今週読んだ絵本です。

「おんちょろちょろ」日本民話
再話:瀬田貞二
画:梶山俊夫
2016年3月1日 第1刷)
伸びやかで野趣に富んだ画で描かれる日本の民話です。
とある山奥の一軒家で起きた、むかしむかしのお話。
着物姿の男の子が迷子になりかけの場面から物語は始まります。
辿り着いた民家にお世話になりますが、
訳あって、お坊さんでもないのにお経をあげることになりました。
もちろん本当のお経を知っているはずもなく、止む無く男の子は
目の前を動いている、ある生き物の行動をそのままお経にしてしまいます。
「おんちょろちょろ・・・」
例えば、「おんちょろちょろ、でてこられそろ」
もっともらしい声音で唱えると、どんな言葉もそれっぽく聞こえるらしく
素朴で親切なおじいさんおばあさんは、それを大変有難く聞いたうえに、
男の子が去った後も覚えていました。
男の子が即興で唱えたお経、目の前の生き物の行動を言葉にしただけなので
なんの効用も意味も無いように思われますが
ある出来事に対しては、効果絶大、おじいさんおばあさんの窮地を救うことに。
「おんちょろちょろ」というタイトルからは
私はなんのことやら全く想像できませんでしたが
音の響きも滑稽で楽しく、昔話を口承で聞いていた時代、
このお経もどき、聴衆の前で如何にもそれらしく唱えられただけで
皆の笑いを大いに誘ったのではないかと思いました。
さらに物語の後半、この俄作りのお経の効果は、騒々しくて愉快で痛快。
思わず私も「おんちょろちょろ」と、お腹に力を込め真剣に重々しく声に出して唱えたくなってしまいました。
