こんなニュースが回ってきました。
A raccoon broke into a closed liquor store and hit the bottom shelf, where the scotch and whisky were stored. An employee at the Ashland, Virginia-area liquor store found the trash panda passed out on the bathroom floor at the end of his drunken escapade.
A raccoon broke into a closed liquor store and hit the bottom shelf, where the scotch and whisky were stored. An employee at the Ashland, Virginia-area liquor store found the trash panda passed out on the bathroom floor at the end of his drunken escapade. pic.twitter.com/1HApQNTnDw
— The Associated Press (@AP) 2025年12月3日
私の引用RT140字紹介&詳解はこちら。
raccoonは「アライグマ」。 slangでtrash pandaと呼ばれる。残飯を漁るから?
break into…「…に押入る」
句動詞の pass out は「気を失う (= to become unconscious for a short time, for example when ill, badly hurt, or drunk)」 (Cambridge)
アルコール摂取からの失神にも用いるようです。raccoonは「アライグマ」。 slangでtrash pandaと呼ばれる。残飯を漁るから?
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年12月3日
break into…「…に押入る」
句動詞の pass out は「気を失う (= to become unconscious for a short time, for example when ill, badly hurt, or drunk)」 (Cambridge)
アルコール摂取からの失神にも用いるようです。 https://t.co/UOlcNWh2ph
この私の解説ではCambridgeの辞書から引きましたが、CEFRのランクでは、B2です。
句動詞のpass outは大学入試の出題でも見られます。
When she heard the news, she passed out.
① jumped for joy ② lost consciousness ③ was disappointed ④ became excited
同義での言い換えで pass out ≒ lose consciousness という知識を求めるものですね。CEFR B2レベルでいいでしょうか?
このような出題があるからか、学習用の辞書でも扱われていますが、句動詞でのCEFRランクなどは示されていません。
G6では「自動詞」扱い。
páss óut
[自]
⑴意識を失う (faint)
- My vision began to darken and finally I passed out. 視界が暗くなってついには気を失った.
O-LEXでも「自動詞」扱いですが、「アルコール」絡みの訳語を入れています。
pàss óut 〈自〉
① (口)気絶する,意識を失う(black out;faint);酔いつぶれる
NOADでは「アルコール」が(意味上の)主語となる例がありますが、それでも「自動詞」扱い。
pass out
Become unconscious: he consumed enough alcohol to make him pass out.
Cambridgeの句動詞辞典には、次の用例が見つかります。
He came back drunk from Gav’s party and passed out on the sofa.
Longman Activator (2002年) では、キーワード “unconscious” の下に pass outも収められています。
その定義と用例。
pass out [phr v]
to become unconscious, usually for a short time, for example because you have had too much to drink, or because you cannot breathe properly:
- When I first smoked a cigarette, I almost passed out.
- I think the poor guy passed out. It looks like he’s had a lot to drink.
「アルコール摂取文脈」はあるあるのようです。
そして、MW’s の学習者用の次の定義と用例には私も驚きました。
pass out [phrasal verb]
1: to fall asleep or become unconscious
- They both passed out in front of the TV.
- I felt like I was going to pass out from exhaustion.
- Someone was passed out on the floor. [= someone was lying unconscious on the floor]
“to become unconscious” の前に、”to fall asleep” があるという!
そして、
他動詞用法の例が見られないのに、見た目が受け身の “was passed out” の例があるという!
ツイッターで私は「辞書では未対応では?」と書いていましたが、この2項目が取り上げられていることに気がついていませんでした。慎んでお侘びします。
同じMW’sの上級版には、次の例が加えられています。
- He drank until he passed out.
