以下の内容はhttps://tmrowing.hatenablog.com/entry/2026/02/04/120821より取得しました。


"Lights will guide you home."

今日は、このブログのタイトルにもある「英語教育」に関わる話しから。

関西大学の水本篤先生開発の

LexiTracker
mizumot.com

は本当に簡単で便利。高校の授業でも、オンラインのライティング講座でも、英文を示す際、以前はCambridgeのText Inspectorを使ってCEFRのランクで色分けして示していたところを、いまは3000語レベル以上を赤でハイライトしておおまかな目安に。
生成AIにrevised versionを出力させる際に、「語彙レベルをCEFRのB2までに抑えて」と指示しても、本当にそうなっているかは、出てきた英語を細かく確認する必要があったけど、今は、赤の面積を目視で確認して(確認させて)いて、十分に実用に適っています。

その語彙レベルに関して、中教審の「次期学習指導要領」策定に関わるWorking Group (WG) で流れが出来つつあるようで、その情報公開に対して、FBの方で問題提起があり、私もコメントしていました。
まずWGからの情報が「教育新聞」の記事で明らかにされています。

www.kyobun.co.jp

過日の「ヨンギノー試験導入計画頓挫」に懲りたのか、WGの議事録が公開されなくなって久しいのですが、その記事中での重要な情報が、「語彙リストの作成」に関わる「意見」です。
文科省から「叩き台」が出て、それにWGの委員からあれこれ意見が出て、反対意見がありましたよ、という事実確認をした上で、「お上」が実施したかったものに落ち着く、という結論ありきの出来レースにはして欲しくありません。
WG委員の意見としては投野由紀夫委員(東京外国語大学教授)から

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の枠組みを参照したと説明。小学校段階で難易度の低い語彙から徐々に導入し、中学1年生では小学校で扱った語彙を再び繰り返し学びつつ、A1レベルに到達することを想定していた。

教科書を分析したところ、小中学校で想定する語彙数を超えていた。とりわけ小学5・6年生で顕著だとして、基準の600語~700語を超過する教科書が複数あるほか、中には1000語を超えるものもあったと説明。小学3・4年生の外国語活動を前提に、5年生からの外国語の教科書が作られていることを踏まえ「語彙レベルが上がり過ぎではないかという状況が見受けられる。

という重要な指摘。

髙木俊輔委員(聖光学院中学校高校教諭)は、「学校現場の立場から『リストを作ることに賛成』」と言うのですが、その理由付けが、

例えば若い先生方の目で見たときに、出てくる単語について、どこに重点を置いてどれぐらい指導したらいいのかということは雲をつかむような感じで、分からないというケースが多々あるように思う。

という「どの現場からの声?」というもの。

紹介されていた意見の中で真っ当なのは、工藤洋路委員(東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授)のもの。

仮に1000語、2000語レベルのリストを学習指導要領が出すと、おそらく出版社がその単語帳を作ると思う。特に高校入試では共通の語彙が出てくるだろう。

リストを作ることによって一つの学習方略にフォーカスし、それだけになってしまうという懸念がある。リストを出すときに、どのように活用して欲しいかを見せていけるといい。

この第7回の配布資料はこちらの文科省サイトから。
資料だけでなく、他の委員も誰が何を言ったかの議事録を出して欲しいね。

www.mext.go.jp

私がFBの方でしていたコメントは、これまで言ってきたことの繰り返しで、次の通り。

悩ましいのは、「英語全体」における使用頻度の高さの順に子供が言語習得の発達段階で身につけていくとは限らないということ。入門期で、かつ低年齢の学習者と、同じ入門期でも一定の年齢以上の学習者とではL1での世界の知識が異なるのだから、一律にL2の語彙習得を論じられないだろうということも考慮しないと。
普段の授業では

  • a. その語彙/表現の習得での発達段階
  • b. その語彙/表現の現代英語における使用頻度

を勘案して、学習の優先順位を考えるよう努めてはいますが、本当に難しい。
現在、使用頻度の高い表現を発達の初期に身に付けるとは限らないし、発達段階初期の表現を、大人になってからも皆が使い続けるとは限らないから。
語彙における使用頻度と基本語/重要語と発達段階の問題はそう簡単ではありませんね。

先日も、某研究会がオンラインで開催したセミナーの情報交換のセッションで「単語集」の効能や功罪についての意見が交わされたのですが、その際も、

  • ある単語集の収録語彙のカバー率

という考え方が支配的だったのが気になってコメントしていました。

Aという単語集とBという単語集での「ある語」の情報提示(品詞・語義区分・用例・例文)が同じという保障がないのに加えて、教科書や大学入試で取り上げられている「その語」の情報提示(品詞・語義区分・用例・例文)が同じという検証ができていないのに、「カバーしている」と判断していいのか?

