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ICPC World Finals 2025 Baku (2025/08/28 - 09/06)

アゼルバイジャンの首都バクーで開催された ICPC World Finals 2025東京大学チーム Screenwalkers のコーチとして参加しました。

日程

日付 内容
08/28(木) 日本出国
08/29(金) アゼルバイジャン入国 (前泊 1)
08/30(土) 観光 (前泊 2)
08/31(日) レジストレーション
09/01(月) 開会式
09/02(火) リハーサル
09/03(水) ICPC Challenge
09/04(木) ICPC World Finals Baku, 閉会式
09/05(金) アゼルバイジャン出国
09/06(土) 日本帰国

アゼルバイジャンについて

なかなか聞きなじみのない国かと思います。噂に聞いていた開催国候補からはだいぶ離れていたので、今年 2 月に開催地が決まったときには思わず二度見してしまいました。

赤で囲っているところがバクー (出典: google map)

事前情報としては、カスピ海に面していて油田がある、旧ソ連の一角、建物の形が特徴的、至るところでヘイダル・アリエフの名前が冠されている、チェスのガルリ・カスパロフの出身国、親日国、隣国のアルメニアと戦争をしている、...などのことがわかりましたが、やはり謎が多いというのと人生で今後行く機会がなさそうという点で実は結構楽しみではありました。あと、今度アゼルバイジャンに行くという話を人にするだけで意表がつけるので面白いです。

バクー拡大図。画面下の方の国旗マークが密集しているところが、主に滞在したホテルや会場 (出典: google map)

基本情報としては以下のような感じです。

  • 公用語: アゼルバイジャン語 (トルコ語に似ているらしい)
  • 通貨: マナト (1 マナト約 90 円)
  • 標準時: UTC+4 (日本の 5 時間前)
  • 首都: バクー
  • 人口: 約 1000 万人
  • 面積: 86600 ㎢ (日本の約 1/4)
  • ビザ: 必要だが、日本はアライバルビザが使用可能

実際行ってみてどうだったかについてはまた後程ということで、まずはコンテストの方を振り返りたいと思います。

コーチとしてやったこと

一言で言うと、ICPC 運営と選手の間を繋ぐバッファ的なのがコーチの役割だと言えますが、ここでは私が今シーズンやったことを見ていきます。

事務手続き

コーチのメインの仕事です。重要かつコーチにしか来ない ICPC からのメールが結構あるので、そこら辺を逃さないようにウォッチしつつ、必要な部分は選手にも伝達したり、自分で作業したり、質問がある場合はメールを送ったりという感じです。Regional 以降メールは全て英語で来るので、若干面倒ではあります。また、質問メールは往々にして返信が来ません。

大会への同伴

オンサイト大会での保護者役です。選手のいる場所を常に把握しつつ、会場移動があるときに誘導するとかですかね。あとは海外オンサイトへ行くとなると 1 週間前後という長いスパンで時間を共有することになるので、人間関係的なところも意外と重要なのかなとも思います。個人主義社会の東大に特有の話かもしれませんが、最初の頃は面識が薄くぎこちなさがあったかもしれません。しかし台湾、シンガポールと行って今回 3 回目ということで、お互いにある程度手の内がわかった状態で迎えられたのは、特に心配事がなくて良かったかなと思います。のいみコーチの世界線ではどうなっていたことやら...。

WF で感じましたが、海外の大学はココーチを何人も立てて大勢で来ているというところも多いなという印象があります。

\mathbb{X} の禁止

非自明な貢献ポイント (?) です。去年の国内予選以来、特に横浜のときなど、大会直前は \mathbb{X} を見ないようにした方が良いと口うるさく言っていた気がします。一方で、同じ東大の SPJ には勝ち筋を減らしてしまって若干申し訳なさはありました。

今回の WF では、こちらからは APAC のブログに書いたくらいで直接は言ってませんでしたが、一か月前に E8 くんが自主的に辞めていたのには感動しました。直前期になってプログラミング甲子園の方の問題で一時的に twitter 復活しているという話を聞くまでは。これには話が違うと思いましたが、結果的には大事にならなくて良かったです。