句動詞のpass outの生息域として、アルコール摂取に絡んで「正体を失う;泥酔する」などに対応する訳語を当てる必要があるでしょう。
英和・和英辞典であれば、訳語と適切な用例の収録が望まれます。
物書堂の用例検索で関連例文を。
句動詞辞典に分類されると思われる、ジャン・マケーレブ+マケーレブ恒子 『動詞を使いこなすための英和活用辞典』(朝日出版社、2006年)では、
pass out
「気を失う、意識を失う、気絶する;(麻酔・飲酒などによって)前後不覚になる、酔いつぶれる」
後ろにcoldをつけて強調することがよくある。
と「過度のアルコール摂取」に関わる訳語を当てています。
これよりも古いマケーレブ本としては、『アメリカ口語辞典』(朝日出版社、1983年)がありますが、そこには、
pass outの応用範囲は広く、このほか麻酔で気を失う場合とか、酒で気を失う場合などにも使う。
- The patient passed out within seconds of the doctor’s administering the anesthetic. (患者は医者が麻酔をかけると数秒もしないうちに意識を失った)
- The noisy drunk at the next table finally passed out. (隣のテーブルにいるうるさい酔っ払いは、ついに酔いつぶれてしまった)
と解説があり用例を配しています。
過度のアルコール摂取に絡む日本語の表現としては
- 前後不覚になる
- 正体を失う・失くす
辺りが日常的でしょうか。
- 人事不省
まで行くと危機的状況というのが私の理解です。
さて、
ここからが本題です。
先のツイートでも句動詞pass outの定義を引いて解説していましたが、当該の記事見出しでのpassed outは明らかに形容詞相当で、過去形のfoundの所謂「目的格補語」として使われていることに注意が必要です。
上述の辞書からの引用で言えば、MW’sの学習用にあった例で見られた叙述での "was passed out" に通じる使われ方です。
動詞型でいえば、 先のツイートのアライグマの描写では、
- find + A (= 名詞) + B (= 形容詞相当) 「AがBの状態であるのを発見する」
という環境で使われています。
ということは叙述用法では(be) passed out の形で使われるということになりますが、この用法に対応している辞書は稀です。
次のBBCでは受け身のfoundの後にpassed outが続いていますが、同様に叙述での使い方です。
Drunk raccoon found passed out on liquor store floor after breaking in
Drunk raccoon found passed out on liquor store floor after breaking in https://t.co/VvXG0itBwr
— BBC News (UK) (@BBCNews) 2025年12月3日
MW'sの学習用に載っているくらいですから、この叙述の形容詞に相当する passed out は米語では完全に容認された語義と語法と見るべきだとは思うのですが、実例で押さえておきましょう。
NOWコーパスとCOCAで、
- be動詞+passed out
をざっくりと検索してみます。
「資料などが配布される」などのノイズも含みますからCLで英文も確認する必要がありますがpassed out ≒ unconscious の意味で使われていると思しき例は多く、さらには (sound [dead] ) asleep/ sleeping (soundly) のような場面でもかなり使われている印象です。
NOW
COCA
いくら均衡コーパスではないとはいえ、これだけのヒット数があるのですから、現実に使われているものだと認識するのが吉でしょう。
続いて、
- be動詞+passed out drunk
での検索。
数は少ないですがこの "drunk" つきの環境だと主語は生物に絞られます。
NOW
COCA
NOWはニュース英語ですから当たり前ですが、COCAでも事件・犯罪絡みの用例で、酔いつぶれて寝ている状況と思しき描写が見られます。
雑誌US magazineから “was passed out” の例。
Season 2 of Below Deck Down Under made headlines in 2023 when bosun Luke Jones was filmed getting into bed naked with stewardess Margot Sisson, who at the time was passed out after an alcohol-fueled crew night out. After a cameraman intervened, producers made Luke leave the boat ,and he was moved to a hotel for the night. Jason ultimately terminated Luke and let stewardess Laura Bileskaline go after she blamed Margot for his exit.
