■ 自分を追いつめないで
今回は「夢のこと」。
なわとびで覚悟を迫られた年末を迎えています。
本当に跳べなくなってきました。
寒くて体を動かしづらいのもあるんですけど、長い夏が過ぎたあたりから、明らかに体が鈍くなりました。3重とびの入る技はよくて5回くらいしか続かなくなったし、4重とびはもう跳べなくなりました。
スポーツをやっている人のコメントでたまに見る、「急にくる」という話が現実味を帯びています。自分の中で、技術が失われていくのを感じます。覚えたことが消滅するわけではないんですけど、アウトプットできる体ではなくなっているのが現実です。
そんなとき、自分はなわとびで何をしたかったのか考えます。
跳べなくなるのがつらいのは、跳べるのが楽しかったから。運動になればと思って始めたスポーツですが、それなら毎日何百回と簡単な技を跳んでいればいい。それこそランニングや屋内エクササイズで替えられる時間です。
やっぱり、いろんな技に挑戦して、組み合わせて自在に跳べるのが夢だったし、今でも現在進行形で持っている夢なんだと、失いつつあるからわかります。
夢と言えば、今年は『GO! プリンセスプリキュア』を見ました。
この数年、過去シリーズをすこしずつ見てます。つい先日見終えて、渾身の1作だな、と素直に思える描きかたをしていた作品でした。
メイン層の子どもがあこがれそうなプリンセスという存在を映したような主人公たちはもちろん、サブキャラにもしっかり光を当てていたところが良くて、夢への気持ちは必ずしもプリンセスでなくてもかなえられるというフォローもまた「鍵」になっているのが温かい。敵側にも選択肢がちゃんとあって、敵として他人の夢をどう受けとるか最後まで描いているのも良かった。夢に向きあうことは成功か失敗かだけが答えじゃないというメッセージにも見えました。
そんな中で、主人公の1人が別の夢に気づくシーンに心を揺さぶられました。
主人公はみんな、最初から夢を持っていて、その夢に進む道の中にドラマがあると漠然と思っていたんですよね。その子自身、そう思っていたはずです。まじめな子だけに、当惑した表情が続いて、見ていてちょっと苦しかった。その一方で、誰かのためだけじゃなくて、自分のための夢を見つけたその子の姿に、救いの手が差しだされたようにも見えて、自分でも意外なくらい、ぐっときたのを覚えています。
―― 目の前の夢だけじゃない。
そんなメッセージが自分にも刺さったのは、その回を見終えたあとでした。
人はどこかで自分を重ねて、いろんな作品にふれていると思っています。「いつまでも無理をしてなわとびに挑戦することが、本当に自分の夢なのか?」 ―― そんな問いかけが自分の中にあったから、別の夢に気づくシーンがさざ波のように響いたんじゃないかと思います。
僕の場合、別の夢の可能性というより、「今の夢のために無理をするな」ということでしょう。あきらめて縄を置かなくてもいい。ただ、好きななわとびで自分を追いつめるな。それだけのことに、気づけているようで気づけていなかったのかもしれません。
『ゴープリ』のあのエピソードに、夢という言葉だけで自分を追いつめないで、とメッセージがこめられていたのかはわかりません。でも、夢に向かって華やかに描かれる作風の中で、「違う道だってある」と描かれる子がいたのは、大切なことだと思います。
多回旋やきつい体勢の技が跳べなくなっても、まだできることはあります。基本レベルの技でも組み合わせて初めて知る動きもあるし、回数を下げてもまだ連続で挑める技もある。
公園でひとりで、いつまでも何をやってるんだと、こだわりに引け目を感じるときもありますが、こだわりでも好きなら大切にしたいです。同じプリキュアで、今年はこんな話も書きました。
こだわりの強い子をちゃんと描いてくれたように見えて、忘れられないシリーズです。夢の話も含めて、見ている年齢層の子どもにそこまでメッセージを伝えていたのかわかりませんけど、少なくとも僕はこんなメッセージを受けとれました。
最後に、今年は大みそか更新になりました。
5日ペースだと、 365日で 73回。ちょうど割りきれます。それでここ4年は毎年更新日が同じで、お正月更新でした。うるう年でようやくズレました。ついでに、ずっと 73 だった右サイドの年間記事数が初めて「74」になってますね。年始と年末に更新が入ると、こんなことも起こるんだな……。
今見えているものだけがすべてじゃないよ、というおまけのエピソードでした。

リリース系で蛇の名を持つ技もありますが、去年のようにあんまり振り回してもと思って、子ども向けの練習をモチーフにしてみました。
今年も1年ありがとうございました。よいお年を。