■ 体はバランスの生まれる場所
今回は「バランスのこと」。
脚のゆがみに気づいたのはコロナ流行期でした。
当時、家トレの動画がたくさん上がっていて、その中にランジがありました。片脚前後スクワットとでも言うのか、片脚を引きながら体を落として、残した脚のひざからおしりあたりで体を支えるエクササイズです。
もも裏からおしりの筋肉を鍛えるこの運動、その場でできるし、脚に動きもあって単調にならずに済むので今でもよくやるんですが、あるとき気づいたんですよね。右脚が曲がっていることに。
ここからがバランスの話です。
ランジ状態で残した脚(ひざを曲げて支えている脚)を見たとき、左脚は、ももと足(足の甲)が正面に一直線でした。ところが右脚は、足の角度が外に 10~20度くらいズレている。時計で言うと1時の角度です。本当に1時なら、 360度÷12 で 30度ズレてることになります。
これに気づいたのは、例によって体が右に傾くから。なわとびでもずっとそうでしたが、ランジをやっていても右にふらつくので、支える足(脚)を確かめているうちに、右脚のゆがみをようやく知ったのでした。
悲しかったのは、左脚と同じように、右脚をももと足でまっすぐそろえようしても、できなかったことです。足首やひざが関節レベルでねじれて、「これはムリだ」と実感しました。股関節が外に開きがちなのをO脚と呼ぶそうで、僕の場合、ひざから下あたりにその傾向が強かったのを、はっきりと知ったのがこのときです。
―― だからか。
なわとびで体がまっすぐにならなかった原因の一部がここにあったのだと、カメラでクローズアップされたようでした。跳躍や着地で両足(両脚)の踏みきりが起きるとき、いつもここで崩れていたということです。

目に見える上下運動(垂直移動)だけじゃありませんよね。ラップしながらの方向転換(平行移動)も、リリースしているとき(固定位置)も、脚はバランスを作っています。その支えを信じて、手と縄は腰から上で動きます。
空中もそう。何重とびもしている滞空状態や、ドンキーのような逆立ち状態でも、体のまっすぐなラインの一部に脚はつながっています。
脚を開いたたとえになりますが、「人」の字や「Y」の字は、開いた線が左右均等だからバランスよく見えます。開いた線の一方がすこし曲がっていたら、その字が傾いたり、崩れたりしそうな印象を受けないでしょうか?
サイドスイング+3重系の連続でどんどん右に移動してしまう。
TJで脚が右に開いて縄もそれる。
こういう繰り返しの陰に、いつもこのゆがみがありました。ただ、うまく跳べるときは、なんとかその崩れを抑えきったときが多いです。着地を引き続き抑えられれば、連続技にも期待が見えてくる。(なかなか体は言うことを聞きませんが)
この、「ちょっと苦しい例」から見えるのはなんでしょう?
たとえば、あなたにもゆがみはないか? 気にならない程度でも、ミスに同じような傾向(縄が右か左にそれやすいなど)があれば、予防できるポイントかもしれません。傾き・偏りを抑えるだけでバランスが整う。体を基点に縄が動くなわとびでは重要な部分です。
逆に、身体的な特性なら、解決しない問題でもあります。僕はそれだけを理由になわとびをあきらめたくないと思っていますが、現実としてなわとびに向いていない体なのは事実です。誰かを指導するとき、ここに気づいたらどんな言葉をかけられるのか。応援? それとも、それとない引退勧告? 良くも悪くも針の振れる話です。
体のバランスを知ることは、心のバランスにもつながります。