2025/09/23時点のMariaDBのLTSバージョンに関する情報を漁ったまとめ。
基本的に機能面の変化を見ていて、パフォーマンス関連の情報は省きがち。
各バージョンの基本情報
| 10.11 | 11.4 | 11.8 | |
|---|---|---|---|
| GAリリース日 | 2023/02/16 | 2024/05/30 | 2025/06/02 |
| GAリリースバージョン | 10.11.2 | 11.4.2 | 11.8.2 |
| 現行バージョン | 10.11.14 | 11.4.8 | 11.8.3 |
| LTSサポート終了日 | 2028/02/16 | 2029/05/29 | 2028/06/04 |
バージョンのリリース月
各バージョンのリリース日はバラバラなので、何月にリリースされたかの可視化。
青色はLTSバージョンのcommunity版でのサポート期間

※ 11.4.6はall releaseのページで欠番
※ 11.6.0(v)はvector機能入りリリース
※ 12.3のサポート期限は2029年Q1までの予定 (参考: Announcing Yearly LTS Releases for MariaDB Community Server | MariaDB)
※
10.11 LTSでの新機能
MariaDB 11.4 Changes & Improvements | MariaDB Documentation を読んで、重要そうな(気になった)ものをまとめた。 STS(Short Term Support)バージョンで追加されたものも含み、前のLTSバージョンから追加された機能がまとまっている。 (2025/09/23日時点の情報)
Variables
- System Variables Added in MariaDB 10.11 | MariaDB Documentation に一覧あり
- slow_queries変数がリネームされた
- log_slow_min_examined_row_limit (min_examined_row_limit)
- log_slow_query (slow_query_log)
- log_slow_query_file (slow_query_log_file)
- log_slow_query_time (long_query_time)
- deprecatedになった変数
認証
SUPER権限とREAD ONLY ADMIN権限の分離bind_addressがコンマ区切りで複数のアドレスリストを受け取れるように拡張password_reuse_checkpluginの追加- 設定期間中に利用されたパスワードを再利用できなくするプラグイン
レプリケーション
- Masterがサポートしていれば
CHANGE MASTER TOGTIDがデフォルトで有効化される global.slave_max_statement_timeの追加- SQLスレッドのためにレプリケートされたクエリの最大実行時間を指定する
- --do-domain-ids, --ignore-domain-ids, and --ignore-server-idsオプションの追加
mariadb-binlog --stop-never --rawは、イベントごとに結果ファイルをディスクにフラッシュし、実際のバイト数と揃うようになった- Lag Free ALTER TABLEの追加
- Multi-sourceレプリケーションがMySQLスタイルの
CHANNEL構文をサポート
Galera
InnoDB
- パフォーマンス改善
- MDEV-27557, MDEV-28185, MDEV-27767, MDEV-28313, MDEV-28137, MDEV-28465, MDEV-26789)
- bulk insert時にpre-sortとインデックスの1ページを一度に作成する機能の追加(MDEV-24621, MariaDB 10.7)
- Redo Log
- InnoDB Variables
その他
- オプティマイザ
- Indexes
- インデックスで指定される個々のカラムはASC,DESCばらばらに指定することが可能になった
- JSON:
JSON_OVERLAPS,JSON_EQUALS,JSON_NORMALIZE関数の追加 - UUID:
UUIDデータ型の追加 - System versioning
system_versioning_insert_history設定で、履歴の変更が可能になった- mariadb-dumpで履歴データのダンプ、リストア可能に
11.4 LTS
MariaDB 11.4 Changes & Improvements | MariaDB Documentationを読んで、重要そうな(気になった)ものをまとめた。 STS(Short Term Support)バージョンで追加されたものも含み、前のLTSバージョンから追加された機能がまとまっている。
Variables
レプリケーション
max_binlog_total_size変数でbinlogの最大サイズを指定可能になったslave_connections_needed_for_purge変数によって、指定された数の接続されたslavesが追いつくまでbinlogのパージがされなくなった- binlog_row_imageに
FULL_NODUP変数が追加mariadb-binlog --flashbackでFULL_NODUPモードをサポート
START SLAVE UNTIL構文に"SQL_BEFORE_GTIDS"と"SQL_AFTER_GTIDS"キーワードが追加- すべてのbinlog*変数がシステム変数のように見えるようになった
SSL/TLS
- SSLがデフォルトで有効になった
- クライアントは mysql_native_password or ed25519を使って認証していて、パスワードがから出ない場合、self-signedサーバ証明書をvalidateできるようになった
- クライアントはデフォルトでSSLを要求し、
--ssl-verify-server-certが有効になった--disable-sslor--disable-ssl-verify-server-certを利用することで古いふるまいに戻すこと可能
