以下の内容はhttps://tmrowing.hatenablog.com/entry/2026/03/05/165830より取得しました。


オンラインでの英文ライティング講座 若干名募集します

イスラエルと米国がイランへの先制攻撃での空爆をして最高指導者を殺害。明らかな国際法違反。
女子学校を標的とした爆撃により百数十名の子どもと教職員を殺害するという人道にもとる行為。
言い訳、言い逃れを許してはならない。

私のツイッターアカウントには、ウクライナとガザの状況を前景化するべく「即時停戦」のミドルネームを入れているが、今回のイスラエルと米国によるイラン爆撃とそれに対するイランからの報復攻撃の報道を目にすると、「どうすりゃいいぜ」と叫びたくなる。

このツイートを目にしたときは本当に驚いた。

これ以上歪んだものはないというくらいの「オマユウ」案件ですね。

アルジャジーラの元ツイがこちら。

US First Lady Melania Trump has presided over a UNSC meeting focusing on children in conflict days after dozens of children at a school in Iran were reportedly killed after Israel and the US launched attacks.


米国のメラニア・トランプ大統領夫人は、イスラエルと米国が攻撃を開始した後、イランの学校で数十人の児童が殺害されたと報じられた数日後、紛争下の子供たちに焦点を当てた国連安全保障理事会(UNSC)の会合を主宰した。

その席でこう言ったそうです。

  • The US stands with all of the children throughout the world. I hope soon peace will be yours.

thedefensepost.com
米国は世界中のすべての子どもたちと共にあります。平和がすぐに皆さんのものになりますように。

この発言を報じる際には、絶対に「直接話法」を用いるでしょう。「誰が言ったか?」と同じかそれ以上に「どんなことばを使ったのか?」が重要な意味を持つから。


the UN Human Rights Officeのspokespersonである、Ravina Shamdasaniの痛切な訴えがこちら。

#Iran
"The attack that hit the the girls school was absolutely devastating.
If attacks are found to be directed against civilians or civilian objects, or indiscriminate, they are serious violations of international humanitarian law & may amount to war crimes." -
@UNHumanRights


女子校を襲った攻撃は壊滅的な被害をもたらした。
攻撃が民間人や民間施設を標的としたものであるか、あるいは無差別攻撃であることが判明した場合、それは国際人道法に対する重大な違反であり、戦争犯罪に該当する可能性がある。

こちらのpress briefingも一読を。

Middle East crisis plays out worst fears; talks only way out
03 March 2026
www.ohchr.org

前回の記事で取り上げた東大の英語の出題のその後、ツイッターの私の周りではこんな感じ。

鴻巣さんのツイート。長いけれども全文引用。

いま「間接話法を和訳するときには直接話法に転換する必要がある」というご注意を拝見し、そういうことか!と思いました。大学生は、例えばヴァージニア・ウルフの間接話法や自由間接話法も「  」に入れて直接話法として訳す人が、最初はとても多いのです。ここが学習目的の「和訳」と読者に向けた「翻訳」の違いだと思いますが、何が書いてあるかだけでなく、いかに書いてあるかを翻訳してほしいんですと繰り返し言います。
あと、直接話法を間接話法に直す(抽象化)ときと、間接話法を直接話法に直す(具象化)ときでは、訳者の自由裁量(創造性とも言える)のレベルが異なるので留意するよう注意をうながすこともあります。

それを受けての私の引用RTとその反応。

河野一郎先生には「わざわざ間接話法で距離を置いて書いているものを、勝手に直接話法に直さないように」と教わりました。
その話法を選択している作者の演出意図や効果があるということでしょう。
「その言葉は誰の声なのか?」
の問題とも言えますね。

一字一句、そのとおりでありますね!

直接・間接話法の違いはたんに引用符の有り無しではないですね。視点と声の違いでもあるのですが、それを大学生に伝えるのには時間がかかります。どうもその背景には、「リーダビリティ(読みやすさ)信仰」とでも言うべきものがあり、「翻訳」とは生硬で読みにくい「英文和訳」のようであってはいけない、「こなれた」「読みやすい」訳文であるべしという思い込みがあるようなのです。
読みやすさ(透明性)は最後でいいから、まずは原文から来る必然性を考えましょうと繰り返し説得することになります。

東大の取り上げた短編小説の所謂「自由間接話法」ばかりが話題ですが、その小説で、私が「巧いな」と思ったのは、そのすぐ後の描写・記述でした。

…the man takes two corners of the blanket and flaps it over the mattress. He waits for Mrs. Hatano to smooth out her side. She is unable to tell him, until she does, that the sheet goes first.
“My God,” the man says quietly. He stares a thousand miles into the bed.

