■ 縄の重みで見えない縄を見る
今回も「回し方のこと」。
前回、回す位置を4つに分けて描いたら、あることに気づきました。
それがタイトルです。つまり、前回しは後ろから縄が現れて、後ろ回しは後ろに縄が消えていく。

当たり前なこの話に、すこしスポットを当ててみようと思います。
まず前回し。
後ろから縄が現れる ―― これは、「途中まで見えないからタイミングをつかめない」ことにならないか?
小さな子はまさにそうですね。前とびをしようとすると、縄が半分近く回ってからじゃないと、自分の視界に入りません。まだ感覚で跳べないうちは、どうしても「見て」跳ぶんです。でも、見えたらすぐに縄が足元までくるのでタイミングをつかめない……。
これを強引に合わせるうちに「タイミングがわかってくる」のか。
先に縄をコントロールするコツをつかんで「タイミングを作れるようになる」のか。
手が先か、足が先か、という話ですね。どちらのパターンもあるでしょう。
たぶん、大半の人は、なわとびを始めたころに、この「現れる縄」にどう合わせるかを考えたんじゃないかと思います。
そして後ろ回し。
これはわかりやすいでしょう。後ろに縄が消える ―― となると、「途中から見えなくなるからタイミングがわからない」。
この「見えない縄を跳ぶ」というのは、後ろ回しの最初の壁ですね。前回しなら、とりあえず目で見える限り、なんとか跳びこすことができます。後ろ回しはそれができません。後ろに目なんてついてない! これです。
小さい子は実際にどうやって覚えるんでしょうね。
学校やクラブで見た感じだと、やっぱり何度も跳ぶうちに縄が来るタイミングを覚えるようです。カンでも跳べると、そこからは跳べるタイミングが確信に変わってくるのでしょう。それまで跳べなかったのがウソのように跳びはじめます。感覚をつかんだあとってすごい。
でも、できた人でも、後ろ交差、さらには後ろトード(片足の下で交差)、後ろTS(背中で交差)を覚えるときには、再び、どこで縄を跳びこすのかわからなくなると思います。
これくらいの技になると、タイミングというより、縄の位置を感じられるかどうかでしょう。
縄の勢いがあると、縄の重みが手元まで伝わってきて、「縄の重みで見えない縄を見ている」ような状態になります。つまり、自分で縄を動かして、タイミングを合わせるようになるのです。
でも、いろんな交差をすると、慣れない技術で回しづらくなる。それで再び、縄の重みを感じられない=見えない縄は見えない、みたいな状態になってタイミングがつかめなくなるのでしょう。
縄の行き先に視点を変えるだけでも跳びやすくなります。
上手な人は、前回しなら縄が現れてから、後ろ回しなら縄が消えてからが、逆に勝負かもしれません。多回旋になってくれば、もう、見えた見えなくなったの世界ではなく、見えなくて当然、自分で動かした感覚で縄を通すのが普通の世界でしょう。
僕もそこそこそういう世界で跳べてはいると思います。あとは、縄がゆがまずにちゃんと回ってくれれば……。