今週読んだ絵本は幼心にキュンでした。

「ファーディとおちば」
作:ジュリア・ローリンソン
絵:ティファニー・ビーク
訳:木坂涼
(理論社 2006年10月初版)
原題「FERDIE AND THE FALLING LEAVES」
主人公は広い野原でお母さんキツネと暮らす子ギツネのファーディ。
まず、そのイラストに和みます。
印象派の絵画のような柔らかいタッチで描かれた風景と、単純なフォルムに目と鼻を付けただけのような素朴なファーディが、見る者にゆったりとした穏やかな気持ちを連れてきてくれます。
あんまり可愛らしいので冒頭の一節を引用します。
きせつが かわろうとしていまいた。
こぎつねの ファーディは、
まいにち まいにち、あさ おきると
ともだちに あいに いきます。
ともだちは みどりの はっぱを
たくさんつけた おおきな きです。
でも、ここのところ、
きの げんきが ありません。
つやつやだった はっぱは
かさかさになり、ところどころ
きいろくなったり
ちゃいろくなったりしています。
ファーディは
しんぱいに なってきました。
ファーディと大きな木は会話したりはしません。大きな木は、ただそこにすっくと立っているだけ。でもファーディにとっては、とても大切な友だちなのです。
季節の移り変わりとともに、大きな木にも変化が訪れます。それがどういうことを意味するのか分からないファーディは、必死になって葉っぱを元に戻そうと奮闘するのです…
日が沈む時間が早くなって、外の空気がシンとしてきて、木々の枯れ葉が舞い落ちて。秋はなんとなく寂しさも連れてきますが、この物語の終わりには季節の移り変わりの美しさも描かれていて、葉っぱが落ちてしまうのも悪くないかもと思えます。
物語のおしまいに大きな木がファーディに見せた美しく幻想的な変化は、ファーディの純粋な幼心に、しっかりと応えてくれているものでした。
