今週読んだ絵本です。

「ともだち ともる」
作:内田麟太郎
絵:黒井健
(文研出版 2024年3月30日)
ともだちになりたい、ともだちが欲しいと切に願っている二匹のカエルが主人公。なにが二匹を隔てているかというと、カエルはカエルでも片方は小さなアマガエル、もう一方は大きな大きなウシガエル、あまりの差にお互い気になるけど声をかけられずにいます・・・
静かに二匹の間に流れる時間が、黒井健さんのすべてを包み込むような優しさに満ちたイラストと、簡潔な言葉でカエルの心の動きを汲み取った内田麟太郎さんの文章で描かれていきます。
池辺の植物たちの緑の美しさ、丁寧に描かれた一枚一枚の葉の形にも自然の息づかいを感じます。二匹が寄り添って夕日を眺めるシーンの美しさといったら、日ごろの疲れもどこかへ飛んで行ってしまいそうな光景です。
作品の紹介文によると
内田麟太郎さんは、1941年福岡県大牟田市生まれ、詩人、絵詞作家。手掛けた絵本作品で、数々の賞を受賞されています。絵詞(えことば)って何だろう?と、知らなかったので検索してみたら「絵巻物で、絵を説明するために書き添えた文章」とありました。本作でも、どちらが先だったのかわかりませんが、一文一文が絵とぴったり合わさって絵詞のようにも感じられました。
故郷大牟田市には作者所縁の「ともだちや絵本美術館」があります。
友だちがいない寂しさや、友だちが欲しいと思う切実さ、そして友だちができた瞬間の温かい気持ちを、温もりある言葉とイラストで味わうことができる作品です。
