今回は自分に贈りたくなった作品です。

サンタ・クロースはいると思いますか。
何歳ごろまでいると思っていましたか。
「ファーザー・クリスマス
サンタ・クロースからの手紙」
作:J.R.R.トールキン
編:ベイリー・トールキン
(評論社 2006年10月20日初版発行)
遠い記憶をたどると、私の夢がはかなく散ったのは幼稚園の年長さんのころ。
それは、新聞(たぶん朝日)の四コマ漫画(たぶんサザエさん)によってもたらされました。きっと新聞の四コマ漫画、幼稚園児は読まないと、今はどうだかわかりませんが、当時は考えられていたのかもしれません。
しかし、私は読んでいました、漫画だけ。結構楽しみにしていた記憶もあります、その時までは。
はっきりとは覚えていませんが、「両親がサンタに成り代わってプレゼントを準備する」といった内容で、密かに衝撃を受けた私は、母に尋ねたのです。「サンタクロースはいないの?」・・・母は迷うこともなくあっさり「いないよ」・・・あまりにもにべもない返答に返す言葉もなく、その言葉をひっそりと内心で受け止めそっと涙したのでした。でもそのあとも、時期がくればサンタクロースにクリスマスプレゼントのお願いはしましたけどね。
本作は、かの有名な指輪物語の作者J.R.R.トールキンさんが、サンタ・クロースになりきって自身の4人の子どもたちへ20年に渡り書き送り続けたクリスマス・レター集です。
サンタさんが少し震える手で書いたという、どこか謎めいて歴史を感じる直筆の文字よる手紙。そこに美しく細やかで時に遊び心満載のユーモラスなイラストが添えられています。トールキンさんのサンタワールドでは、毎年ちょっとした可笑しな事件があったり、クリスマスプレゼントの準備に大忙しの活き活きした様子が綴られていて、どんどん惹きこまれます。
この作品を読んで(とは言え何といっても20年分のサンタさんからの手紙で編集されている作品なのでまだ途中までなのですが)、こんなお手紙をサンタさんから毎年もらったら、世の中の全ての四コマ漫画が「サンタなんていないよ!」って言ったとしても、サンタ・クロースはいるって信じ続けたんじゃないかなと思います。
実際、この手紙の中には、確かに1927歳(1923年時点で)のサンタ・クロースは存在するし、サンタさんだけじゃない、サンタさんの助手でしょっちゅうサンタさんを困らせてる(?)北極グマのカルフ(名前)も庭師の雪人も、ローリー・ボーリー・アイリス花火(オーロラ花火のこと)も確かに存在しています。いないわけない!
本作に触れ、サンタ・クロースがいるのは勿論のこと、どこにいるのかが分かった気がしました。
さてさて、トールキンさんのサンタ・クロースが、手紙の最後に記した言葉を皆さまへのクリスマスプレゼントして締めくくりにします。
あんた方全員に愛をおくる。
そして来る年の幸福を祈る。
あんた方を愛するサンタ・クロースより