というそもそも論に始まり、

単語集に基づく小テストでも、生徒が小テストで求められる「解答行動」=「処理(=こと)」と、その生徒が使っている(使わされている)単語集での「情報提示(品詞・語義区分・用例・例文)(=もの)」とが一致していない場合には、そのテストでの正答率が生徒の語彙力の何を測っているかも怪しいのでは?

という「単語集に基づく範囲を決めた小テスト」否定派からの疑問を投げ掛けておきました。
次のような用例で示されているedgeとendを「端」という訳語との一対一対応のテストでチェックして分かったことにしていたのではダメでしょう?ということです。

後者の英文のendをedgeに代えたら、ちょっとしたホラー映画ですから。


最近の英語ニュース引用RTのツイートでも、こんな解説を加えています。

語彙レベルとか使用頻度とかも大事だけど、その場のその話題での「もの」とその評価が大事ってことは多いですからね。
まず
dates
が食品や料理の食材であることを知っているか。
さらにはその評価での
exhilarating
のイメージ、実感。

元記事はこちら。

Don't be too surprised when you add dates to the pan and discover that scrambled eggs can, in fact, be flavorful and exhilarating.


フライパンにデーツを加えてみて、スクランブルエッグが実は驚くほど風味豊かでワクワクする一品になり得ると気づいても、あまり驚かないでください。

なまじ “date” という語が日常的で、基本語なだけに「デーツ」と “dates” が直ぐに結びつかない、ということはあるだろうと思います。
まあ、ここで出てくる “exhilarating” は、大学入試では難語の部類に入るでしょうから、実感を得るのも簡単ではないでしょう。
因みに『ピナクル』(アルク)では見出し語(340番)で扱われていて流石だな、とは思いますが、この例のような「食」での使用例は、教材で取り上げられることはまずないので、出会ったときには採取し甲斐がありますね。

今、『ピナクル』を引き合いに出しましたが、次のツイートで取り上げた形容詞も出てくるので、個人的には大学入試対策の単語集というよりは、現代英語を読むための参考書という感じですね。

どうかご無事で。
切迫感はimminent > impending
leave 名詞 -ing形を確認。結果の強調
通例進行形にならない動詞も-ing形になる
動詞のtopは「…の上に立つ」
→「(数量)を超える(≒ exceed; surpass)」
prompt A(=名詞) to B(=原形)は「Aを促してBさせる」。
意味上の主語は先行文脈のことがら

元記事は

“Imminent threat to life”
Record-breaking snowfall in Aomori, northern Japan, has left snow depths topping 1.8 metres (5.9 feet), overwhelming roads and raising fears of deadly accidents and roof collapses, prompting the Japan Ground Self-Defence Forces to begin disaster relief operations.


「生命に差し迫った脅威」
日本北部・青森では記録的な大雪により、積雪が1.8メートル(5.9フィート)を超え、道路が麻痺し、致命的な事故や屋根の崩落への懸念が高まっています。これを受けて、陸上自衛隊は災害派遣を開始しました。

どちらも『ピナクル』の見出し語ではありませんが、imminentは325番の例文と解説に、impendingは359番の例文と解説で取り上げられています。

このツイートには続きがあります。<leave + 名詞 + -ing形>の -ing形の使われ方に関連して、

別媒体別記事でイタリアの積雪。
こちらでは、toppingではなくsurpassingを使っています。「物差し・目盛」用法なので進行形には対応しない-ing形。主文が現在完了単純形でも、付帯状況では -ing形で形合わせをしていることを確認。
比喩的に描写に用いられる動詞のblanketの語義と実感を是非動画で。

更に追加。

別媒体別記事で「withの付帯状況での『物差し・目盛用法』の-ing 形」の類例。
人口ならぬバイソン口=バイソン個体数の増加に関する記述。
主文の先行文脈は
has made と現在完了単純形であることを確認。

元記事は

A herd of European bison crossing train tracks in eastern Poland!
The European bison is the heaviest wild land animal in Europe and the population has made a remarkable recovery, with the population surpassing 3,000 bison last year.
@StapelAndrew


