今週は最近のイチオシ1冊のご紹介です。

咄嗟に現在大活躍のYOASOBIを思い浮かべた作品です。それはなぜかと言うと・・・
YOASOBIは小説や漫画などの物語から曲を創作するそうですが、今回紹介する作品は谷川俊太郎さんがフランスの作曲家サン=サーンスの有名な組曲から創作した詩に、広瀬弦さんがイラストを添えた絵本なのです。
「動物たちのカーニバル LE CARNAVAL DES ANIMAUX」
詩:谷川俊太郎
絵:広瀬 弦
(評論社 1990年5月30日 初版発行)
この絵本との出会いは先月。市民オーケストラの定期演奏会を聴きに行ったときのこと。コンサートで絵本?それは思いがけない出会いでした。
楽団員が音楽に合わせて踊ったり、大きなスクリーンに楽曲の発祥地の映像を写したりと演奏に様々な「しかけ」を用意して観客を楽しませてくれた演奏会の中で、私が最も惹きつけられたのは演奏曲と絵本とのコラボレーション。
演奏会締めくくりの作品は、サン=サーンス作曲の「動物の謝肉祭」。全14曲からなる組曲のこの作品は1887年に作曲されましたが、訳あって本人が存命中は演奏されることがなかったもの。今ではサン=サーンスの最も有名な曲として知られていますが、亡くなったのが1921年のことなので30年以上もの間、世に出ることがなかったことになります。
今回の演奏会ではそんな特別な事情もあった「動物の謝肉祭」の演奏に合わせて、天井から吊るされた大スクリーンいっぱいに絵本のページが投影され、司会を務めたアナウンサーの方が絵本の詩を朗読しました。
一楽曲ごとに、詩の朗読と演奏が繰り返されます。その度に、詩の内容と楽曲がまるで同時に示し合わせて作られたもののようにぴったりなことに感服しました。
それぞれの詩が、どことなくウイットに富んで風刺的なのですが、後にいろいろ調べてこの楽曲が作られた経緯を知ると、その事情も加味した創作だったのかと納得。
演奏会を聴き終わった友人と私は、口をそろえて「やっぱり谷川俊太郎さんはすごいね!」と感動冷めやらずで家路についたのでした。
組曲「動物の謝肉祭」と絵本「動物たちのカーニバル」の各楽曲のタイトルを合わせて記します。
(上段:組曲「動物の謝肉祭」 下段:絵本「動物たちのカーニバル」)
※組曲のタイトルは演奏会パンフレットより引用しました。
1.序奏
(タイトルなし)
2.獅子王の行進曲(ライオン)
ライオンのおうさま
3.雌鶏と雄鶏(ニワトリ)
にわとりのふうふ
4.ロバ
ろばのピエロ
5.カメ
かめのじいさま
6.ゾウ
ぞうのおすもうさん
7.カンガルー
カンガルーのおじょうさま
8.水族館
おさかなのおかねもち
9.耳の長い登場人物
らばのよっぱらい
10.森の奥のカッコウ
かっこうのゆうれい
11.大きな鳥かご
とりのおかあさんたち
12.ピアニスト
てながざるのピアニスト
13.化石
マンモスのほね
14.白鳥
はくちょうのおうじょ
15.終曲
(タイトルなし)
友人が「ハリーポッターだっ!」と喜んだ「水族館」
この楽曲だけは作曲家の純然オリジナルという「白鳥」
ぜひ絵本の詩と一緒に聴いてみてほしい全楽曲
・・・もうね、この詩を読んじゃったら、こういう風に言ってるとしか聴こえないくらい見事に表現されていますので、未読の方はぜひ。
