今週読んだ絵本です。

「ひぐまのあき」(北の森の動物たちシリーズ)
作:手島圭三郎
(絵本塾出版 2015年11月 初版発行)
大人になってから絵本を読むようになり、いろいろな作家の方を知ることができました。そのなかでも出会うことができて幸福だったと思う作家のひとりが手島圭三郎さんです。
今回ご紹介するのは、手島圭三郎さんならではの版画と文章による「ひぐまのあき」。そこには、雄大で荘厳な自然の風景と逞しく生きる生きものたちが圧倒的な存在感をもって描かれ、見るものに迫ってきます。簡潔な文章からは自然や生きものたちに対する深い慈愛の心が伝わってくるように思えます。
ひぐまの親子が高い木に登り美味しそうに食べているのはブドウの実。またあるときは、母ぐまが初めて子ぐまに鮭の取り方を教えます。あどけない子ぐまと、見守る母ぐまの姿に自然と共に生きる命のきらめきが込められています。
どのページにも吸い込まれるような力があります。大きな川の迫力ある流れ、広大な森全体を明るく照らす三日月、鮭が群れなす川の中・・・自然の力強さ、何ものにも代えられない美しさがあります。版画の一刀一刀に、手島圭三郎さんの自然や生きものに対する深い愛情を感じました。
どのページも素晴らしく、ひとつも逃すことなくじっくりと見ていただきたい。なかでも最後のページの雄大な絵には心が躍りました。この絵はねぐらに戻ったひぐまの子の夢なんだそう。必見です。
以前記事にした手島圭三郎さんの作品です。こちらもよろしければご覧ください。