“When it’s human instead of when it’s dog”
Hempel, Amy. The Collected Stories of Amy Hempel. Scribner. Kindle 版.

この中の、

  • She is unable to tell him, until she does, that the sheet goes first.

ですね。

家政婦である「ハタノさん」が、自分の雇い主である「旦那様」に対して、「ベッドメイキングの順番が違います」と指摘するには躊躇するでしょう。

  • そんなこと言えない、言っちゃダメ…でも…結局は言ってしまう。

文字通りには、「言ってしまうまでは、言えなかった」ですから、トートロジーのように聞こえますが、このちょっとした間での、ハタノさんの心理・葛藤を濃密に表わしたものだと感じます。

背景をさらに掘り下げると、この「旦那様」は、シーツが先で毛布が後だという、ベッドメイキングの「基本のき」も知らないという状況を描写した場面でもあります。
亡くなった「奥様=妻」が息災に過していた頃は、おそらく家事の一切合切を取り仕切っていたから、この「旦那様=夫」は家事に疎くて、家政婦を雇っているのだろうと思われるわけですが、ここでベッドメイキングのミスを家政婦であるハタノさんが指摘することは、ただ単に家事に疎いことの批判批難と解釈されるにとどまらず、これまで妻ありきの人生であったことを夫に知らしめることになり、妻を亡くした、その喪失感を一層強い、重いものにしてしまうのでは? という「畏れ」もあったと思うのです。
夫が何に気づいて愕然とするのか?

  • ベッドの更に奥の千マイルを見つめる (He stares a thousand miles into the bed.)

が刺さります。


と私がここまであれこれ書いたような贅肉をそぎ落として、選びに選び抜いたことばに語らせている小説ですから、やはりそのことばを味わいたいものです。

別な作家から、「喪失感」つながり、ということで短編の名手、リディア・デイヴィスの作品を。

The dog is gone. We miss him. When the doorbell rings, no one barks. When we come home late, there is no one waiting for us. We still find his white hairs here and there around the house and on our clothes. We pick them up. We should throw them away. But they are all we have left of him. We don’t throw them away. We have a wild hope—if only we collect enough of them, we will be able to put the dog back together again.

Davis, Lydia. Can't and Won't: Stories (p.4). Farrar, Straus and Giroux. Kindle 版.

高校生、受験生にかぎらず、テスト対策から少し距離を置いて、ことばそのものと向き合って、ナラティブを味わう余裕を持って欲しいと願うばかりです。


私が開講・提供しているオンラインでの英文ライティングの講座も、今春からの新規受講生を若干名募集します。
内容に興味関心がある方で、スケジュールの都合のつく方は、一度相談してみて下さい。

受験生以外の一般の方の受講が多いのは「テクストタイプ別」ライティングになります。

現在、大学入試対策以外で、英文ライティングや和文英訳を学んだり、スキルを磨き、伸ばしたりする機会はとても少なくなっています。

かつては、研究社の『英語青年』に和文英訳演習があり、特にノービスとエリートが分けられ、「高等科」が独立していた時代は高いレベルで和文英訳を磨くことが出来たことだろうと思うのです。私が読んでいた時期でも、2000年代では、成瀬武史先生の連載からは多くを学びました。大修館の『英語教育』でも、田邊祐司先生が連載を持っていた頃の出題と、その捌き方には唸ることが多かった記憶があります。

私が開講している「テクストタイプ別ライティング」でも、中級編では、和文に基づく英文ライティングの課題を設定しています。

そもそもが、英検やTOEFL、IELTS、ケンブリッジ英検などの検定試験対策を謳っていない講座ですので、次のようなおおまかな課題設定、シラバスとなっています。

初級編、中級編とも初回のガイダンスで受講者のレベルやニーズを把握し、教材や課題のカスタマイズはしていきますが、定番の課題は上記のようなものになります。
過去ログでも紹介しましたが、「中級編・後期」の「ナラティブ」の課題で課している、

  • ある物語の、前 or 後を書く

という課題に対して受講者から提出された作品にどのようなフィードバックを与えているのかを再録したいと思います。(受講者の了解は得て匿名で紹介しています)


私は

  • 誤りの訂正だけがフィードバックではない

ということを、ソーシャルメディアでも、実際のセミナーやワークショップでもしつこく言っています。
当然、この課題の場合は新美南吉による児童文学作品がベースとしてありますから、いくら受講者の創作とは言え、時代や場面、登場人物(動物?)の設定 (= setting) は一定のベクトルで収まるはずですし、episodeでの展開や結末など、オリジナルのお話が活かされないと、魅力ある「語り」とはなりません。
また、Web等で目にする、某検定や資格試験対策などでは、スコアを上げたいがためか、「美辞麗句」で飾った表現をちりばめたり、全体から見るとそこだけ異質な大袈裟な語彙選択をしたり、などといった「無駄な背伸び」がそこかしこに現れますが、あまり感心はしません。

