ディズニーとか演劇とか、「出かけるだけなのにやたら下調べが大変になった」って話題が出てました。
「ちょっと前までは、ふらっと出かけて遊べたのに」
これが普通って時代が珍しかったんじゃないですかね。
ちょっと昔に戻ってきてる気がします。
たとえば、わたしは学生時代に『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を映画館で観ました。封切りで観たので1995年です。封切りっていい方も古いですね。
たしかアニメ誌かなんかで、「『パトレイバー』の押井守監督が新しくアニメ映画を出したぞ」って見たんですよね。で、見たいと思いました。
でどーしたか。
まず新聞を開きます。真ん中あたりに映画欄とかあるんで、そこで『攻殻機動隊』があるかどうか調べましょう。すげーちっさい文字で乗ってました。
これが同年公開の『ダイ・ハード3』とかなら、5段組くらいで映画館名がずらりならび、公開時間も1日5回とか麗々しく発表されています。
しかし当時『攻殻機動隊』など弩マイナー中のマイナー。1行だけ、『横浜シネマリン』とあり、1日何回かは忘れました。
公開してる映画館と時間がわかったら、今度は場所調べです。『横浜シネマリン』なんてどこにあるか知らないわけですよ。横浜にあるだろうってくらい。
ギリギリ映画欄に住所書いてあるんで、まずは地図を取り出します。当時どこの家にも『マピオン』とか地図が置いてありました。
で、横浜市は中区長者町6-95にあるとわかります。地元民なら「あー伊勢佐木町か」で知ってる地名ですね。伊勢佐木長者町駅ってのがあるからです。
地下鉄の伊勢佐木長者町駅からシネマリンまでの道順を調べるわけです。ここで気をつけなきゃいけないのは、この辺治安があまりよろしくない。そして時代はチーマーやカラーギャングという人たちがイキっていました。
裏道に連れ込まれてカツアゲだけはされたくありません。道順も大通りだけを選びます。

さらに当時、学生が喫茶店や映画館に入るなどというのは不良化の始まりでしたので、親にバレず、かつ周りから不審に思われないように行動します。
フケ顔なのはこういう時便利。
そして道を探すのに、今度は電柱を見ます。緑色の看板が貼ってあるじゃないですか。『長者町4』とかあるんで、「ああ今4丁目か」って感じで探していきます。
親切な家や店だと4-11とか番号まで出してくれてるのでそれも手がかりになりますね。
治安についてよく知らない場合は、この住所たよりにやばそうなとこ避けて歩きます。
たいへん苦労して映画館まで行くじゃないですか。
シネマリン、めちゃくちゃ狭いし古い怖いタイプの映画館。しかも地下。カツアゲされそう。
おうちかえろうかと思いました。入ったし見たけど、正直地元の会議室よりややましくらいの設備。
話を戻すと、昔は映画1本みるだけでこんだけ苦労してたわけです。
『攻殻機動隊』の場合はやりませんでしたが、『ダイ・ハード3』とかだと金券屋に行くという下準備もあります。これは当時、ぱーっといろんなところに興行元とかがタダ券を配ってくれてたんですね。
で、見ないタダ券というか招待チケットを金券屋に売る人がいました。そのチケットを買って、安く映画を見るという手があったわけです。
『攻殻機動隊』くらい小さい規模だと、タダ券が出回るわけがないので省いた次第。
実際に金券屋に行かなきゃ手に入るかはわからず、しかも数軒めぐっていちばん安いところを探すという手間がありました。
ネットがない時代はしちめんどくさいですね。
「今はそんなことなくて便利だわ」
ってのは最近までの話だと思います。
現在はもう、誰もが平等に簡単に情報にアクセスできるので、現場がめちゃくちゃ混みます。混雑対策に金を使えとかいう話になってきました。
例えばディズニーランド行くのに家族4人で40万とか。
昭和の時代はチケット5500円くらいだったような気がします。
金を使いたくなければ調べまくってそうならないよう手配。
昔に逆戻りですね。
なんだか便利なんだかどうだか分からなくなってきました。