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"20/20"

今日は過去の「気になる語法」の続編といえるでしょうか。

A is seeing a surge(など増加を表す名詞)in B という表現が、実質 A is growing in B の意味で用いられていることはコロナ禍で指摘してきましたが、こちらは

・主語のAがoil単独ではなく、Bを吸収したoil prices
の例。
casesのようにprices自体が変動する単位として機能していることを確認。

元ツイ。

Oil prices have seen a sharp rise, and a precipitous tumble, after Iran threatened ships traveling through the Strait of Hormuz—and Americans stand to bear costs should these shocks turn into something bigger,
@will_gottsegen says:
The Wild 24-Hour Rise and Fall of Oil Prices - The Atlantic


イランがホルムズ海峡を通行する船舶を脅したことを受けて、原油価格は急騰し、その後急落しました—そして、もしこうしたショックがより大きな事態に発展すれば、アメリカ人がそのコストを負担する可能性があります、と@will_gottsegen は述べています:

既に過去ログでは集中的に取り上げていますので、未読の方は勿論、既読の方も、今一度ご覧下さい。

Is seeing believing?
tmrowing.hatenablog.com

この「主語そのものが変動する主体」でのseeの進行形の用法は、個人的には誤用でも破格でもなんでもなく、すっかり市民権を得た用法と見ています。
JT でも使われているくらいです。

“High-hydration bread,” with famous varieties such as the French Lodeve and Italian ciabatta, is seeing a rise in popularity across Japan.


Kagi訳:フランスのロデーヴやイタリアのチャバタといった有名な種類で知られる「高加水パン」が、日本各地で人気を高めています。

主語は、国や地域でもなく、時代でもなく、「パン」であることを確認して下さい。

こちらの過去ツイは重要な指摘なんですが、ほぼほぼスルーでした。

まずは、このseeの進行形の用法を、辞書や文法・語法書、テキストきちんと取り上げるところからでしょうね。
Measles is seeing a resurgence in the U.S. in 2024.

この例も、主語は国や時代ではなく、「変動する主体」としての「はしか=感染症」です。

物書堂の学習英和は4社とも、この語義のseeは「進行形不可」「進行形なし」という注記をわざわざつけているのが「現状」ですね。


過去ツイや拙ブログで示した実例と読み比べてください。

辞書で取り上げている語義と用法に合致するものとしては、OALDにある次の英文が該当するでしょうか? seeは現在完了形で使われています。

Mrs Arden’s headship has seen pupil numbers rise to 322 from 276. (OALD)
Kagi訳: アーデン夫人の校長就任後、生徒数は276人から322人へと増えました。

“headship” の「校長としての在籍」を「在籍期間」として見ている、ということでしょう。

しかしながら、現代英語では、このseeの語義でも、辞書の記述とは相容れない、かなり多様な進行形の用法が拡がっているのが実態と見ていいでしょう。

次の例では、辞書では不可とあるseeの進行形が使われています。ただし、

  • This year the Central Coast is seeing the biggest influx of Monarch butterflies in five years.

のように主語は「This year = 限定された時」ですから、従来型から半歩踏み出した程度でしょうか。

#イントロどどいつ
#ブリ漁
文頭のThis yearは話題の導入+コントラストで「…とは違い」。
「予定・見込み」の現在進行形 is seeingには時の副詞句必須。
<最上級+in +インターバル期間>のthe biggest … in five yearsで「5年ぶりの大きさの;過去5年で最大の」。
influx は「流入;飛来」。

次の例では、主語が「Kenya = 国(名)」で、進行形となっています。

Kenya is seeing a surge in tourism investment as global travel rebounds, attracting about Sh258 billion in foreign capital into hotels, resorts, and tourism infrastructure.
#EconomicGrowth #ForeignInvestment #VisitKenya
Kenya Tourism Investment Surges as Global Travel Rebounds - Business News


世界的な旅行需要の回復に伴い、ケニアでは観光分野への投資が急増しており、ホテル、リゾート、観光インフラに約2,580億シリングの海外資本が流入しています。

指導者、辞書・教材・テストの作成者は、このような語法の変化をもう少し気にした方がいいと思っています。

次の例の第2文の主節の主語に着目。

The first full week of March 2026 in Loreto has been defined by excellent yellowtail action and exceptionally stable spring weather. As the Sea of Cortez transitions from winter to spring, anglers are seeing a surge in activity across both inshore reefs and deeper island spots.

このfishing reportで例示される魚の種類を見る限りでは、anglerがangler fish (=アンコウの類)を表すとは思えません。

私の引用RTがこちら。

この語義のseeは進行形不可と決めつけずに、「推移」を表す進行形の用法を踏まえた上で、次のような例を適切・的確に処理することが大切です。
anglersが「釣り人」だとすると人主語での進行形。
activityは「魚の活動(活性)」とか「魚の餌への食いつき具合」となるかと。

ここでの「進行形」は、土地や国、時代が主語になる例とも異なり、変動する主体が主語になるものとも異なります。
強いて言えば、「釣り」という文脈・主題を代表するような人である「竿釣りをする人(=anglers)」が主語で、「釣果(の見通し)」となる、始まり、増大しつつある現象を目撃・観測・体験していることを表している、としか考えようがありません。

この例に近い例を6年ほど前の過去ツイで取り上げていました。

Liquor stores are seeing a spike in sales amid the spread of coronavirus.


新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、酒屋の売り上げが急増しています。

私の引用RT。

名詞のa spike in ...で「...の(急激な)増加(と通例、それに続く低下)」。
他動詞 see(進行形!) の主語に注意して味わいたい用例。ここで表されている意味を、存在文のthere や、期間を主語にして言おうとすると結構面倒です。
動画の方のキャプションで出てくるstem(=堰き止める)にも注意。

この頃はまだ正体が掴めていませんでした。それから約6年、過去ツイで都度取り上げ、過去ログでまとめたように、様々な例に出会ってきて、少しずつ実像が浮かび上がってきました。

数量表現や増減の表現は、英語の文法語法の根幹と深く関わっているものですから、テストに出る出ないに関わらず、このような用法・語法・語義の変化を軽んじることなく、きちんと向き合うことが重要です。

まあ、これまでこのブログで言い続けてきたことの繰り返しですね。

スピーチと何とかは短いほど良いらしいので、本日はこの辺で。
本日のBGM: 視界良好 (スカート)

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