3月に入りました。
少しずつ春が近づいてきてますね。

今週読んだのは童話ですが、作者の描いた素朴で優しいユーモア溢れる挿絵に頬が緩みっぱなし。
「くまのピエール」
作:イブ・スパング・オルセン
(こぐま社 2022年3月15日 第1刷発行)
※『Pjer Brumme Historier om en lille bjorn』(1971,2000,Gyldendal)より再構成
有名クマキャラといったら?プーさんやパディントン、テッド、リラックマにくまモンなどなど愛されキャラがたくさん思い起こされますが、今回紹介するピエールも負けず劣らずの愛され度抜群のキャラクターです。
作者のイブ・スパング・オルセンさん(1921-2012)はデンマーク・コペンハーゲン生まれの方。デンマークを代表する芸術家として、1972年には国際アンデルセン賞画家賞を受賞しています。
ピエールは小さなクマのぬいぐるみです。でも大人のいないところでは、ウーヴーとお喋りすることもできるし、トコトコ歩いたり、お腹が空いたら食べるし、眠くなったら眠ります。
お店のショーウインドウに、シルエットが「番犬代わりに使える」と防犯対策も兼ねて飾られていたピエールですが、お店で起こったある出来事をきっかけに、スティーヌという女の子の家で暮らすことになります。
そのきっかけからして、ピエールの天然炸裂です。ピエールにはいつも悪気はありません。というより常に善意や親切心や探求心といった前向きな気持ちから起こす行動が、思わぬハプニングを呼び、意外な事態を招いてしまいます。その顛末といったら、電車の中で物語を読んでいたのですが、ついついニヤニヤ、プッと吹き出しそうになるものばかり。どうしてこうなっちゃうの?それはきっとピエールが好奇心いっぱいの小さなクマだから。ピエールが出会う人間の世界は不思議に満ちてみえるから。
物語は7つの短編で構成されています。そのもくじを…
・ピエールがやってきた
・お手伝いは、まかせて
・二十クローネ玉をおいかけて
・はじめての雪の日
・ピエール、大ピンチ
・走れ、ピエール
・さんざんな海水浴
やさしく分かりやすい言葉で描かれるピエールの楽しい日々。大好きなスティーヌと暮らす、どこにでもある日常の生活の中でピエールが巻き起こす(巻き起こすけど最後まで周囲は気が付かないこともあったり)おかしな出来事。
ピエールはあるものを二十クローネ玉だと勘違いするのですが、この発想に私の固定観念は打ち破られました。当たり前と思っていた物事が当たり前じゃなくなる、知らなければこんな風に見えることだってあるよなぁと、大人の固まった頭をほぐしてくれる効果もあるピエール、いえ作品です。
日常を楽しく過ごしたかったら、ピエールになりましょう。
