岸本葉子氏による「エッセイの書き方」という本を読みました。
エッセイとは「自分の書きたいこと」を「他者が読みたくなるように」書くことであるとして、エッセイにおける話の展開の仕方を解説しています。 エッセイは勿論ですが、文章の書き方解説としても良い本でした。
著者がエッセイストであるからか言葉選びが丁寧です。 例えば、章題の「テーマは連想の始動装置―「私」と「公共」の往復運動」はエッセイ、より一般的に文章を書き、読み直して、書き直す、一連のサイクルをよく表していて趣深いです。
全編にあたって参考になりますが読んでいて面白かったのは情報の出し方についてです。 本書では、情報は周辺から詳細に順に狭めて読み手に明らかにするのが良いと述べてます。 これは映画や演劇でも同じです。
例えば、映画の冒頭で街の風景が映され、どこかの道路を走る車のシーンに切り替わる。その後、車内がアップで映され会話が始まるというような流れはよくみられる映画の冒頭です。
映画も日常から非日常へと観客を誘う芸術なので、入り口の作り方は同じなんですね。
「エッセイの書き方」を読み始める前に「黒沢清、21世紀の映画を語る」を読んで映画作りに思いを馳せていたので、映画との共通点を見つけて楽しめました。