- クライアントで新しいコマンドラインオプション
--ssl-fpand--ssl-fplistが利用可能になった
Galera
- (記載なし)
InnoDB
innodb_truncate_temporary_tablespace_now変数を利用することで再起動なしでtemporary tablespaceのシュリンクが可能になった- 再起動時に使われていないInnoDB system tablespaceの回収が走るようになった
その他
- オプティマイザ
- コストモデルの改善: The Optimizer Cost Model from MariaDB 11.0 | MariaDB Documentation
ALTER TABLEは多くの場合ALGORITHM=COPY, LOCK=NONEで実行する(ALTER TABLE can now do most operations with ALGORITHM=COPY, LOCK=NONE)
- JSON
- Data Types
- INET4データ型がINET6型にキャスト可能になった
- バックアップ/リストア
- sys schema
sys.privileges_by_table_by_levelviewが追加
- Collations
- 44この新しいcollationsが追加された
- information_schemaのcollationsテーブルに
COMMENTカラムが追加
- information_schemaのcollationsテーブルに
- 44この新しいcollationsが追加された
- Privileges
SHOW CREATE ROUTINE新権限が追加
Miscellaneous
Date and Time
- DATE_FORMATでタイムゾーンを示すの%Z, %zが追加
11.8 LTS
MariaDB 11.8 Changes & Improvements | MariaDB Documentationを読んで、重要そうな(気になった)ものをまとめた。 STS(Short Term Support)バージョンで追加されたものも含み、前のLTSバージョンから追加された機能がまとまっている。
Vectors
- Vectorデータ型、インデックス、関数が追加
Variables
認証
PARSEC認証プラグインの追加- Unix Socket Authentication Pluginで
authentication_stringがサポートされるように拡張
レプリケーション
Galera
- Automatic SST user account managementが追加
InnoDB
innodb-adaptive-hash-indexのマルチスレッドでのスケーラビリティが修正された- InnoDB async IO statisticsの提供
その他
- Character Sets
- character setのデフォルトが
latin1からutf8mb4に変更 - デフォルトのUnicode collationが
uca1400_ai_ciに変更
- character setのデフォルトが
- Optimizer
- Charset Narrowing Optimization | MariaDB Documentation
- virtual columnsに対するサポート
- パーティションされたテーブルに対してもIndex condition pushdownがサポートされる
ANALYZEがindex condition pushdownのselectivityを表示するようになった
- System Versioned Tables
- Allow a system-versioned table to be converted from implicit to explicit row_start/row_end columns (MDEV-27293)(原文のまま)
- Temporary files and tables
- テンポラリファイルとテーブルのサイズ制限が可能になった
- max_tmp_session_space_usage: Limits the temporary space allowance per user
- max_tmp_total_space_usage: Limits the temporary space allowance for all users.
- Data Types
- TIMESTAMPの範囲の上限が、
2038-01-19 03:14:07 UTCから2106-02-07 06:28:15 UTCに拡張された- この変化によるストレージフォーマットの変更はない
- 古いバージョンのMariaDBでもサポート範囲の値を読む限りは読み出すことが可能
- TIMESTAMPの範囲の上限が、
- Miscellaneous
- UUID_v4(), UUID_v7()関数の追加
- FORMAT_BYTES()関数の追加
FLUSH GLOBAL STATUSコマンドの追加- Query Response TimeプラグインががPercona serverとcompatibleになった
- Seqauences
CREATE SEQUENCE ... ASがBIGINT UNSIGNEDをサポートし、INT型をすべてサポート- Information Schema SEQUENCES Tableの追加
参考
- MariaDB Server - All releases - MariaDB.org
- MariaDB 10.11 Changes & Improvements | MariaDB Documentation
- MariaDB 11.4 Changes & Improvements | MariaDB Documentation
- MariaDB 11.8 Changes & Improvements | MariaDB Documentation
- Announcing Yearly LTS Releases for MariaDB Community Server | MariaDB
- MariaDB | endoflife.date
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