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軍隊ソドミア語り 序:カストリ雑誌

親愛なるセバスティアン。
あなたが以前興味を示した戦後書かれた軍隊の男色文献について私が調べたことを伝えようと思います。


聡い貴方のことです。私が述べるのは記録があったというだけで、そこに戦争賛美や同性愛に対する偏見、また当時使われていた言葉に対する差別意識もありません。ただ、これらの記録が忘れ去られる前に、貴方に知っていただきたい。それだけのことです。

 

さて、カストリ雑誌に軍隊の男色話が載ったのは私の調べでは「そどみい譚」の新聞から引用された軍隊内の痴情の縺れによる刃傷沙汰が始まりだと思います。
その後、『奇譚クラブ』などで男色者達が自ら語りだす前に、カストリ雑誌の記者というシャーマンが必要でありました。


「そどみい譚」の著者が名前を変えて発表した「軍服の男娼たち」という記事に、漢口に行き、伍長と懇ろになり、伍長が去ったあとは士官となって二人の稚児を抱えた男色者の告白が掲載されます。


面白いのは、この告白の類話が沢山あることです。私が知るだけでも「 軍服の男娼たち」 「猟奇男色物語」(「男色閑談」と同じです)「男色部隊」「煉獄」「男色遍歴」「男色地獄に喘ぐ百人の手記」 「鹿皮の服のわかもの」「蘭次郎と私」「軍服の陰花族」が該当します。


この男色者(「 軍服の男娼たち」で云う所の村井君(仮)ですが)がほかのカストリ雑誌で男色記事を書く記者たちに方々自身の体験を語ったのか、カストリ雑誌の中でネタとして使い回されたのか今となってはわかりません。

そうこうするうちに自身の体験を風俗雑誌に投稿する男色者達が現れました。
叶誠人氏の『軍隊と男色』で有名な『奇譚クラブ』の諸作品については、また別の機会にほんの少しだけ触れるとして、他のカストリ雑誌に掲載のあった作品に少しだけ触れたいと思います。

 

シベリア抑留時に二人の男娼に愛されその道に目覚めた男が二人を伴って実家に帰り同棲しますが、二人を不審がった母親が男に嫁を斡旋し、それを理由に男娼たちは母を憎み殺害し逃走するという警察小説もしくはミステリのような「二人の男に惚れられた男娼」、性欲の強い上官に次々と精力を吸われて命を落とす兵隊の話を書いた「兵隊を淫殺する兵隊」、男色を見とがめられて営倉行になる「特集・囚獄の記録 男色榮倉」、『そどみあ挽歌』などで有名な扇屋亜夫の学徒動員された主人公と野戦病院の軍医だった中尉との切ない恋物語を描いた「磐梯のホルムス」などがあります。

 

捜せばもっとあるのでしょうが、カストリ雑誌自体が現在入手困難であること、男色、それも軍隊での男色についての記事を探すのは、骨が折れるのですよ。
もしあなたが学術機関に所属していて、「社会文化史データベース-性風俗稀少雑誌コレクション」にアクセスする環境があるのであれば、心に響く作品に出会えるかもしれませんね。

この話は幾度か場所を変えて、何度もお話していますので、驚きは少ないかもしれません。
もし、貴方が面白いと言ってくれるなら、他の雑誌に掲載のある軍隊の男色話を又おいおい語ることにいたしましょう。

親愛なるセバスティアン。
貴方の心に響きましたか。

<参考文献>
「そどみい譚」『猟奇』3号(1947年1月)久松一兵
「軍服の男娼たち」『真相実話』1949年5月号平野斗史
「男色部隊」『怪奇雑誌』1951年10月号諸井紋多
「二人の男に惚れられた男娼」『奇抜探求』1952年8月号赤坂慧
「兵隊を淫殺する兵隊」『怪奇雑誌』1952年8月号赤坂慧
「男色地獄に喘ぐ百人の手記」『デカメロン』昭和27年7月眞野麗
「特集・囚獄の記録 男色榮倉」『風俗草紙』1巻5号松尾亮
「男色閑談」『風俗科学』創刊号 第1巻第1号』1953年8月宮園三四郎
「男色遍歴」『風俗クラブ』第1巻第2号 1954年5月近藤恭
「磐梯のホルムス」『風俗科学』1954年9月号扇屋亜夫
「鹿皮の服のわかもの」『風俗奇譚』昭和36年5月臨時増刊号 かびやかずひこ
「蘭次郎と私」『風俗奇譚』昭和37年3月号雨妙院一太
「軍服の陰花」『SMコレクター』1973年12月号 かびやかずひこ

社会文化史データベース-性風俗稀少雑誌コレクション
https://j-dac.jp/shakaibunka/




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