www.usmagazine.com
『Below Deck Down Under』のシーズン2は、2023年に大きな話題となりました。ボースンのルーク・ジョーンズが、酒の席でのクルーの外出後に酔いつぶれていたスチュワーデスのマーゴット・シソンのベッドに、裸で入り込む様子が撮影されたのです。カメラマンが介入した後、プロデューサーはルークに船を離れるよう指示し、その晩はホテルに移されました。最終的にジェイソンはルークを解雇し、さらに、彼の降板をマーゴットのせいにしたとしてスチュワーデスのローラ・ビレスカリネも契約終了としました。
COCAから、CNNのニュース冒頭での、 “was passed out drunk” の例。
Tonight, Michael Brown mourned by thousands. Will there be charges against the officer who killed him? What if there are not? Our behavior bureau has thoughts. Plus, this young mother arrested for leaving her two-year-old in the car while police say she was passed out drunk in a bar. Let's get started.
今夜、マイケル・ブラウンさんは何千人もの人々に悼まれました。彼を殺害した警官に起訴はあるのでしょうか。もし起訴がなかったらどうなるのか。私たちの「行動局」が見解をお伝えします。さらに、警察によればバーで酔いつぶれて意識を失っていた間に、2歳の子どもを車内に置き去りにしたとして逮捕された若い母親の件も取り上げます。では、始めましょう。
Japan Todayにも “was passed out” の例が見つかります。
A 28-year-old woman in a media-related business says she tipples an average of 15 times a month.
"One night the drinks were so yummy I couldn't help myself, but just chug-a-lugged them down. Before I realized it, I couldn't walk, and a 'sempai' (senior co-worker) took me to his (or her -- gender here was not specified) place to sober up. There was no elevator, just a spiral staircase that I had to climb up to the sixth floor. So there I was climbing in circles, and the booze was churning around in my stomach and my head was spinning, and, well, I regurgitated right there on the steps!
"I was passed out on the bed while my sempai went out to mop up the mess," she blushes. "I was mortified!"
https://japantoday.com/category/features/kuchikomi/salarymen-and-women-reveal-their-most-embarrassing-moments-while-drunk?comment-order=popular
メディア関連の仕事をしている28歳の女性は、月に平均15回はお酒を飲むと話す。
「ある夜、飲み物がおいしすぎて止まらなくなって、ぐいぐい飲んじゃったんです。気づいたら歩けなくなっていて、先輩が私を酔いをさますために自分の家(性別は不明)に連れていってくれました。エレベーターはなくて、6階まで螺旋階段を上らなきゃいけなかったんです。ぐるぐる回りながら上っていたら、お腹の中のお酒がかき回されて、頭もくらくらしてきて、で、その場で階段に吐いちゃいました!
「私がベッドで気絶している間に、先輩が外に出て後始末をしてくれたんです」と彼女は顔を赤らめる。「本当に恥ずかしかった!」
Facebookでのこんな投稿も話題を呼んだようです。
Beautiful, Bizarre and Oddly Humorous
Sharlin Nelka PremarathnaTom Hanks was sitting at the bar having a few beers, when he noticed a guy had passed out. He went over to see if the guy was OK and noticed the dudes phone on the table. Tom snapped a few pics then put the phone in the guys pocket. Imagine finding these pics on your phone after a big night out!
www.facebook.com
美しくて、奇妙で、どこかおかしいユーモア
シャーリン・ネルカ・プレマラトナトム・ハンクスがバーでビールを何杯か飲んでいたとき、ある男が完全に酔いつぶれているのに気づいた。具合は大丈夫かと見に行くと、テーブルの上にその男のスマホがあるのを見つけた。トムはそのスマホで何枚か自撮りを撮り、スマホを男のポケットに戻した。大騒ぎした夜の翌朝、スマホにこんな写真が入っていたら…と想像してみて!