コーチン

してません。というか特にすることがないです。強いて言うなら、練習の近況を定期的にしてくれたのでそれについてコメントしたり少し会話したりというところです。練習のパフォーマンスに対する自己評価が低いこともあるので、そういうときは褒めるようにはしていました。

ICPC 国際大会にも色々行って海外チームのコーチと話す機会も多々ありましたが、技術的な練習指導をしてるコーチが多かったり、そもそもほとんどのコーチは学生ではなく大学の先生だったりと、学生主体の日本の競プロ環境は特異的なものだということがわかりました。

参加まで

WF 関連で行った手続きや、関連する話題を記録に残っている範囲で時系列順に示します。基本的に ICPC Manager から当初伝えられるスケジュールと比べて後手後手で進んではいました。今後の WF 参加者の参考になればと思います。

  • [03/01] Asia Pacific Championship
  • [04/??] WF 進出チームの発表
  • [05/01] チームで会議をして、予定スケジュールの 2 日前に到着するフライトを予約。補助の有無や額についてはこの時点ではまだわかっていなかったので、できるだけ安くなるように HIS 経由でカタール航空のフライトを取りました (4 人で往復 70 万円)。できるだけ安く取りたい場合は、公式サイトだけではなく skyscanner などもチェックするのが良さそうです。
  • [05/12] 情報科学国際交流財団 (IISF) の方から旅費補助についての連絡。コーチ含め、参加者 1 人あたり 15 万円 (合計 60 万円) の補助をいただきました。今年の横浜には JAG スタッフとしていったのですが、IISF の方にメールのやり取りで名前を覚えられていて驚きました。横浜の夜は IISF のサポートにあずかり焼肉に行ったりしましたが、ここで無駄に豪遊することで選手の補助が減ってるのでは?と思ったりもしました。
  • [06/05] ICPC Manager からの正式な WF 招待メール。5 営業日以内という短い期間でパスポートなどの情報を ICPC global に登録して Certificate する必要があったので、ちゃんと連絡を見逃さないようにするのが大事です。また、ここで T シャツと T シャツに書かれる文字の色の選択も行うので、WF 参加チームは事前に準備しておくとよいと思います。今回は我々で好きな色を選んでしまいましたが、一般的には大学のカラー (例えば東大だったらライトブルー?) を反映させるのが良いようです。
  • [06/24] 予約したフライトの経由地ドーハ空港が一時的に閉鎖。その後、原因となったイスラエル・イラン戦争が停戦合意したと受けて少し安心しましたが、政情的な不安定さが垣間見える出来事でした。
  • [07/??] ICPC global の status が Accepted になる。Certificate したら一週間くらいで Accepted になると言われていましたが、実際には一か月かかりました。
  • [07/19] WF と同じホテルでの前泊の予約。同じホテルに泊まりたい場合は、WF 専用の予約サイトでやるといいと思います (その連絡来たのが 7/15 だったので結構ギリギリでしたが...)。
  • [07/26] 本番用の OS image と practice contest の情報のメールが来る。私も一応試しましたが、横浜などの Regional とだいたい同じ感じの Ubuntu 環境でした。
  • [08/05 - 08/09] Screenwalkers が中国・清華大学で開かれた ICPCレーニングキャンプに参加。5 回のコンテストで中国強豪チーム相手に優勝含めてかなりの成績を収めていたようで、本番の金メダルもかなり濃厚なのではないかと思っていました (彼らは金の確率はまだ低いと言っていましたが)。
  • [08/25 - 08/27] 荷物準備。ICPC は T シャツがたくさんもらえるので、服のことについてあまり考えなくてよくて助かります。
  • [08/28] 日本出発。特に問題なく出国できました。

コンテスト

競技会場では大学のプラカードを持って入場というイベントがあるようで、朝はコンテスト開始よりもしばらく前に選手と別れることになりました。square くんから本番の前に最後にコーチから何か言うことを考えてください、という無茶振りをされていたので「世界大会なのでリージョナルや APAC の時よりは大変な戦いになるかもしれないですが、金メダルや日本史上初の 2 位以上もとれると思うので頑張ってください」と言って送り出しました。当日の朝は E8 くんと square くんは競プロの話をしていて、当日 20 歳になった KoD くんは冷静な様子で、全体的にいつも通りだったので本当にやってくれそうな感はありました。競技が始まるまではしばらく時間があったので、山口先生のお子さんが会場内にあるクレーンゲームでお目当てのものが取れるまで見届けるなどしていました。

