最近、本当によく忘れるんです、いろいろなこと。

「じゃがいも のんた の わすれんぼう」
作:つるた ようこ
(福音館書店 2024年4月1日(特製版))
※アマゾンでの検索では本作は見つかりませんでした。
忘れものって、
わざわざ意識してするものでもないですが、
最近は、よくもこうも忘れるものだと
我ながら感心する日々。
冷蔵庫の前まで来て、
何を取りに来たんだっけ?とか
芸能人の出ている
番組名は出てくるのに名前が出ない!
なんてことは極々かわいいほうで
昨年、順番で回ってきた
町内会の当番をすっぽかした日には
愕然呆然としました。
だって、これは忘れちゃならないと
複数のカレンダーに予定を記入し、
前日の夜まで
何度も確認チェックしたのに・・・
さて、この物語の
じゃがいもの「のんた」が忘れたものは
そんな困ったものでありません。
お母さんに頼まれた
お使いの品なのですが、忘れたのには
ちゃんとした原因があります。
のんたは行く先々で、お知り合いの
トマトさんやニンジンさんに
別の頼まれ事をされて、
快く引き受けたために
お母さんの頼まれ事を
忘れてしまっているのです。
とっても優しくて親切なのんた
だからこその忘れもの、です。
登場するキャラクターが全て、
柔らかくてシンプルな細い線で描かれ、
それぞれが持つ優しさが滲み出ています。
じゃがいものお母さんのエプロン姿、
買い物籠をぶらさげて
元気に野道を歩く笑顔ののんた、
などなどページを開くたび、
見ているとほっこりします。
なんとなく、ほくほくに蒸かした
じゃがいもが食べたくなります。
(・・・のんたくん、ごめんなさい)
私が一番かわいいなぁと思った場面は
玉ねぎかあさんがお買い物に行く間、
4人(個?)のぼうやたちと
お留守番を頼まれたのんたでしたが
だんだん寂しくなったぼうやたちが
おのおの泣き出しちゃったところ。
のんたは変顔をして
機嫌を直そうと試みますが、
さすが玉ねぎ、涙が止まりません。
目的だけを速やかに忘れずに達成していたら
のんたは誰にも出会わず、
いろいろな経験もせず
のんたの人柄(じゃがいも柄?)も
知りえないままでした。
忘れることも、時には悪くないんじゃない?
ちなみにこちらの作品についた英語のタイトルは
「NONTA THE KIND POTAPO BOY」
もし日本語のタイトルがこちらだったなら
物語を眺める視点が変わり、読後の印象も違っていたかも。