さらに興味深いのは、生成AIがこの投稿を紹介するために「見出し」を作成していること。
- Tom Hanks takes photos with a passed out boy at a bar
“passed out” が完全に前置の限定用法で用いられています。
こうしてみてくると、
- 自動詞用法のpass out は become unconsciousだけでなく、「寝落ち」での fall asleepのような変化、移行でも
- 対応する他動詞用法が見られない be passed out は状態の描写、記述で
- 形容詞としての passed outは補語などの叙述だけでなく、限定用法でも
用いられていると考えられますが、be動詞そのものが変化や到達を表すこともあるので、やはり、一つ一つの生息域で捉えるしかないと思います。
2025年12月5日追記:
本来自動詞扱いの句動詞から派生した分詞形容詞の例としては、
- chilled(-)out
があげられます。
- Their wedding ceremony was chilled out from beginning to end. (あの二人の結婚式は終始リラックスした雰囲気だった)
対応する他動詞用法がなく、単独で形容詞として使われる自動詞由来の句動詞は少数派だと思います。
過去ログも併せてお読みください。
tmrowing.hatenablog.com
次の定義に見られるように、形容詞 unconscious の定義で「眠るように;眠っているように」という比喩を使う以上、このpass outがfall asleepの意味で用いられることも、まあ分からなくはないです。
つい最近のニュースに絡んで、ソーシャルメディアでこんな投稿がありました。
Sleepy Trump literally passed out next to Marco Rubio.
MEDIA: crickets.
Because FoxNews rang the Biden is tired & weak bell 24/7 and created the story so MSM had to respond to it - and wound up carrying.Sleepy Trump literally passed out next to Marco Rubio.
— Philip Morton (@PhilipDMorton) 2025年12月3日
MEDIA: crickets.
Because FoxNews rang the Biden is tired & weak bell 24/7 and created the story so MSM had to respond to it - and wound up carrying. https://t.co/kfQICp1cq2
眠そうなトランプが文字通りマルコ・ルビオの隣で気を失いました。
メディア:クリケット(無反応)。
なぜなら、FoxNewsがバイデンは疲れて弱いという鐘を24時間鳴らし続け、物語を作り上げたからで、MSMがそれに応じなければならず、結局その物語を運んでしまったのです。
ここでは「卒倒」でも「泥酔」でもなく、「寝落ち」で “passed out” が使われていますが、その前に “sleepy” という形容詞で伏線。
Trump fell asleep during his cabinet meeting today. Just passed out in front of the entire country. He’s a complete embarrassment to the United Staes. 25th Amendment NOW! Image from Chip Somodevilla/Getty & Andrew Caballero Reynolds/AFP
Trump fell asleep during his cabinet meeting today. Just passed out in front of the entire country. He’s a complete embarrassment to the United Staes. 25th Amendment NOW! Image from Chip Somodevilla/Getty & Andrew Caballero Reynolds/AFP pic.twitter.com/pTm0MPrbyV
— Harry Sisson (@harryjsisson) 2025年12月2日
トランプは今日の閣議で居眠りしました。全国の前で気絶したように見えました。彼はアメリカ合衆国にとって完全な恥です。今すぐ第25条発動を! 画像提供:チップ・ソモデヴィラ(ゲッティ)&アンドリュー・カバジェロ・レイノルズ(AFP)
こちらも “passed out” が使われていますが、その前には、“fell asleep” で伏線。
この少し前にはこんな動画も流れていました。
Trump is passed out as Mehmet Oz speaks about obesity and dementia at the White House
youtu.be
このタイトルで使われている “is passed out” の意味は動画で見て明白ですね。
- さっきまで起きてたのに、気づいたら爆睡状態!
みたいな情景でしょうか。
最後に、NYTのアーカイブからの用例を。
Tonight, as she did last night and would do again tomorrow, she stayed drinking until closing time, the white waiter ignoring the law against serving intoxicated customers as he scurried from one plain wooden table to another with trays of draft beer.