競技本番中は、問題を見たりご飯を食べたり配信に出たりという感じで結構あっという間だったなと思います。Screenwalkers は序盤からハイペースで、中盤終盤になってもペースが落ちずに提出が続くので、いつも安心して見ていられます。WF 本番もトップグループを走り続け、凍結前 1 位で凍結後に 1 問提出してそれも通っていそうという素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。配信の合間には、山口先生と筧先生と一緒に食事に行くという貴重な一幕もありました。

ライブ配信

Youtuber になることです。去年の横浜でも同じように配信に出たので、はいはい配信ねみたいな感じで特に緊張したりせず出られました。配信用の PC の画面は順位表、各チームのスクリーンや定点カメラの映像など色々映せて設定もたくさんあったため老人には扱いが難しかったですが tatyam くんは使いこなしていて格の違いを見せつけられました。横浜の時は配信用の部屋があったのに対して、今回は会場の中のスポンサーブースや chill zone (ゲームコーナー) があるのと同じ開けた空間に、中国語、ロシア語、スペイン語など合わせて各国の配信ブースがある感じでした。こうして日本語用の配信ブースを用意していただけてるのは嬉しいことです。

配信では同じコーチの tatyam くん naniwazu くんだけでなく山口先生ともご一緒させていただく機会があり、主にお金回りの世界の ICPC 事情について聞けてためになりました。日本ではなかなかそんなことはなさそうですが、WF 出場はミリオンダラーになるチャンスらしいです。終盤は東大ウォッチャー川崎さんこと maroon さんが来て、視聴者置いてけぼりで爆速問題解説を始めていて面白かったです。当初は配信見に来る人は 15 人くらいだと聞いていましたが、常に同接 100 人くらいいて思ったより反響ありそうな感じでした。

Closing Ceremony

コンテスト会場からちょっと離れて Baku EXPO Center というところで行われました。会場は照明やスポットライトが派手に使われていて、Astana WF の中継で見たのは実際に来るとこういう感じだったんだなと思ったのと、今シーズンの ICPC もこれで本当に最後なんだなと少し感慨がありました。会場はテーブルで料理を囲む形でしたが、このときはそんなに食べる気になれず、なんで食べないのと言わんばかりに追加で配膳してくださるシェフの方々には申し訳なかったです。

まるでライブのような会場

例によって私にだけ凍結後の結果を教えてくれて、B 問題が追加で通っていて他のチームの提出が全て Yes だったとしてもペナルティを考えると 3 位以内は確定しているとのことだったので、Yes/No の最終盤以外は他チームの結果に注目していました。しかし、日本から一緒に行った京大、科学大、徳山高専や NUS、NTU などシンガポールで活躍していたチームが苦戦しているようだったのを見てなかなか心苦しかったです。皆さま本当にお疲れさまでした。

凍結前の順位表

メダル圏内の発表が近づくと表彰台の目の前に集められ、いよいよフィナーレという感じです。銅メダル、銀メダル、金メダルの順に確定していって、最後は St. Petersburg State University が G を通していれば単独 11 完で優勝、そうでなければ The University of Tokyo の優勝という一幕でしたが、結果は Yes でした。周りの人の雰囲気から St. Petersburg がやったというのは概ね前もって感じていたのですが、最後の 2 分で AC するのは強すぎるの一言です。Screenwalkers の 2 位ももちろん大変なる偉業で、本当にやってのけるとは...。改めて本当におめでとうございます。

🎉🎉🎉🎉🎉
ICPC Challenge

ICPC 本番の前日にある、Huawei 主催の 3 時間マラソンコンテストです。選手は 3 人のチームで出ますが、コーチ用の枠と賞品も用意されてます。ただし、コーチ用の PC は用意されていないので、待機室で各自の PC で勝手に出るという形でした。私は PC を持ってきておらず、iPad でスマホコーディングになってしまった上方針を大分外してしまったので特に語ることがありませんが、問題自体は面白くてもうちょっと取り組む時間があればなぁというところでした。コーチ用の方も想像していたよりもかなり鍛えられている方が多く、ここで高順位を取るのはかなり大変だなと思いました。

