今週読んだ2冊のご紹介です。

まず1冊目は
作者による作詞作曲された楽譜までついてる絵本です。
「ペチューニアのうた(PETUNIA and the SONG)」
作・絵:ロジャー・デュポアザン
訳:ふしみ みさを
(復刊ドットコム 2012年11月15日 初版発行)
作者のロジャー・デュポアザンさん(1904-1980)はスイスのジュネーブ生まれ。子どものころから音楽を学び、のちにパリで美術を学び、1925年にはアメリカに渡る。息子の誕生をきっかけに絵本創作し、ペチューニアシリーズは5冊あります。絵本のイラストだけを手掛けたり、雑誌「ニューヨーカー」で数々の表紙を描いたりと多才な方。
好奇心旺盛で歌が大好きながちょうのペチューニア。明るくて元気なペチューニアですが、ひとつ悩みがあります。歌が大好きで自分でも歌ってみたいのですが、自分の声がしゃがれていること。「グワッ グワッ」いくら大きな口を開けてもこの声しかでてきません。
一生懸命良い声を出そうと胸をそらせ大きな口を空に向かって開けているペチューニアの姿が愛嬌があってキュートです。
悩みがあっても朗らかなペチューニアは、歌の上手な鳥たちを観察したり毎日とっても楽しそう。ある日、家の中から聞こえてきた音楽に吸い寄せられて、こっそり部屋へ忍び込みますがすぐに見つかって追い出されてしまいます。でもそんなことでめげるペチューニアではありません。ある夜、また家の中から流れてきた音楽に誘われて寝床から外へ出てみると…
イラストのペチューニアがとにかくのびのびしていて明るい。悩むことと落ち込むことは違いますね。あくまで好きなことにまっしぐら。ユーモアたっぷりに描かれる元気いっぱいなペチューニアの活躍をぜひご覧いただきたいです。
もうひとつのおすすめポイントも。ペチューニアが気になって、あの手この手で近づこうとしているその音楽こそ、作者が作詞作曲した作品。絵本には楽譜も描かれています。残念ながらまったく楽譜の読めない私。どんな音楽なのかとても気になります。誰かこの譜面を読んで、私に歌って聞かせてくれないかしら(^^♪

そしてもう1冊は
小さな男の子と、男の子の猫とのなにげない日常に安らぐ絵本
「ぼくのサビンカ」
文:ラデック・マリー
絵・訳:出久根育
(ブロンズ新社 2023年6月25日)
英語のタイトルは「Our Tom's Day」なので日本語訳のタイトルはオリジナルでしょうか。
作者のラデック・マリーさんは1977年チェコ・オウモウツ生まれの詩人であり児童文学作家です。子供向けの詩集がチェコで最も重要な文学賞を受賞するなど数々の賞を受賞し世界で活躍している方。
訳者の出久根育さんも画家であり絵本作家。ご自身の作品で数々の賞を受賞されています。2002年よりチェコ・プラハに在住し、本書ははじめて翻訳を手掛けた絵本です。訳者の紹介欄に、
…サビンカ、マクルカの2匹の猫と暮らしている…
とありました。あら!「サビンカ」は訳者の猫のお名前だったんですね。愛~
このイラストの「サビンカ」がとっても可愛いんです。男の子によるサビンカの紹介の形で物語は進みます。サビンカは
ちいさな こねこじゃないけど おとなのねこでもない。
人間に例えたら、小学生か中学生くらい?ここまできたら気が付いた方もいらっしゃると思いますが、サビンカは錆猫ちゃんです。興味津々の目でこちらを見ているサビンカ。訳者の出久根育さんは、この物語を読んだ瞬間「あっ、このこはうちのこ、うちのこで絵を描こう」って思ったのかも。
男の子とともに顔を洗うサビンカや朝ご飯を食べるサビンカ、お昼寝やいたずらやetc、何気ない日常のふたりに優しい時間の過ぎていく幸せを感じました。
物語のおしまいは猫の集会。ここで新たにたくさんの猫の姿が紹介されています。それぞれに名前もついています。色も柄も大きさもみんな違っていて、おうちに猫のいる方なら「あっ、このこうちのこ」って思う猫が見つかるかも。
さてさて、出久根育さんはかなりの猫好きな方のようです。半分以上過ぎてしまいましたが出久根育さんによってチェコ在住の猫が描かれたこちらのカレンダーも見てみたいと気になりました。


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