
さっき本が届いた。久しぶりの紙の本だ。片岡義男の「文房具を買いに」という古本だ。2003年に出版された本だがその頃には、とりたてて文房具には興味もなかったし片岡義男の小説はあまり好きではなかったのでこんな本があることさえも知らなかった。
万年筆が好きになって「万年筆インク紙」という本を読んだ。片岡義男の本だった。この本を読んで文房具に対する拘りや愛情の深さが人生の奥行きや将来への希望を持たせる事を知った。彼は数え切れないほどの万年筆を使った上で好きな万年筆を選び、気に入った万年筆は同じものを何本も買い揃える。万年筆に付きもののインクにも拘り、ブルーブラックについては海外から取り寄せてみたりする。紙、つまりノートにいたっては国内外のほとんどすべてのノートを使い、それらノートの細かな仕様 罫線の幅や太さ、色などや使い心地の表現は参考になるとともに紙とインクと万年筆の相性の大切さと楽しみを教えられた。
さて手にした「文房具を買いに」だが20年前の本の表紙にしてはデザインがシャレていて、ハードカバーなのだが薄くて柔らかで文房具の堅いイメージをソフトにしていて好ましい。文字は「万年筆インク紙」のような色やフォントに凝った趣向がなく小さくて読みにくかった。それでも先に覗き見た挿入写真の面白さに読む意欲を唆られる。たぶん彼自信が撮影した作品だろう、オリンパスOM-4 による撮影の様子が記されている。
読み始めた1ページ目から突然にモールスキン手帳だ。いまはイタリヤのモレスキン社よって復刻されたモレスキンについての記述が8ページに写真4枚と3,541文字にわたってある。彼は1980年代の初め、だから復刻前のオリジナルのモールスキンを30冊まとめて買い、1ヶ月に1冊のペースで使うつもりだったようだが2003年当時には利用していなかった。エッセイに登場する9✕14cmサイズと13✕21cmのモレスキンは僕も使っているので楽しく読めた。
これから続く内容は「万年筆インク紙」と同じように目次がないので分からないが挿入されている写真をみるとフランスの3色ビックボールペンやロディアのメモ帳各サイズ、スイスのエルコ ライティングパッド、スペイン ミランの電卓などがある。片岡義男らしい文章とウィットに富んだ写真を楽しみながら読みすすめたい。
See you tomorrow!