ラスト 1 時間は凍結されるので例によって Yes/No 的な凍結解除イベントがありましたが、最初の方は勢いよく解凍していって激しく順位表が乱高下するのが見ていて面白かったです。Screenwalkers は優勝とここでも抜かりなくさすがの結果でした。

ICPC Challenge 閉会式 (優勝おめでとう🎉)

ギャラリー

壮行会

行きのフライトが深夜の羽田だったので、出発する前に空港内のレストランでディナーしないかという誘いが E8 くんから来たので行くことにしました。食事はビュッフェ形式でしたが、海鮮やてんぷらなどの日本食の美味しさを最後に胸に刻むこととなりました。

抹茶塩かけすぎた...
フライト

行きも帰りもカタール航空のドーハトランジットで、東京 - ドーハ (10 h) + トランジット (5 h) + ドーハ - バクー (3 h) くらいでした。東京ドーハのロングフライトは往復ともに夜出発だったので良く寝られましたが、その一方で腰や尻の収まりが悪くなって 1 時間起きくらいに目が覚めてしまったのはきつかったです。カタール航空 (JAL との共同便) は、機内の照明がおしゃれな感じなのも良かったです。JAL 便は機内食も特に美味しかったです (ハーゲンダッツがある)。

ドーハ空港での 5 時間は暇でしたが、空港が大きくて散策してるだけでも割と面白かったです (巨大なクマがいたり、モノレールが走ってたり、植物園があったりとか)。ドーハは日本とも比べ物にならないほど暑く、湿度が 80 % を優に超える中気温も 40 度を超えるので溜まったものではありません。空港ではペットボトルの水が 700 円するなど、なかなかエクストリームな国でした。

ドーハ名物 (?) 巨大クマ

ドーハバクーは国内線と同じくらいの感覚で、かなりあっという間でした。行きは飛行機もかなり小型 (3 + 3 の 6 列) だったので、これから離島に行くのかというような感覚がありました。

アゼルバイジャン・ヘイダルアリエフ空港に着くと、まずはビザ申請があります。通路にある券売機のような機械で、近くにいたおじさんの言う通りに進めるとすぐに発行できましたが、出てきたビザは字が掠れたレシートみたいな感じで、ビザってこんな適当なものだったのかとやや拍子抜けしました。荷物を回収しているとディスプレイに ICPC World Finals 2025 の広告が出てきたので、やはりこれは国家的にも一大イベントなのだなと思いました。

ホテル

ホテルは Baku Marriott Hotel Boulevard でした。オフィシャルな大会期間はこちらの負担なしで宿泊でき、前泊 2 日は自費での宿泊となりました。前泊の方は ICPC 運営からそれ用の予約ができるサイトが送られてきたのでそれを使いましたが、4 人 2 泊 2 部屋で 7 万円ちょっとでした。

初めてのマリオット

部屋は広くてジムもあったりと設備はとても良かったですが、レストランの庭園が中でも良かったなと覚えています。ジムでは NUS の yuto さんやコドフォの Mike さんなどに会いました。競技プログラミング筋トレ部も盛り上がるかもしれません。全体的にとても良いホテルで素晴らしい一週間を過ごせました。

この部屋を独り占め

ホテルの庭から眺める夜空
カスピ海

やはりアゼルバイジャンと言ったらカスピ海は切っても切り離せません。カスピ海も間近で見てみるととても面白く、水中からガスのようなものがブクブクと湧き上がって油のように広がったり、水面が一部ザラザラしているところがあるのが見られました。おそらくどっちも天然ガスや石油に依るものなのかなと思いますが、ここに油田が広がっていることを実体験として確認できて興味深いです。

ブクブクが広がったあと

海面がザラザラしている。奥方向にはイランがあるが、カスピ海のあまりの大きさで流石に見えるはずもなく

山の上にある展望台からの眺めもとても良いものでした。上から見るとやはり奇妙な形の建物の多さを再認識できます。

素晴らしいカスピ海

わけわからんくらいでかい国旗 (160 m あるらしい)
観光

旧市街地は白いレンガ造りの歴史ある建物が立ち並ぶ綺麗な街並みが広がっていました。建物や地面が白いので、色々な方向から光が反射してきてかなり眩しかったです (日焼け止めを持ってきてよかった)。ともあれ、バクーにいた期間はずっと快晴でとても気持ちよく過ごせました。

