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【今週の絵本】静かに心を揺さぶる絵本3作品

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今週は3冊のご紹介です。

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今週は、それぞれ違う視点から「生きること」がテーマになっている絵本に出会いました。

最初の作品は、

「なんにもできなかったとり」

作:刀根里衣

NHK出版 2015年7月10日 第1刷発行)

原題:Questo Posso farlo ※日本語訳「これは私にできることです」

主人公は生まれたての1羽の小さな白い鳥。

お話はその小さな鳥の一人称「ぼく」の語りで進んでいきます。

卵の殻を割ること、木の実を取ること、泳ぐこと・・・

ほかの5羽の兄弟姉妹は、難なく当たり前のことのようにできることが何をやっても上手くできない「ぼく」

優しく柔らかい印象のイラストで、「ぼく」の不器用な様子が描かれていきます。「ぼく」のできないことは生きるためには大切なことなので、本当は深刻なことなのですが、その絵はとても可愛らしくて、失敗しているんだけど愛らしく、思わずクスッと微笑んでしまいます。

「ぼく」は「ぼく」なりに一生懸命工夫したり努力するのですが、鳥として生きるためには必須の飛ぶことも、やっぱりうまくできません。

ほかのみんなが遠くの空へ飛び立って、地上にひとりぼっちになった「ぼく」

そんな「ぼく」の前に現れたのは・・・

 

「なんにもできなかった」って思ったこと、ありますか?

私は、あります。無力感でいっぱいになったときの気持ちを本作を読んでいたら思い出しました。絵本の帯の言葉によると、「ぼく」は当時無力感を抱いていた作者の刀根里衣さん自身でもあったようです。

思うようにいかないこと、いかなかったことに向き合う時間に、傍らに携えて読んでほしい絵本です。地上にひとりぼっちになった小さな鳥「ぼく」の”それから”にきっと勇気をもらえます。

 

この絵本のオリジナルはイタリアで2011年に「Questo Posso farlo」というタイトルで刊行されました。ボローニャ児童書ブックフェアに持ち込んだサンプル絵本を手にしたイタリア人編集者が、ページを閉じだ瞬間に出版を決めたそうです。原題を日本語に訳すると「これは私にできることです」。日本版のタイトルとは真逆の、イタリアらしいポジティブさも興味深い点でした。

つぎの作品は、なんでもできる(?)主人公

「わすれられないおくりもの」

作・絵:スーザン・バーレイ

訳:小川 仁央

(評論社 1986年10月10日 初版発行)

 

1作目は「なんにもできなかった」とりが主人公でしたが、本作はみんなに慕われ頼りにされている長老のようなアナグマが主人公の物語です。

誰にでも優しくて物知りで、友だちが困っていればきっと助けてあげる、そんな頼りになるアナグマ。とても年を取っていて、自分にそろそろ死が訪れることも自然体で受け止めています。

アナグマは、死ぬことをおそれてはいません。死んで、からだがなくなっても、心は残ることを、知っていたからです。…

ただ、気がかりは自分亡き後残される友だちのことです。

 

ある日、とうとうその日が訪れます。静かに眠るように旅立ったアナグマを偲び、友だちは全員、キツネもカエルもモグラもウサギも、深い悲しみにくれてしまいます・・・

 

このお話は、大切な存在を喪ったとき、どんな風に感じ、どんな風に向き合っていくかを、温かい思いやりの籠った言葉と、慈しみ深いイラストで私たちに伝えてくれます。

友だちのひとりひとりに、アナグマとの特別で大切な思い出がありました。その記憶はアナグマが去ったあとも、ずっと友だちの心に生き続けています。

生きものは「生きること」と「死ぬこと」がセットになっている、そのことが自然な形で語られていて、向き合い方を考えるきっかけに読んでいただきたい作品でした。

そして3作目は、元気な旅立ちの物語

「くまのこポーロ たびだちのもり」

作・絵:前田まゆみ

主婦の友社 令和6年3月20日 第1刷発行)

 

今週のしめくくりの1冊は、手のひらに乗るほど小さかったクマの子「ポーロ」の成長とひとり立ちの物語です。

ポーロの旅立ちは、すがすがしく晴れ晴れとしています。

はじめお母さんクマと離れることを心配し怖がっていたクマの子ポーロですが、お母さんクマと共に森での生き方を少しずつ確実に身に付けていくにつれて、木の実が熟すように気持にも変化が訪れます。

恐れよりも、未来への期待が勝ったとき、ポーロは後ろを振り返りません。

 

読後に、ある方のブログでこの本の感想を書かれていたことを思い出しました。

その方は、小さな息子さんにこの絵本を読み聞かせた際の、思わぬ息子さんの反応に新鮮な驚きを感じたそうです。小さな息子さんは、自分とポーロを重ね合わせ、物語の結末に衝撃を受け、慌ててお母さんに「ずっと一緒だよね」と確認したといった内容でした。

改めて、読む側の状況によって、同じ物語を読んでも感じることは違うんだな~と認識させられました。だって、私が結末から得た印象は、若いポーロが「ウラヤマシー」でしたから(笑)

 

 




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