今週読んだ絵本です。

「おしいれじいさん」
作:尾崎玄一郎
尾崎由紀奈
(福音館書店 2016年4月1日 第1刷(特性版))
物語の主人公は「おしいれじいさん」
見かけは「チョウチンアンコウ」というお魚によく似ていますが、小さな丸眼鏡をかけていて、押し入れに住んでいます。チョウチンの部分からは明るい光が灯って、押し入れの中を程よく照らし出してくれます。
おしいれじいさんにとっては、押し入れが世界の全て。家の人が布団を使う夜に起きて活動し(もちろん押し入れの中限定)、昼、家の人が起きだして布団を押し入れにしまうと戻ってきた布団に寝ます。
おしいれじいさんは、押し入れの中をふわふわ泳いで移動、家の人たちには未だ存在を気づかれてはいないようです。
おしいれじいさんにとって、押し入れの中は遊び場でもあります。家の人が寝静まったころ、おしいれじいさんは
「さあて、きょうは あさまで なにをしてあそぶかなあ」と言って下の段に泳いでいくのです。
今日のおしいれじいさんの遊びは、読んでのお楽しみですが、なんとも楽しそうです。結末は意外と達成感があります。
押入れの中という、極々限定された空間でも、工夫ひとつ発想ひとつで充実した時間を過ごせる見本のような「おしいれじいさん」です。
もうひとつ、楽しむためのポイントも発見しました。この家の押し入れは、もう家の人たちも何が入っているのかわからなくなっているんじゃないかというほど、いろいろなものが詰まっています。こんな押し入れなら、こういう押し入れだからこそ、おしいれじいさんは、ずっと退屈しないで済みそう。
・・・あんまりきれいに片づけ過ぎない押し入れもいいんじゃないかと、わが身を肯定できる内容の作品でした。