アゼルバイジャンでは、シルクロードの通り道で中国からの文化が入ってきていることもあり、古くから絨毯作りが盛んです。街中でも絨毯が広げられている所があり、専用の博物館カーペットミュージアムは大量のカーペットが展示されていて壮観でした。細かいものでは 1 m 四方が 1000 * 1000 に分割されているようで、その製作に思いを馳せるだけで気が遠くなってしまいそうです。

カーペットミュージアム内部
建物

癖の強い建造物群をいくつか紹介したいと思います。フレイムタワーやヘイダルアリエフセンターなど、バクーを google 検索したら出てくるようなものだけではなく、全体的に曲線的な建物が多くて歩いているだけでも面白かったです。色々ありましたが、個人的に一番インパクトあったのはカーペットミュージアムですね。カーペットミュージアムってミュージアムをカーペットにすることではないのかと...。

ヘイダルアリエフセンター。別の角度からも見たかったなあ

フレイムタワー。もはやそこまで変じゃないのではという気も

カーペットミュージアム。俺自身がカーペットになることだ

奥に見える丸いのがクレセントホテル。どっかのサイトで既視感あり
食事

期間中はホテルや会場で用意されているビュッフェが多かったので、アゼルバイジャン料理を食べれたのは前入りして観光した日だけでした。ビュッフェ形式の食事では、シェフがその場で作ってくれるオムレツが美味しかったです。そこで並んでいて少し皆さんをお待たせしまったこともありましたが...。

オムレツ作成現場

旧市街地に観光に行ったときに食べたのは、4 人前の肉 (鶏、羊) や野菜がごろごろ入っているアゼルバイジャンの郷土料理とのことでした。味付けなど口に合わなかった場合はかなり厳しいことになっていたことが予想されましたが、結果は幸いしました。その外にも餃子やピラフみたいな郷土料理もあって気にはなっていたのですが、機会がなくてやや悔いが残ります。

アゼルバイジャンの郷土料理 (サジ?)
交通

片道 6 車線もあるような道が平然とあり、日本とは比べ物にならないくらい道幅が広いですが、その広さを活かしてか車は車線を突っ切り斜めに走っていきます。会場までの送迎バスも急停車急発進を繰り返したり、前後左右の車にこれでもかというくらいにじり寄ることもありましたが、幸い事故には至りませんでした。車種はトヨタやホンダ、日産など日本の車がかなり多かった印象です (親日が関係あるんですかね)。

地下鉄やバス、ケーブルカーといった公共交通もあります。どれも記憶の範疇では 1 マナト (= 約 90 円) で乗れたので、市街観光に行くときに便利に使えました。ただし、キャッシュレス決済ができなくて現金を使わざるを得ないというのは面倒でした。そもそもアゼルバイジャンマナトがアゼルバイジャン国内くらいでしか手に入らないので、少量であっても両替あるいはキャッシングが必要なのは煩わしくはあります。

ケーブルカーから望むカスピ海

ケーブルカーではカスピ海の眺めを楽しんでいましたが、ふと上を見上げたらなんと天井ガラスにバキバキにひびが入っていて、なんともわくわくしました。

生き物

生き物と銘打ってる割にだいたい猫の話です。そうなってしまうくらいにこの国には猫が大量にいるということです。また、日本の猫とは違って警戒心もあまりなく、よく触らせてくれてかわいいです (海外では特に感染症に気を付けましょう)。

こうしてみるとトラとネコは同じ科類なんだなと

無防備すぎるねこち

猫ってこんな前足長いんですね

植物では、突起物のように大きいへたのようなものがついた赤い実がなっている木をところどころで見かけましたが、これはどうやらザクロのようです。ホテルのドリンクにもザクロジュースが置いてあって珍しいなとは思っていましたが、どうやらこの地域の名産品の 1 つのようです。

赤いのがザクロの実。ほど近いペルシャ原産らしい
chill zone

競技会場のホールやホテルに設置されている、ゲームコーナーです。今回の World Finals で一番楽しかった場所といっても過言ではないかもしれません。ゲームの種類はチェスやオセロなどの古典的なボードゲームからナンプレなどパズルゲーム、テーブルサッカーなどのアクションゲーム、Switch やレースゲームなどのテレビゲームまで幅広く用意されていました。

