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チキンライスは揉め事の種という話

皿に乗ったケチャップ炒めチキンライス。吹き出しに「日本のチキンライス」日本でチキンライスっていえば、オムライスの内臓です。ケチャップで鶏肉その他とご飯を炒めたやつですね。

所変われば品変わり、チキンライスが東南アジア方面に行くと海南鶏飯(ハイナンチーファン)と呼ばれます。大まかに言えば鶏の茹で汁でご飯炊いたやつですね。

国や地方によって名前がちょっと変わります。ベイクドモチョチョが日本全国で違う呼ばれ方してるようなもんでしょうか。

タイだとカオマンガイと呼ばれ、こないだガンダムに出たためタイ観光局が大喜びしてSNSに投稿していました。

さて、これが仮に『シンガポールチキンライス』だったらどうなるか。

なかなかたいへんだったと思います。

おおざっぱにいうと、シンガポールはマレーシア(の前身)から独立しています。マレーシアの前身はイギリスの植民地でした。

つまりシンガポールとマレーシアは文化的にも住んでる人的にもわりと似ています。

海南鶏飯シンガポールにとってはシンガポールチキンライスですが、マレーシアにとっては自国の料理です。

どっちも観光用の食事として海南鶏飯を挙げているため、仮に『シンガポールチキンライス』とガンダムに出ていたら、マレーシアにしてみればとてもおもしろくない話でしょう。

観光は歴史にも関わってきます。近所の神社が鎌倉時代からある、みたいな国に住んでる日本人だと理解しがたい話ですが、ある国が観光業を目玉とする場合、

「自分の国はこういうものである」

と自分で定義しなくてはなりません。アイデンティティの確率ですね。

とくにマレーシアとかシンガポールみたいに、独立が20世紀となると、

「うちの国ってどういうところがうちの国らしさなんだろう?」

みたいな話になってきます。

さらに多民族国家ですから、一つの民族の特徴だけを取り上げると国内問題になりかねません。

日本みたいに「うちはお米の国」とかのんきに言ってられないわけです。

さらにどっちの国にも「ブタはいかん」な人たちと、「ウシはあかん」な人たちがいます。どっちも大丈夫なひとたちもいます。

真ん中を取ると、ニワトリが主体の海南鶏飯はとても都合がいい料理なわけです。

これで、隣国同士で同じ料理を「うちの料理だ」と言い始めると、とてもたいへんなことになるという話です。

ちなみにタイではカオマンガイとなります。タイには自国だけの言語があるため、観光にも自国のアイデンティティも問題はほぼありません。独立維持できてましたしね。

料理ひとつとっても、歴史と、それから言葉はとても大事ですね。

参考書籍

www.keio-up.co.jp

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