ポーランド東部で、ヨーロッパバイソンの群れが線路を横断!
ヨーロッパバイソンは欧州で最も重い野生の陸生動物で、個体数は見事に回復し、昨年は3,000頭を超えました。
@StapelAndrew

今日の記事で取り上げたような “-ing形” が進行形に相当する「相」を表すのか否か、はその環境、生息域で捉える必要があるので、過度の単純化は禁物です。

なまじ知っているからこそ語義と生息域で丁寧な扱いが必要な語に

  • water

があります。定冠詞 theに続くことが多い、その典型例がこちら。

これは写真があるので誤解の余地は(少)ないが、通例は文脈を丁寧に読む必要のある
(the) water 水域=河川、湖、海

元記事は

It's so cold in Boston right now that packs of coyotes are able to cross the water today.

意味は写真を見てもらうのが一番でしょう。


基本語が大事、という意味では次の記事を丁寧に。

Braving the cold to witness one of Canada's most iconic natural wonders, tourists gathered to view the partially frozen Niagara Falls


寒さをものともせず、カナダを代表する自然の驚異の一つを目撃しようと、観光客が部分的に凍ったナイアガラの滝を見物に集まった。

この “brave the 名詞” で「厳しい気象状況;気候・天候」が使われるのは比較的新しい用法という印象。

過去ツイだと、元旦の英語ニュース引用RTで取り上げていました。

形容詞 cold は「寒い:冷たい」。同形同音の名詞 cold は一般には「寒さ」、気象・天候の文脈では「寒気;冷気」で通例不可算扱い。形容詞 brave は「勇敢であること;勇気が必要なこと」を表す。同形同音の動詞 brave は「(手ごわいもの)に勇敢に立ち向かう;…をものともしない;怯まない」の意。

元記事は

Snow, rain and brutal cold are expected for New Year’s Eve, with freezing temperatures from Minnesota to New York. @LeeGoldbergABC7 has the forecast as nearly one million people are expected to brave the cold New York’s Times Square to watch the ball drop.
New Year's Eve weather forecast, from rain in the West to snow in the East - ABC News


大晦日は雪や雨、厳しい寒さが予想され、ミネソタ州からニューヨーク州にかけて氷点下の気温となる見込み。@LeeGoldbergABC7が予報を伝えている。約100万人が寒さをものともせず、ニューヨークのタイムズスクエアでボールドロップを見守る見通しだ。

ナイアガラの滝関連では、こちらの記事も。

普段から英文法の指導では、
現在完了単純形の肝は「イマココに寄せる波」「その波が返す来し方を眺めるか、寄せた波はこれから何処へ?に繋げるか」
と言ってきましたが、ここでは「寄せる波」どころか、「あのナイアガラの滝が凍ってるって!?」と更なる観光客が押し寄せる、というオチ。

元記事。

Niagara Falls has partially frozen due to extreme low temperatures and heavy snow.
The striking scenes at one of the world's most popular tourist destinations have attracted extra visitors who travelled to the US-Canada border in frigid conditions to witness the spectacle.


ナイアガラの滝が、極寒と豪雪により部分的に凍結した。
世界有数の観光名所で見られるこの驚くべき光景に、極寒の中を米国とカナダの国境まで足を運んだ観光客がさらに集まり、このスペクタクルを目撃している。

最後はこちらの記事。
“enclosure” の例で、動物園&水族館のペンギンの記事を取り上げていましたが、それに関連して。

先ツイはピッツバーグ動物園&水族館。
こちらはロングアイランド水族館。
ペンギンの種類が違えば生息域も違うのでね。
ことばと同じ?
引用談話の
where SV SV
の副詞節を導くwhereを確実に。
動画の中の
they had to be moved
のhad toに受け身が続くパターンは日本語訳には表れ難いので要確認。

元記事。

The Long Island Aquarium brought 20 African black-footed penguins inside for warmth after extreme cold hit the area.
“Where they’re from they don’t see temperatures like this. Low 40s is probably as low as it’s going to get there,” Maggie Seiler, an assistant curator of penguins and reptiles at the aquarium, told media.


ロングアイランド水族館は、極寒が地域を襲った後、20羽のアフリカンペンギンを暖を取るため屋内に収容した。
「彼らの生息地では、このような気温は経験しません。現地では華氏40度台前半(摂氏4~9度)が最低気温でしょう」と、同水族館のペンギン・爬虫類担当アシスタントキュレーター、マギー・サイラーはメディアに語った。

  • 生息域

大事ですね。

本日はこの辺で。
本日のBGM: Fix You (Coldplay)

open.spotify.com




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