チェスはやりたかったですが、初心者の域を出ないので、世界競合がハイレベルな Blitz 戦を繰り広げている中に割って入ることは憚られました。幸い等身大サイズのチェスを少しだけプレイできたのは良かったです。ホテルでは National Taiwan University の I_am_noob さんと象棋 (中国将棋) をやって、二時間くらいやった結果引き分けで終わったのを覚えています。I_am_noob さんと会うのは今シーズンの ICPC でもう 3 回目でしたが、いつもありがとうございます。

ヨーロッパ・ロシアの強豪ひしめくチェス

優勝チーム St. Petersburg State University の LGM turmax さんとお互いよくわからないまま象棋 (中国将棋) をやったのはいい思い出です。決着がつかないままお開きになってしまいましたが、いつか続きをやる機会があれば嬉しいですね。(実はやっているときは相手が誰かわかっていなくて、チャンピオンと指していたことに気づいたのは帰国してからでしたが...。)

指し掛けの盤面
push up challenge

Codeforces の Mike さんが企画した、ホテルで競技プログラマーが一堂に会して腕立て伏せをする謎のイベントです。私も交じってやっていましたが、会場が人いっぱいになるくらい参加者が集まってみんなで腕立て伏せしている絵面がシュールでとても面白かったです。隣の部屋で食事をしていた人たちにもはっきりとわかるくらい盛り上がっていたようです。合計 100 回は優に腕立て伏せをして、日本に帰るまで体バキバキになりました。

来年以降出られる方は腕立て伏せの練習もやっておきましょう。

勲章
お土産

もはや ICPC 名物となりつつある致死量のグッズです。ぬいぐるみとリュックサックがスーツケースの容量を逼迫させてきます。もしかしたら、リュックはスーツケースに詰め込まないで両肩に 1 つずつ肩に下げるスタイルの方が良いのかもしれません。T シャツは大会でもらった大学の名前が付いた 4 枚の他に、配信の時に来ていたものを 1 枚もらいました。実は帰ってから未だに開封していないものがいくつかありますが、こうしてみると結構実用的なものが多そうに見えます (シンガポールのフリスビーはなんだったんだ...)。

グッズその 1

グッズその 2

アゼルバイジャンのお土産は、アゼルバイジャンティーくらいしか買えませんでした。カーペットとか買えば良かったなと思いますが、カーペットミュージアムに行ったときには値札がカーペットの裏側に貼られているとはいさ知らずだったので仕方なかった気もします。あれが一体いくらくらいだったのか真相は不明のままとなりました。

WF 2026 開催地予想

中国とかメキシコとかブラジルとか色々囁かれてる説はありますが、来年もあんまり予想されていない場所になるんじゃないかということで、カタール・ドーハと予想しておきます。昨今の世界情勢的に開催国はロシアとの関係が悪くない国となっているようですが、直近ではカザフスタンアゼルバイジャン旧ソ連の国が続いているので中東地域に戻ってくるのではないかという見立てです。言っといてなんですが、全然大外しになる気がします。現地ではアゼルバイジャンの隣国アルメニアになるのではという話を耳にはしましたが、同じ地域連続しすぎなのではという気がします。次は 50 回の節目なので、どこになるのか見物です。

感想

日本の名だたる選手たちの実績を超えて Screenwalkers が 2 位になったということで意外という意見もチラホラ聞きますが、彼らのチーム練習や戦略洗練のストイックさを知っている身としては驚くべきではないというか、本番で実力を出し切った結果なのかと思っています。何か月も週 4 でチーム練をやっているのみならず四六時中と言っていいほど常に議論を重ねているというのは他に類を見ないと思います。

1 年間コーチをやりましたが、優勝まで手がかかりかけていたほどのチームを傍で見られるというとても役得な仕事でした。WF に一緒に行った日本勢のみなさまにも大変お世話になりました。なんだかんだ今後もチラホラ ICPC に関わる気がするので、また機会があればよろしくお願いします。競プロモチベも復活しつつあるので、今後またコンテストにも復帰するかもしれません。




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