速く大変じゃないか,と疑問をぶつけたところ「少なくとも pixiv に上がっているイラストに関連する情報はできる限り網羅するつもりだけど,それだけでも結構頑張りが必要」とコメントをもらいました.ピクシブ社で展開する様々なサービスとの連携を考えたときに,ピクシブ百科事典もチームの一員として何ができるかを考えて,活動されていることが伝わる一幕でした.
最後に,細かく話はしませんでしたが,他に比べると収益が小さかろうサービスを維持するためには,経営陣の理解と安定した収入なくしては難しいはずです.しかし,ピクシブ社がつくるコミュニティを充実させるためには,読んで文化が理解できるピクシブ百科事典のようなコンテンツは不可欠であり,これらによって分厚いサブカルチャーを愛する層と共にいられるのだなと理解しました.
コミュニティインフラとしての pixiv
pixiv に絵を載せることにお得であったり楽しみであったり一体感であったりと,様々なプラスの感情を抱いてもらえるように,機能面やイベント等をケアしている部門の話を聞きました.こちらもなかなか物理現象と違って,何かをすれば何かが跳ねるという領域でないため,苦労が滲むがんばりを聞くことができました.
それこそクリエイター文化やサブカルチャーをよく理解していて,ご自身もこの文化の中で暮らしていないと,これらの仕事は難しそうです.どれだけコミュニティマーケティングの知見があって,人の動きを掌握しています的なことを言っていても,やはり当事者でなければ表面的な取り組みにしかならず,ユーザーにそっぽを向かれてしまうでしょう.
技術者のコミュニティも同じで,技術が好きで日頃から触っていたり,技術の仕事で生活しているなど,当事者が関わっているコミュニティが認められ,生き残っています.そうでなければ,どこかうさんくさい感じになってしまいます.自分もいくつか,何か空気のおかしなコミュニティになってしまったなと思うものを見てきました.
これはかなり自戒を込めた話で,自分は技術の仕事をしていませんし,立ち入る技術コミュニティも元の守備範囲であるハードウェアや組み込み界隈以外も増えてきました.地域で雑多な技術コミュニティを維持する身としては,いろいろな技術コミュニティがぼくを受け入れてくださり,自分の知識や経験が増えていることは大いにプラスなのでありがたいのですが,受け入れてくださっているコミュニティに対して,自分は何か還元できているかなと,日常的に絶えず気にしています.ここを見誤ると Give & Take のバランスを崩してしまうので,気をつけて暮らさねばならんなと思っています.
先のピクシブ百科事典についてもそうですが,直接お金にならない,あるいは,お金にしない活動も含めてビジネスをつくり,文化やコミュニティと共にあることを全面に押し出したサービスは非常に尊いと感じます.クリエイター文化やサブカルチャーが廃れてしまえば,ピクシブ社も共倒れなわけです.べったりというと言い方が悪いですが,それくらいのコミットメントをしますよという覚悟とも捉えられる関係性に背筋が伸びる思いです.
もちろん実態がどうなのかとか,他のサービスでは実は評判が悪いとか,そういうこともあるのかもしれませんが,少なくとも今回のイベントにおいてはそういった感情は抱きませんでした.それも,自分がピクシブ社のサービスの主たるユーザーではないから,体感ではわからないのでしょう.
自分の中にある欲求の理解が深まった
各ブースでお話をしていて「もしかすると自分はオープンなコンテンツとコミュニティを守る仕事なら,別に主体が技術でなくても楽しくやれるのかも」と気がつきました.技術コミュニティに公益性高く貢献したい思いを持って,コミュニティマーケティングや広報的な形で技術コミュニティに関わることはしない,と宣言していることもあり,ピクシブ社各者の頑張りには非常に強く胸をうたれたのでした.
もし,自分自身も絵を描く等のクリエイター活動を生活の中心に置いていたら,今回のイベントを通じて即座に転職をしたんじゃないかと思います.自分は地域と技術コミュニティ,成長と情報の流通経路の整備というところで仕事をしていて,このピクシブ社が作ろうとしている世界や,クリエイターコミュニティとサブカルチャーとの関係性の構造については非常に興味があります.サービス契約者でなくても恩恵を受けられる,オープンなコンテンツやコミュニティから湧き出たみんなの活動が,世界によい影響を与えるだろうことにも興味があります.
しかしだからこそ,自分自身も当事者でなければその熱量や機微の変化に気づけないだろうことも,容易に想像できます.どんなお仕事の苦労があるんだろうか,どんな工夫があるんだろうか,そのあたりの興味だけでは真にユーザーに喜んでもらう取り組みはできません.これは技術コミュニティ,特に大きくなった OSS コミュニティでは顕著にその歪みが出る部分で,人が様々な思いを持って一つの旗本に集まるとはどういうことかを知らしめてくれます.
自分は「技術を学びたいと思った人のためにできること」を仕事にしたいと思ってここまでやってきました.たとえ,給料のもらえる仕事でなくても,地域の技術コミュニティをいい感じにやっていったり,自分自身も知識を蓄えて,いい感じに情報を出せるようにしたいなとか,できる努力はしてきたつもりでした.そうしてみなさんに助けられ,技術コミュニティのためになる仕事で生活ができています.
しかし,ビジネスと雑に絡ませると悲劇を生む技術コミュニティにおいて,自分は資本主義感のあるコミュニティ運営やマーケティング,コンサルタント的な動きに鞍替えすることはできず,強硬な立場を貫いていることから,今も社内でしっかり微妙な立ち位置にいます.お金を稼ぐ仕事と,人生で果たしたい使命の仕事と分けて,2 つやるといいよと学生時代にもらったアドバイスが,十何年経っても 鈍く効いています.
自分は技術コミュニティが健全に,心地よく存在することが,IT 系に関わらず各種エンジニアの心の拠り所としても機能して,いい仕事につながってくることを体感では知っています.でも,ビジネスの世界ではそういうことは求められていません.ルールが違います.
絶対にプラスになると判断できるだけの情報をもってこいと言われるのが現場の話で,自身が経営層になって説得する以外のルートがないのがほとんどではないでしょうか.目指す方向に向けて絶えず努力し,実現したい世界に向けて全力を尽くすというのは,後々どう転ぶかもわからんのでやったらダメですというのは,確かにそうという感じで,信じるとかそういうのは資本主義社会の辞書には載ってない感じがします.
それでもそういったオープンなコンテンツであったり,水もののコミュニティをよくしていくために,諸々説明等も含めて,資本主義社会に存在する企業の中で力を尽くしている人たちがいることを,そして,ピクシブ社がそういった集団で構成されていることを肌で感じることができたのは僥倖でした.
会社としても文化やコミュニティに寄り添い,できることから一つ一つ世界をよくしていく姿勢が全面に出ており,感心しきりの一日でした.様々な角度から,ピクシブ社の魅力をまざまざと見せつけられた,PIXIV DEV MEETUP 2024 でした.
素敵な機会をくださったみなさまに感謝します.働きたいと感じる会社のヒントがここにありました.ありがとうございました.