Across the brightly lit barroom a teen‐aged boy was passed out, his head on the table, and a white man who had drunk up all his money was trying to peddle his gloves for a drink, although the temperature outside was 30 degrees below zero.
www.nytimes.com
今夜も、昨夜と同じように、そして明日もまた同じように、彼女は閉店時間まで飲み続けた。白人の給仕は、酔客に酒を出すのを禁じる法律など無視して、ドラフトビールの乗った盆を抱え、素っ気ない木のテーブルから別のテーブルへとせわしなく立ち回っていた。まばゆい明かりのバーの向こうでは、十代の少年が酔いつぶれ、テーブルに突っ伏して寝ており、持ち金をすっかり飲み干した白人の男は、一杯と引き換えに手袋を売ろうとしていた。外の気温は氷点下30度だというのに。
リンクのアドレスでわかってしまいますが、この文章は、1974年2月17日の紙面をデジタル化したアーカイブから。
50年前の英文で既に、 “was passed out” が使われていたことがわかります。
本日はこの辺で。
本日のBGM: 酔いどれダンス・ミュージック (はちみつぱい)
追記:
2025年12月4日の時点で、簡易的に利用可能な生成AI 三者とのやりとりでの結果を転記しておきます。
MW'sの定義と用例をもとに考えてもらっています。回答の全てが正しいとは限りませんので二次使用は慎重に。
Claude Sonnet 4.5
I. 使用頻度について
"become unconscious"の意味での使用が圧倒的に多いです。
"pass out"が単に「fall asleep(眠りにつく)」の意味で使われることは比較的稀で、多くの場合:
- 意識を失う(気絶、失神)
- 極度の疲労・飲酒などで突然意識が途切れる
といった、*非自発的・突発的な意識喪失を指します。通常の就寝で"I passed out"とは言いません。
II. "be passed out"の表現について
ご指摘の通り、pass outは自動詞であり、他動詞用法はありません。III. この形式の成立時期
"be passed out"という表現は20世紀中頃(1940-60年代頃)から口語で広まったと考えられます。文法的には:
- 真の受動態ではなく、「状態を表す形容詞的用法」
- "be drunk", "be gone", "be finished"などと同様の構造
IV. 意味の理解
- be passed out = be unconscious / be in a state of unconsciousness
という理解で正しいです。"be asleep"との類似性で言えば:
- be asleep → 通常の睡眠状態
- be passed out → 気絶/酩酊/極度の疲労による意識喪失状態
ですので、"be sleeping"のような通常の睡眠を指すというより、「意識を失って倒れている状態」を表します。
例:
- "He's asleep on the couch." (ソファで寝ている)
- "He's passed out on the couch." (ソファで潰れている/意識不明で倒れている)
この微妙なニュアンスの違いが重要です。
ChatGPT 5.1
I. 「fall asleep」の意味での頻度は高いか低いか
`pass out` には
1. 「気を失う・失神する・意識を失う」= become unconscious
2. 「(単に)寝入る・寝落ちする」= fall asleep
の2つの方向性がありますが、現代英語の実際の使用頻度としては
- 「気絶・失神・ぶっ倒れる」の意味のほうが明らかに優勢
- 「単に眠る・寝落ちする」は、くだけた会話・文脈限定で使われるカジュアルな用法
という理解でよいです。
Merriam-Webster Learner’s の定義が「fall asleep or become unconscious」と並列に書いてあるので、同程度の頻度で使われるようにも見えますが、実際のコーパスやネイティブの感覚では、
- `pass out` はまず「ぶっ倒れる・気絶する」を連想する
- 寝落ちの意味なら `fall asleep`, `doze off`, `nod off`, `crash (out)` などを使う場面のほうがずっと多い
という感じです。
ただし、次のようなカジュアルな会話文脈では「寝落ち」の意味が自然に出てきます。
- I was so tired I passed out on the couch. (疲れすぎてソファでそのまま寝落ちした。)
