喉が痛くなるとはちみつが欲しくなりますね。
はちみつの美味しさに目覚めたのはトルコです。トルコのホテルの朝食バイキングでした。
目の高さで雑誌を斜めにディスプレイしている棚があるじゃないですか。あの棚の雑誌の代わりに巣蜜が入ってる感じなんですよ。
もちろん巣蜜からはとろっとろのはちみつがしたたり落ちてます。下にある容器がはちみつを受け止めてて、手前にはヨーグルトが配置してありました。
このヨーグルトも半端ないです。スプーンが立つくらいの濃さ。
その日の朝食はヨーグルトとはちみつで終わりました。あと舌をやけどするくらい熱い紅茶です。真っ白いヨーグルトに巣蜜をぶちこんでかっこんでました。
なにがすごいって、これが地方の普通のホテルってことです。確かエレベーターが壊れかけてたくらいの建物でした。
農業国の底力を思い知りました。
次に、目が飛び出るほど美味しいはちみつに出会ったのは日本です。
日本といっても産地は東欧のどっか。
なんでそんなあやふやかというと、親戚が知人の海外土産としてもらったはちみつを、さらに分けてもらったからです。
「500mlもあるから半分持ってきなよ。なんかヨーロッパのはちみつなんだって」
「へーフランスとかですか」
「いや、……ブルガリア?ソビエト?そんな感じのとこ。道端で農家が売ってたから買ってきたんだってさ」
「へーすごいとこ旅行してきたんですねえ」
「旅行好きな人だからねえ。定年して旅行しまくって、もう行く国なくなったとか言ってた」
羨ましい限りです。
で、帰宅してひと口食べてみたわけですよ。
目が飛び出るかと思った。
めちゃくちゃ美味しい。家宝にしたい。
スプーンでこそぎとるくらいの濃さで、口に入れると花の香りが広がります。冗談抜きで口の中に花畑が領域展開します。
わたしのとぼしい知識では、「たぶん花」ということがわかるだけです。ラベンダーとかオレンジとかまでは特定不能。というか、産地すら「ソビエトっぽいどっか」です。
もう二度と食べられません。
親戚も食べたらびっくり、当の本人に聞いてみたそうですが、やっぱり「ソビエトっぽいどっか」の「道端の農家さん」しかわからないという始末。
つーか買ってきた当人は食べてないとかいう始末です。旅行しすぎて、どこの国に行ったか忘れてるんだそうで。
それ以来、ワンチャンあのはちみつに再会できないかと思ってさがしてますが、見つかりません。
どこにあるんでしょうね、あのはちみつ。