「可換」とは数学で加法や減法のような演算や操作の順序を入れ替えても結果が等しいことをいう。 食事における可換性とはなんだろうか。日本人の伝統的な食卓というと、おそらく米と味噌汁に焼き魚やお浸しが組み合わさった一汁三菜だろう。 つまり、主食、主菜、副菜を2品に汁物を加えた献立だ。 僕は自炊を頻繁にするが、料理がそれほど好きではない。なので、普段の食事の品数や種類も少ない。 以前は冷凍した米を電子レンジで温め、それにレトルトのカレーをかけてカレーを昼食として頻繁に食べていた。 最近は、カレーではなく、ご飯と汁物の組み合わせが多い。汁物といっても味噌汁ではない。乾燥したコンソメ粉を小さじ1だけ掬い、お椀にいれる。そこに乾燥ワカメを少量いれ、ケトルで沸かしたお湯を入れて混ぜるだけの簡単なスープだ。 味噌ではなくコンソメを使っている理由は、乾燥した材料のほうが多少雑に扱っても傷みにくいだろうという考えからだ。
さて、ここで味噌汁とコンソメスープを入れ替えても同じ一汁なので、米とコンソメスープにおかずを3品加えれば1汁三菜の献立と言える。 つまり、味噌汁とコンソメスープは可換であるといえるだろう。
では、主食、つまり米と可換といえる料理は何だろう。 僕は普段、冷凍ご飯を温めて食べていることは書いた通りだ。全て食べきったら次回は炊飯をしなければいけないわけだが、忘れてしまうときもある。 数日前の昼食が、その炊飯を忘れてしまったときだった。 普段から1汁三菜とは言えない質素な食事をしている僕だが、主食が無いのはいただけない。 かと言って、レトルトパックのご飯はなかった。ピンチだ。 米と可換な材料が求められていた。 この日、家にあるものを見渡して見ると、冷凍した人参、玉ねぎ、キャベツ、そしてジャガイモがあった。 ジャガイモを見て考えた。イギリスではジャガイモは主食ではなかったかと。 後日調べると、イギリスでは主食という概念自体が薄いらしくジャガイモはメイン料理になることもあるというもので日本とはまた違うとのことだった。 フィンランド共和国では一般的にジャガイモが主食として食べられているらしい1。 つまり、ジャガイモとスープにすれば主食と一汁という最低限の体裁を保った献立が作れるわけだ。 僕は、主食を発見した。だが、ジャガイモを生で食べるわけにはいかない。落ち着いて丁寧にジャガイモの芽と皮を向いてラップにくるんだ。そして電子レンジで加熱してふかし芋になるのを待った。めでたしめでたしである。