- We all passed out around midnight. (みんな夜中の12時ごろには寝ちゃってた。)
こうした用例では、「気絶」というより「意識もないくらいバタンキューで寝た」というニュアンスで、「寝落ち」と「ぶっ倒れる」の境界がやや曖昧になっています。
まとめると:
- 頻度としては 「become unconscious」が主、「fall asleep」は副次的・話し言葉寄り
- とはいえ、特に危険な状況(事故・病気・怪我など)でなければ、「疲れ果てて寝入る」が自然な解釈になることも多い
というイメージです。
II. `Someone was passed out on the floor.` の文法的な扱い
この文の `passed out` は、形式上は `be + past participle` なので「受け身」にも見えますが、実際には
- 受け身ではなく、形容詞化した分詞(分詞形容詞)
- つまり `passed out` は「※(意識を失って)気を失っている状態」という形容詞
という扱いで理解するのが自然です。
自動詞句動詞の過去分詞が形容詞化した例
英語では、自動詞の過去分詞がそのまま「状態を表す形容詞」として使われることがよくあります。
- `The door was closed.`
→ 誰が閉めたかを意識せず、「閉じている」という状態を表す形容詞
- `He was gone.`
→ 「いなくなっている」という状態
- `She was faded.`(スラング)
→ 「ヘロヘロ(酔って/ドラッグで)になっている」
`pass out` も自動詞ですが、「pass out してしまった結果の状態」を `passed out` という形容詞で表し、それを `be` 動詞でつないで
- `Someone was passed out on the floor.` = 「誰かが床で(意識を失って)倒れていた」
という「状態」の文になっていると考えるのが自然です。
したがって、この `passed out` には「誰かに pass されて out にされた」というような他動詞の受け身構造の意識はありません。
自動詞句動詞の結果状態を表す形容詞として慣用的に使われている、と捉えるとよいです。III. `be passed out` という形はいつ頃から広まったのか
正確な初出年代は辞書だけでは分かりませんが、アメリカ英語の話し言葉では
- 20世紀後半以降(少なくとも1970年代以降)には普通に見られるカジュアル表現
- 現代の口語・くだけた文体ではごく一般的な言い方
になっています。
OED や歴史コーパスを使うとより細かく年代表が追えますが、少なくとも
- 戦後英語(20世紀後半)には明確に定着
- 21世紀のアメリカ英語では日常会話レベルで非常によく使われる
という範囲で理解しておけば十分です。
IV. `be passed out` は `be asleep/sleeping` の意味で使えるか
結論から言うと:
- 意味としてかなり近い場面はあるが、完全な同義ではない
- 常に「単に寝ている」ではなく、「疲れ果てる/酒や薬/脱水・熱中症などで意識が飛ぶ」といった「コントロールを失った感じ」が含意されることが多い
ニュアンスの違い
- `be asleep / be sleeping` → 中立的。「普通に眠っている」というニュートラルな状態描写。
- `be passed out` → 「意識がない」「ぐったりしている」「ぶっ倒れている」という含みがあり、
- 酔っ払い
- 徹夜・極度の疲労
- 脱水・熱中症
- ドラッグ
などが連想されやすい。例:
- `He was asleep on the couch.` → ソファで普通に寝ていた。(かわいく/穏やかなイメージもあり得る)
- `He was passed out on the couch.` → ソファでぐったり倒れ込んで動かない。酒か疲労で潰れている感じ。
ですから、
- 状況によっては「寝ている」と訳せる場面もあるが、ニュアンスとしては「寝落ち・意識を失っている」に近い
- 「普通にベッドに入って寝ている人」には普通 `passed out` はあまり使わない(かなりカジュアルな文脈で、誇張表現として使うことはある)
という理解が安全です。
V. まとめ
- `pass out` は意味として
- 「気を失う・失神する」が主
- 「疲れて寝落ちする・バタンキューで眠る」は副次的なカジュアル用法
→ 頻度・基本性でいえば **become unconscious のほうが上**。
- `Someone was passed out on the floor.` の `passed out` は
- 文法的には「受け身」というより形容詞化した分詞(状態描写)
- 自動詞句動詞 `pass out` の結果状態を表す形容詞として使われている。
