今週はタイトルに吸い寄せられた一冊です。

「ころべば いいのに」
作:ヨシタケシンスケ
(ブロンズ新社 2019年6月25日 初版第1刷発行)
作者のヨシタケシンスケさんは、現役のお子さまたちに大人気の作家さん。今までは超人気に逆らって、あえて手にすることをしないでいました。理由はなんとなく。大人だから、でしょうか。
それがなぜ、今回読んでみようと思ったかというと…タイトルに吸い寄せられたからでした。なぜ吸い寄せられたかというと…
絵本を見つけた前日のこと。
ある友人との電話での会話。世間話やら近況の諸々に続き、話題は過去へとタイムスリップ。兄嫁と昔からそりが合わなかったという友人が軽~くポロリズバリと言いました。
「私はず~っと兄嫁のことを、○○になって○○ばいいのに、って思ってたの~」
前の○○も、後の○○も、文字にするのは憚られるのでご想像にお任せします。
内心(えっえ~~ダイタン)と思ったものの口にはせず黙って聞いていると、
「そう思っていたら私が○○になっちゃった、ワハハハハ」
(ワハハというよりガハハハッだったかもしれません。)
こちらの○○もご想像にお任せします。
そんなことで、「~すればいいのに」という言葉に強烈なインパクトを感じていたばかりの翌日に、絵本「ころべば いいのに」に出会ったのでした。
最初のページを開けば、濃いピンクのランドセルを背負って髪の毛を二つに束ねた小学生の女の子が午後4時15分帰りの鐘が鳴るなか、校門を出てくるところです。
その顔が怖い。
小学生だけど怖い。
目が座っている。
口も一文字に結ばれて、表情のどこにも緩んだところがない。
そして彼女はこう言っています。
わたしには きらいなひとがいる。
なんにんか、いる。
前出の友人に嫌いな人が何人いるか、聞いたことはありませんが、たぶん確実に1人はいますよね。この絵本は、1人でも「~すればいいのに」って思う相手がいる方に、一度は目を通してほしい絵本です。
主人公の女の子は、「ころべば いいのに」って思う感情をどうにかするためにあの手この手を考えます。その対処法の数が半端ない。相手がなぜ嫌なことをするのか想像する力も半端ない。さて、嫌いな相手を嫌う強烈なパワーの行方は…?
誰かをイヤとか嫌いと思うには本人にも強いパワーが必要だと、絵本を読んで圧倒されました。こうなると、嫌嫌パワーは元気な証拠でもありますね。しかし、心身の衛生上はあんまりよろしくないかも。
なので、強~い怒りを感じた時の参考書に、大人の方もお試し読みしてはいかがでしょうか。