ナラティブのクオリティを高めるのは、徹底的に「語り」と向き合うことですから、平明なことば遣い、易しい語彙選択、構文選択であっても、いやむしろ、平易なことばを選ぶからこそ、語りを成立させるのは難しくなります。
裏返せば、argumentativeなエッセイを書くことからは得られない充実感、達成感がある、ということでもあります。

今日(も)取り上げた、Amy Hempelにしても、Lydia Davisにしても、そこで使われている語彙だけを見て

  • こんなの中学レベルの英語だよ…

などと嘯く人は「ナラティブを書くlことの奥深さ」をまだ知らない、といえるのではないでしょうか。
ナラティブを磨く機会はなかなかないのが現状なので、この講座を活かしてもらえればと思います。

上述の私からのフィードバックには適宜、修正の代案や比較検討して欲しい言い回しを記していますが、直接解答例を示してはいません。そこから先は返却したフィードバックを受講者本人が見ている状況で、次回のセッションの冒頭で、オンラインで直接やり取りをして、「書きたかったけど書けなかったこと」や「そもそも思いついてもいなかったこと(表現、情報の流れ、構成を含む)」を確認しています。

それを経ての次の段階は見直し、書き直しが一般的ですが、今では生成系AIのサポートが得られますので、WCF (= Written Corrective Feedback) を踏まえた上での書き直しを複数の生成系AIに求め、その出力結果を受講者にも示しています。
上述の「小説前後」の課題は「創作」の要素も大きいので、そもそも「模範解答」などないのですが、身近なナラティブで、200〜300語程度のつながりまとまりのある良質の英文、というのは市販教材ではそれほど多くないのもまた現状なので、この生成系AIからの出力も、参考資料としての意味は大きいものです。

次のリンク先の過去ログにも私のWCFを踏まえたrevised versionを載せていますが、生成AIの性能が、この1年で急激にアップしていますので、比較してみてもらうと面白いかと。

2025年の生成AI (Claude) による修正案 (Version 1 としておきましょう)はこちらに。

岡目八目
tmrowing.hatenablog.com

2026年3月4日時点でのClaudeの修正案 (Version 2) がこちら。

The morning after the little fox got his mittens, he and his mother went for a walk. Excited to wear his new mittens, the little fox left his mother behind, playfully hopping and leaping through the fresh snow.

Suddenly, the laughter of human children echoed through the forest. The fox parent and child were startled by how close the sound was. Peering through the bushes, they spotted two large sleds pulled by horses nearby, with three men cutting down a fir tree and six children playing in the snow. The children's colorful mittens caught the little fox's eye, and before he knew it, he stepped out from his hiding spot, fascinated by the children.

"A baby fox!"
"So cute!"
"It's wearing mittens!"
The children cried out one after another, inching closer.

"Stay back, kids!" one of the men shouted, raising his rifle. At the sight of the dark barrel pointed their way, the little fox and his mother bolted back toward their den, so frightened that he barely heard the children exclaiming, "The baby fox is wearing nothing on its hind paws!"

When they were safely inside, the mother fox noticed her cub was still shivering with fear. She felt sorry for him but hoped the experience had taught him to be more cautious.

The next morning, curiosity led the little fox back to the spot where the humans had been. He walked cautiously, ready to dash back any moment, when he found a pair of tiny, colorful socks and a message written in the snow: "Little fox, we love your mittens. These socks will match them perfectly."

以下、各WCF項目への対応をまとめます。

1. `trotted ahead` → `left his mother behind` に変更し、母ギツネとの距離が開く描写を明確化。文末の分詞構文は `playfully hopping and leaping through the fresh snow` とし、喜びの動作を一連のものとしてまとめました。

2. `the sound of children's laughter startled them` → `the laughter of human children echoed through the forest` + 次文で驚きを分離。「人間の子供」であることを明示し、`suddenly` と `the sound` と `startled` の不整合を解消しました。

3. `Peeking` → `Peering` に変更(茂みの中から注意深く見る状況に適合)。`saw` → `spotted`(視覚動詞の重複回避、発見のニュアンス)。`horse-drawn sledges` → `sleds pulled by horses`。