- `be passed out` は
- 少なくとも20世紀後半から広く使われているアメリカ英語の口語表現
- 意味的には `be asleep` に近づくこともあるが、
常に「意識が飛んだ/潰れた/ぐったりした」というニュアンスを含みやすい。
→ 「be asleep/sleeping とまったく同じ」と理解するのはやや危険で、
「寝落ち・気絶・ぐったりした状態」という含意つきの「眠り」 と見るのが適切です。
Gemini Pro 3
非常に鋭い視点でのご質問です。それぞれの点について解説します。
I. 「寝落ちする (fall asleep)」と「気絶する (become unconscious)」の頻度について
結論から言うと、日常会話やカジュアルな文脈では**「寝落ちする(fall asleep)」の意味で使われる頻度が非常に高い**です。ただし、これは普通の就寝(go to bed)ではなく、極度の疲労やアルコールによって「意識を失うように眠りに落ちる」というニュアンスに限られます。
本来の意味(Core Meaning):
辞書の定義として第一義に来るのは医学的な「気絶・失神(become unconscious)」です。暑さ、痛み、ショックなどで意識を失う場合です。ニュースやフォーマルな場ではこの意味が主です。
実際の使用頻度(Usage Frequency):
日常会話、特に若者言葉や飲み会の文脈などでは、お酒に酔って潰れたり、疲れ果てて泥のように眠ったりすることを指して "pass out" と言うことが圧倒的に多いです。
頻度の感覚:
書き言葉や全般的なコーパス(言語データ)で見れば「気絶」の意味が多いですが、口語(話し言葉)においては「(泥酔や爆睡で)寝る」という意味は「気絶」と同じくらい、あるいはそれ以上の頻度で使われます。II. "be passed out" という形について
ご指摘の通り、`pass out` は自動詞であり、本来は受け身(受動態)を作れません。しかし、`Someone was passed out...` という表現は英語圏で完全に定着しています。
なぜ自動詞なのに be動詞 + 過去分詞 になるのか?
これは「完了・結果の状態」を表す形容詞的な用法です。
自動詞の中でも、変化や移動を表す動詞(非対格動詞と言われます)の過去分詞は、受け身(〜される)ではなく、「〜し終わった状態」という形容詞的な意味を持つことがあります。gone (go): He is gone. (彼は行かれた× → 彼は行ってしまった/もういない◎)
finished (finish): I am finished. (私は終えられた× → 私は終わった/済んだ◎)
retired (retire): He is retired. (彼は引退している状態だ)
これと同じ理屈で、
He passed out. (動作:彼は意識を失った/寝落ちした)
He was passed out. (状態:彼は意識を失っていた/寝落ちていた)
という使い分けがなされています。
"be passed out" はいつ頃から広まったのか?
歴史的な経緯を見ると、以下のようになります。
1. 19世紀末 (1890年代頃): 句動詞 pass out が「気絶する (faint)」の意味で使われ始めます。
2. 20世紀中盤 (1940-50年代): アルコールによって「酔いつぶれる」「寝込む」という意味(slang)が急速に広まりました(第二次世界大戦後のアメリカなどで顕著)。
3. 1970年代以降: Google Ngram Viewerなどのデータを見ると、"was passed out" や "is passed out" というフレーズが文献で急激に増え始めるのは1970年代から80年代にかけてです。つまり、自動詞としての用法が広まった後、「酔いつぶれて床に転がっている状態」を描写する必要性から、状態を表す be passed out という形が口語から定着していったと考えられます。
be asleep / sleeping と同じ意味と理解してよいか?
はい、理解していただいて大丈夫です。
Someone was sleeping on the floor.
(誰かが床で眠っていた=単に睡眠という行為をしていた)
Someone was passed out on the floor.
(誰かが床で意識を失うように寝ていた/酔いつぶれて寝ていた)
文法的な機能としては `be asleep`(形容詞)と同じで、「その時、そういう状態であった」ことを表しています。
ただし、sleeping/asleep が安らかな睡眠も含むのに対し、be passed out は「泥酔」や「気絶に近い爆睡」であり、揺すってもなかなか起きないような状態を含意します。












