秋晴れ、ちょっと近くまで紅葉狩り散歩に行きたいお天気です。
「 めだかさんたろう 」 ( 講談社 2000年8月 第1刷 ) 文 椎名誠 絵 村上康成

お久しぶりです、シーナさん…
だいぶ昔のことですが、20代のころ、友だちの影響で椎名誠作品にハマっていた時期があります。主に「怪しい探検隊」旅のエッセイでした。日本SF大賞を受賞したSF小説「アド・バード」も読みましたが、絵本は今回初めて。
この物語は、ちいさなちいさなめだかの子「めだかさんたろう」が大きくなりたくて、川から海へ大きな魚を探していくお話です。
「さんたろう」は愚かなひとをあざけることばです。9匹兄弟の末っ子で、誰よりも小さいため、ほかの兄弟にそう呼ばれているのです。
文章は短く簡単で小さな子どもが理解しやすい表現です。
一言一言易しい言葉なので、声に出して読んでいるうちに感情移入、だんだんめだかの子になった気持ちに。
画面いっぱいの川や海のなかに、あどけない、ちいさなちいさなめだかの子が、本当に小さく描かれたイラスト。
夢中で真っ直ぐに自分の探し物を目指す健気さが表れていて、印象に残ります。
物語の締めくくり、結末が、これは良かったのか悪かったのか、はたまた良い悪いで考えること自体が間違っているのか、おとなの考え過ぎなのか予想外にいろいろ考えさせられました。(この手の結末に弱い自分も発見です。)
「めだかさんたろう」は「さんたろう」だったのだろうか。。。
お子さんの読み聞かせにぴったりな作品だと思いましたが、子どもならこの結末をどう受け止めるのか、お聞きしてみたいです。
ふたたび、シーナさん…
すっかりご無沙汰していた椎名ワールド、今は如何にと調べてみると、御年78歳になられていました。エッセイに童話に、執筆活動も変わりないご様子。1944年、東京都生まれ。「本の雑誌」初代編集長。映画監督や写真家としての顔も。
www.shiina-tabi-bungakukan.com
近著のエッセイ「われは歌えどもやぶれかぶれ」には、ピロリ菌除去の話もあったり、あとがきにはコロナ感染の顛末も書かれているそう。シーナさんも病気のことを語る年頃になったんだと感慨深いです。
私の青春にも元気をくれたシーナさん。
その後、シーナさん繋がりの友だちとは疎遠になりましたが、
シーナさんの真似をして旅した東北の小さな島で食べたかき氷、大きなチェリーが沈んでいるのかと思ったらカナブンが入っていたこと、それをお店のおばちゃんに伝えたら、驚くでもなく取り除いて食べろと言われたことは、今も愉快な思い出です。