4. `realized` → `knew`(リズム改善)。

5. `captivated by them` → `fascinated by the children`。`captivated` を `fascinated` に変え、`them` の照応先を `the children` と明示しました。手袋ではなく子どもたちに惹かれて踏み出した、という流れです。

6. そのまま維持(`inching closer` の処理が巧みとの評価)。

7. 銃を構える描写と逃走の因果関係を明確にするため、`At the sight of the dark barrel pointed their way` を挿入しました。

8. `more cautious` の比較級をそのまま維持(前日まで無警戒だった子ギツネが「より」慎重になることへの期待)。

9. 無生物主語 `curiosity led the little fox` はそのまま維持。10. の `cautiously` および `ready to dash back` との併存で、好奇心と警戒心の両立が描かれているため。

10. `dash` → `dash back`(`back` 一語の追加で帰巣本能・警戒の具体性が増す)。`at any moment` から `at` を除き `any moment` としました。

2つのバージョンの相違点一覧

# 箇所 Version 1 Version 2
--- ------ ----------- -----------
1 子狐が姿を現す場面 "he stepped forward from behind the bushes, fascinated by the cheerful scene" "he stepped out from his hiding spot, fascinated by the children"
2 銃を構える描写 "The sight of the weapon sent the little fox and his mother bolting back toward their den" "At the sight of the dark barrel pointed their way, the little fox and his mother bolted back toward their den"
3 恐怖の主語と逃走描写 "hearts pounding as they fled. Behind them, they barely heard the children exclaiming…" 心臓の描写なし。"so frightened that he barely heard the children exclaiming…"
4 翌朝の導入文 "His curiosity got the better of him the next morning, leading him back…" "The next morning, **curiosity led** the little fox back…"
5 細部の語順・冠詞など "ready to dash back at any moment" "ready to dash back any moment"(atなし)

評価:Version 2 がやや優れている

差がついたポイント

1. 銃の描写の具体性
Version 2 の "the dark barrel pointed their way" は視覚的・身体的な恐怖を喚起する。Version 1 の "the sight of the weapon" はやや抽象的で、読者の想像力を十分に刺激しない。

2. 恐怖の焦点が子狐に絞られている
Version 2 は "so frightened that he barely heard…" と子狐の主観に視点を固定しており、主人公への感情移入が途切れない。Version 1 は "hearts pounding as they fled" と親子両方に分散し、直後に "they barely heard" と続くためやや散漫になる。

3. 姿を現す動機の書き分け
Version 2 の "fascinated by the children" は、子狐が人間の子どもに惹かれたという物語の核心(異種間の交流への憧れ)を端的に示す。Version 1 の "fascinated by the cheerful scene" は情景全体を指し、焦点がぼやける。

4. 翌朝の文の簡潔さ
Version 2 の "curiosity led the little fox back" は主語が明快で流れが自然。Version 1 の "His curiosity got the better of him the next morning, leading him back" は分詞構文がやや重く、テンポを損ねている。

総合所見

両者の差はわずかだが、Version 2 は 描写の具体性・視点の一貫性・文のリズム の三点で一貫して優位に立っており、短い物語としての完成度が高い。

生成AIの性能の日進月歩ですが、AIにただ丸投げするのではなく、経験豊富な英文ライティング指導者の「目利き」を経て、

  • ではどうするのが良いか?

を考えることが大事だということもよくわかるかと思います。


さて、そんな私のライティング講座ですが、対応可能な曜日時間帯は以下の通り。

月曜日 1名ないし2名 13:00-19:00 ※19時以降は受講者のレベルも含めて要相談
火曜日 1名ないし2名 13:00-19:00 ※19時以降は受講者のレベルも含めて要相談
水曜日 1名  13:00-19:00 18:00

講座初級、中級とも1回2時間を基本としています。
受講料はオリジナルのテキストやフィードバックも含めて、1時間当たり7500円〜10000円で、受講者のレベルや目標によって変わりますので応相談です。

オンライン講座の指導(学習)内容は、個別対応、カスタムメイドです。
大学受験生に限らず、一般の方の受講もできる限り対応したいと思っています。
ただ、ミスマッチは避けたいので、まずは、リクエストをお寄せいただき、スケジュールや、ご希望の講座内容、現時点での英語力と受講後の目標などをガイダンスで確認させていただきます。
必ずしもご希望の全てに沿えるわけではないことはご承知おき下さいますよう、お願いします。

tmrowing.ELT アットマーク gmail. com

まで、必ず氏名等素性を明かした上でお尋ね下さい。
ソーシャルメディアで相互フォローしている方でも、必ず「氏名」を明らかにしたメッセージをお寄せ下さい。

本日はこの辺で。
本日のBGM: たりない言葉 (Electric Guins)

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