先月末頃に、ツイッター(現X)のTLで話題となったのがこのツイート。
I am now the most banned author in the United States--87 books.
May I suggest you pick up one of them and see what all the pissing & moaning is about?
Self-righteous book banners don't always get to have their way.
This is still America, dammit.I am now the most banned author in the United States--87 books. May I suggest you pick up one of them and see what all the pissing & moaning is about? Self-righteous book banners don't always get to have their way. This is still America, dammit.
— Stephen King (@StephenKing) 2025年9月26日
DL訳: 私は今やアメリカで最も禁止された作家だ——87冊もの本が。
そのうちの1冊を手に取って、一体何がそんなに文句を言わせるのか確かめてみては?
独善的な検閲者どもがいつも思い通りになるとは限らない。
ここはまだアメリカだ、ちくしょう。
若い世代には馴染みが薄いかもしれませんが、巨匠スティーブン・キングの言。
それを受けての私の呟きがこちら。
私が開講している、一般の方向けの英文ライティングのオンライン講座では、対訳で読むことを受講者に勧めています。
私が開講している、一般の方向けの英文ライティングのオンライン講座では、対訳で読むことを受講者に勧めています。 https://t.co/K7Udiu2DBy pic.twitter.com/12THcTHhIO
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月27日
ブラウザによっては引用RTで中の写真が出ないことがあるので、こちらでも書影を再録。
特に密林とかへのリンクは示しませんので、検索を楽しんで下さい。
日本では、高校生までは「検定教科書」で学ぶことが多いわけですが、現行の教材では、私のシラバスの柱としているナラティブや描写のライティングのクオリティをあげることは難しいもの。
私も、高校生との授業では仕方なく横並びのテキストを使っていますが、私がオンラインで開講している一般のテクストタイプ別のライティング講座では多種多様な素材が教材。英文エッセイの他に和文英訳も扱っています。
巨匠の次の言葉は示唆的です。質は多書(たしょ)から!
老婆心ながら
- 多書
はどう考えたって、「たしょ;タショ」以外の読みは出来ませんからね。
- 多読
と書いて (X)「たよみ;タヨミ」と読む人いないでしょ?
本題に戻ると、「書くこと」に関して、「書くことそのもの」を教わる機会がどんどん減っている印象を持っています。
- では、どこで学ぶか?
どこでも良いんですよ。そこにいい作品と作家がいれば。
最近読んでいる「書くこと論」の本は、20世紀を代表するあの巨匠の語録。
著者には、
- カート・ヴォネガット&スザンヌ・マッコーネル
とありますが、ヴォネガット氏の教え子でもあるマッコーネル氏が、ヴォネガットの様々な文章を集めて構成・編集した「書き方の指南書」であり「回想録」という性格の、ちょっと変わった書です。
こちらにも対訳があります。
なんと、訳者に金原瑞人氏のお名前があるじゃないですか。
作家による創作論というならこちらも。
NYTに載った、古今の作家による「書くこと」についてのエッセイ集です。
この本についても、過日ツイートで紹介していました。
密林のオンデマンド製本で直ぐに来た!
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2024年12月23日
オリジナルは2001年。
知ってる作家ということで後半から読んでいます。 pic.twitter.com/GOEj0PEL0B
自分の好きな作家、知っている作家辺りから足場を拡げるのが良いとは思いますが、恩師の助言がぶり返してきます。
大学時代に河野一郎先生に言われたのは、「あなたはもう少し英語できてもよさそうなんですけどね。」という爆笑ネタと、「英語教師になるつもりなら、自分の好きな作家だけ読んでてもダメ。英語で書かれたものは、ありとあらゆるものを読んでおかないと。」
ということ。ありとあらゆる
です。
大学時代に河野一郎先生に言われたのは、「あなたはもう少し英語できてもよさそうなんですけどね。」という爆笑ネタと、「英語教師になるつもりなら、自分の好きな作家だけ読んでてもダメ。英語で書かれたものは、ありとあらゆるものを読んでおかないと。」
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2024年9月14日
ということ。
ありとあらゆる
です。
確かにそうなんですよね。
以下、とにかく雑多に、ということで自分の英文修業も兼ねて読み、教材としても活用してきたのが次のようなもの。
迷い犬、猫、鳥などなどの「探しています」掲示を集めた写真集です。掲示に書かれた文言には飼い主の思い、願いが込められていますから。
まさに「答えの無い、問いだけを集めた本」です。
左が大人用、右が子ども用、という建前ですが、大人が右を読んでも十分面白いです。
左の大人用は森瑤子さんによる邦訳があった記憶があります。右は2000年代に入ってからの増補版。どんな質問かは、このブログの過去ログを検索!
類書には次のようなものがあります。
左は、表から読むと子→親、裏から読むと親→子への質問集という変わり種でオススメです。
右は翻訳で、中途半端に答えやヒントとなる「足場架け」があるので、授業では使わず学級文庫に入れていました。
次は易しい英語による創作のサンプル。
ハードボイルド小説のパロディとも言える、子供向けの推理読み物。他愛ない事件があっという間に解決します。CDもあります。易しい英語には違いないですが、パロディですから、GRのような加工(手加減?)がされているわけではないところがミソ。
ものの数ページで事件が解決、と言うならこちら。
『2分間ミステリー』でもお馴染のドナルド・J・ソボルによる「少年探偵」シリーズです。紙版で所有していたかなりの冊数を手放してしまったので、今はkindle版で地道に買い戻しています。
どの巻から読んでも、物語全体の背景や主人公についての知識を仕込めるように、第1話の冒頭に、舞台となる町の風景や治安の描写、人物や人間関係の説明が書かれているのですが、巻が違ってもその内容は殆ど同じでありながら、それを表す英語表現が微妙に異なるところが英文修業に最適。高校生の授業でも使ったことがあります。
私は授業で英語の歌を封印して10年ほど経ちますが、以前は英語の歌詞だけでなく、英詩も授業シラバスにしっかりと位置づけていました。
その頃に参考にしていたのは次のようなもの。
左は詩人による散文、右はsinger-songwritersによるsongwriting論。
上述の、小説家に代表される作家の創作論との読み比べが面白いと思います。
右の写真のものは増補第4版(2003年)ですが、第3版は邦訳が2000年に出ていましたね。
因に最新版は2025年に出ています。私はKindle版で購入。
注目された旬の季節が過ぎても、枯れずに増補版や改訂版が出続ける、というのは「読み継がれる」ということとほぼ同義ですから、本当に羨ましい限り。
私は60を過ぎても、恩師の「ありとあらゆる」の境地まではほど遠いのですが、「書くために読む」という志は折れてはいません。
本日はこの辺で。
本日のBGM: 書きたい (Laura day romance)












