今週読んだ絵本です。

「ちっぽくん こんにちは」
学研カラー絵ばなし
文・絵:手塚治虫
(学習研究社 1973年3月15日 初版)
言わずと知れた手塚治虫さんの絵本。
ちっぽくんは、猫の大家族の末っ子、
ママにゃん似の白っぽい体と顔にはグレーの模様
赤い帽子を額にちょこんと乗せた男の子です。
パパにゃんは茶色の縞々柄がトラみたいで強くて怖そう。
子ネコがみんな集められ、パパにゃんから「ネズミの食べ方」をレクチャーされています。
他の兄弟たちは素直に真剣にパパにゃんの話を聞いていますが
ちっぽくんはちょっと違うみたいです。
実は・・・ちっぽくんはネズミを食べるのが苦手
というかネズミを食べることがどうしてもできないんです。
パパにゃんもママにゃんも、ちっぽくんにネズミを食べるよう厳しく言いつけます。
小さなネズミを前にして、なんとか食べよう嚙みつこうとするちっぽくんの悪戦苦闘ぶりが愉快です。
どうしても食べることができなくて、へとへとになって
ぐったりしゃがみこんでしまったちっぽくんに、
当のネズミが自分のしっぽをハサミで切り落として手渡してくれました。
これを見せればママにゃんも納得?
ところがママにゃんはそう甘くはありませんでした。
さて、これからどうなる?どうする?ちっぽくん。
テンポの良い、意外性満載のストーリー展開。
上へ下へ、横へ縦へとスピード感ある動きが
感情豊かで楽しいイラストです。
悪役も実はなかないいい奴だったりするところに
作者の優しさを感じます。
手塚治虫さんの子どもたちへ向けたあとがきのタイトルは「たすけあう心を」でした。
幼い子どもたちにも、自然なかたちで
生きものの命について考えるきっかけになる作品です。
