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【語弊がある】科研費で訳したえっちブックを読もう【金瓶梅】

赤い柱に緑の屋根をした豪華な中華建築。吹き出しに「豪華絢爛酒池肉林」科研費。『科学研究費助成事業』っていうらしいです。わたしはアカデミアにはまったく無縁のため、「自分には関係ない話なのだなあ」と流していました。

ところがある日、本を読破してびっくり。末尾にこう書いてありました。

本巻は科学研究費補助金(二三K〇〇三三五)による成果の一部である。

『新訳 金瓶梅 下巻』 田中智行 訳より

道理でやすかったはずです。だいたい1000ページ近くあるんですよこの本。しかもハードカバー。9000円近く覚悟するはずが、税込3850円。

ちなみに金瓶梅は中国に名高い四大奇書の1つです。ほかは『三国志』『西遊記』『水滸伝』で、おそらく一番読まれてないのが金瓶梅ですね。わたしはこのうち西遊記金瓶梅しか読んでない変わった人です。

どれくらいおかしいかというと、金瓶梅はもともと水滸伝のスピンオフというか、ぶっちゃけると2次創作といっていいからです。原作読まずに2次だけ読んでるわけですよ。

いや、水滸伝もざっくりストーリーは知ってはいます。ただちゃんと読んでないだけで。

話を戻すと金瓶梅ってのは水滸伝の武松のエピソードから始まります。こいつの兄貴が嫁に毒殺されて、武松が復讐したって話。

毒殺から復讐まで時間稼ぎをして作った話が金瓶梅となります。

ちなみに『金瓶梅』で検索すると川崎の風俗店が出てきます。頑張ってくれウィキペディア。それくらい『金瓶梅』といえばエロ、エロといえば『金瓶梅』という印象なんでしょう。

わたしはこの長い話を3巻通しで読んで、一応文庫版も9巻読んだことがあります。

で、まあ。

金瓶梅書いた人はたぶん、ものすごーく情景描写が好きな人です。家の作りから部屋の調度、出てくる女性の服に食事と全部書きつくしてくれます。

この作者にとってはおそらくエロも描写として書き込んだんだと思われます。

元ネタが不倫女と金持ちヤリチンのため、エロに偏りがちですが、正直な話エロ以外が長い。16ページのうち8ページをエロシーンにしろと言われるエロ漫画業界だと絶対に首にされますね。

というわけでわたしはエロシーンも読みますが、それ以外の描写が好きで読んでいます。時代背景は明、だいたい江戸時代前半くらいですかね。呆れるほどのご馳走とファッションが出尽くしてきます。

だいたい中華というのは重ねに重ねる絢爛豪華さがあります。日本みたいに引き算の美学とかないです。そのため金瓶梅でも、金の髪飾りに真珠をつけたり、髪のお団子にバラの花弁を入れてみたり、ありありとゴージャスな様子が想像できます。楽しいですね。

ちなみに作中に出てきた料理を再現した人が結構います。蟹の身をほぐして甲羅に詰めて揚げたやつと、1本の薪でじっくり煮込むブタの足の料理ですね。

他にも肉まんだとかソーセージだとか、玫瑰(たぶんハイビスカス)の花を煮詰めてあんこにしてイーストで膨らませたパンで包んだお菓子とか出てきます。

愛人になるのはまっぴらだし浮気もイヤですが、ご馳走とファッションだけ楽しめる身分ならいいなあ、とか考えながら読み終わりました。

セレブのリアリティ番組を見る感じでしょうか。新訳のほうが描写が詳細なので助かりました。欲を言うなら電子書籍が欲しかったですね、どこでも読めるから。

 

  • 鳥影社

 




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