映画館といえばポップコーンてのは、どうもアメリカからの文化な気がします。
昭和から平成にかけての映画館だと、食べ物もいいかげんというか、「あればいいんだあれば」程度の感覚。
古いデパートで貴金属入れてるガラスケースがあるじゃないですか。あれに市販のスナック入れて売ってるという、それだけの愛想のなさでした。
それでも流石に音は気になるんでしょう。販売されてるのはだいたいコーンパフ系のお菓子です。明治の『ピックアップ』とかが近いんですが、販売終わってます。
『サッポロポテト』のあみあみになってるタイプが似てるかなあ。
あと、箱入りが多かったですね。たぶん袋入りだと開けたときに音が鳴ることがあります。それを嫌ってのことでしょう。
ちなみにわたしは夏エヴァみようとして袋入りのポップコーンを引き裂いてそこらへんにぶちまけました。そのあとアスカがえらいことになってました。
ちなみにゆるいところだと飲食物の持ち込みOKです。おにぎりと緑茶買って映画見るとか出来ました。
「待ち合わせまで1時間あるけど寒いなあ。映画館でも入るか。ついでにお腹すいたからおにぎりでも買おう。映画館でコーヒー買うと高いし」
みたいなことをわりとみんなやってました。営業マンなんかはかなりいたんじゃないでしょうか。なにせあの人らは朝早いゲーセンとかにもいましたから。
話を戻してさて映画館でものを食う、このコツはただひとつ。
『音を出さない』以上です。
だからポップコーンとかカールみたいなコーンパフ系だけど、『ピックアップ』みたいなあみあみになって薄いタイプのお菓子を売ってるわけです。ポテトチップスだと音が出やすいし、カールだと口に大きすぎます。
まず食べるとき、唾液をなるべく出すか、飲み物を少しだけ含んでおきます。そして口の中にそっとお菓子を入れましょう。唇は閉じますが、歯は合わせません。お菓子に液体がしみていくのをゆっくり待ちます。
全体に染みて、いまにも崩れそうってときに、ゆっくりと口の天井と舌で押しつぶします。
この時スナックの塩分が舌に染み渡っていきますね。そして映画の進行とともに喉へ落ちていきます。
このやり方だとたいていのお菓子は音をさせずに食べられます。が、問題はひと口サイズじゃないと難しいことです。
例えばポテチとかだと、ひと口にするため折らなきゃならないことがあります。手元が見えないのにポテチをひと口大に折るのはかなり難易度が高い。
失敗すると、「ぱきっ」という音が映画館に響き渡り、かなり恥ずかしい思いをします。そういうときに限って静かなシーンなんですよね。
そもそも映画館でものを食べるタイミングは、映画が乱闘とか銃撃とかでうるさくなってるシーンです。ど迫力で銃撃戦とかやってるとポテチだろうがせんべいだろうが音がかき消されますから。
話を戻すと唇にポテチをはさんでそっと割るという手もあるんですが、これも失敗することがありますし、かけらが飛び散るのでおすすめできません。
サンドイッチとかおにぎりだとそういう心配しなくていいので楽ですね。
ちなみに、映画館中にみんなの食べてる音が響き渡ることがあります。
映画がつまんない時です。
「もう食べてる音とか遠慮せんでええわこんな映画」とか、「菓子でも食べんとつまんなくて見てられん」みたいな嘆き節が、パリパリサクサクと菓子を食べる音で伝わって来ます。
暗い、胎内のような映画館で、被害者意識を共有しながら食べるってのは、なかなかおもしろいもんでした。