台風一過。
ボート競技(Rowing)の大学選手権(=インカレ)は、勝ち上がりのシステムが変わったので、水曜日から開催中で、本日は決勝。私は自宅からストリーミングで観戦(&応援)。
母校のG大からは男子のダブルスカル(M2X)が決勝に進出し第三位。
第52回全日本大学ローイング選手権大会 男子ダブルスカル
www.jara.or.jp
久しぶりのインカレ表彰台&メダルですね。
確かな技術が見て取れる漕ぎに加えて、スタートから勇気のあるレース展開で、当人たちは勝つつもりでレースに臨んでいたことが分かりますから、安易なおめでとうは言いませんが、選手、監督以下スタッフには「お疲れ様」と声をかけてあげたいです。
サポートしてくれたOBOGや、合宿などでお世話になった外部のコーチングスタッフにお礼申し上げます。
最も速い種目の男子エイト(8+)では、早稲田大が優勝。
準決勝、決勝とも素晴らしいレースだったと思います。
おめでとうございます。
この大会で引退する人も、来期に雪辱を誓う人もいることでしょう。
インカレが終われば戸田の各チームは打ち上げ、地方からの参戦チームは帰路の準備。
それぞれの秋の風を感じて下さい。
私の居住地ではそれほどの被害がなかったけれど、9月の台風は2019年のことを思い出すので個人的には本当に勘弁して欲しいです。
近年は、台風の接近よりも前に、線状降水帯での大雨被害が増えているので、秋の空にはいくら注意してもし過ぎではないですね。
今、「いくら…してもし過ぎではない」という表現を使いましたが、この日本語表現に対応する英語表現にはいくら注意してもし過ぎではない、ということを、私自身が高校2年生のときに学びました。
75. I cannot thank you too much.
1. I cannot thank you too much. (ご親切にしていただいてお礼のしようもありません)
2. I don’t know in what words to thank you. (お礼の申しようもありません)1. は cannot … too much (いかに…してもし過ぎることはない)を応用したつもりかもしれないが、1a. I cannot thank you enough. が正しい。 2は ‘very stilted’ である。
2a. I don’t know how to thank you.
と言えば十分である。すっきりして自然な英文を例文としてしめしたい。
これは、
- 河上道生 『英語参考書の誤りを正す』(大修館書店、1980年)
からの抜粋引用。
当時高校生の私がどう使ったかは既に過去ログに書いています。
さらには、上記の “cannot … enough” に関しても、次の記事で取り上げています。
河上氏はその後、同じ用例 1&2に関して、一部扱いに修正を加えています。
1. は cannot … too much (いかに…してもし過ぎることはない)を応用したのであろう。文法的には正しいが、too dramaticである。
1a. I cannot thank you enough.
と言うのがふつうだ。2.も文法的に正しいが、’very stilted’ である。
2a. I don’t know how to thank you (enough).
と言えば十分である。1.や2. を文法書や辞典にのせると、これらが日常会話のnormalな表現であるかのような印象をあたえるのでまずい。
- 『英語参考書の誤りとその原因をつく』(大修館書店、1991年)
河上氏も共著者として関わる次の本では、’cannot … too’ に関する注記も加わりましたた。
- Gareth Watkins、 河上道生、小林 功 『これでいいのか大学入試英語・下』(大修館書店、1997年)
資料365
cannot … too
受験英語では、cannot …too とあったら「どれほど〜してもしすぎることはない」という意味しかないように扱われるが、tooはveryの意味で用いられる場合が多い。つまり、cannot … too は「」
あまり〜できない」となることが多い。
例 I can’t play mahjohn too late tonight; I have an early train to catch tomorrow.
CGEL (§16.53から)
You can’t be too sure of his/him agreeing.
語法の変化って、天気・天候の変化みたいなもので、気にしている人、敏感な人は
- お、雨降ってきた?
って感じることができるけれど、そうでもない人は、人に言われるまで分からなかったり、人に言われた後でも「ええっ?そうかな〜?」などと反応してくれたりしますので、言い続けるしかないんですよ。
そんな語法に関連してツイッターから再録。
例によって、ツイッターで英語本を書影つきで詳解すると、そのツイートにだけ「いいね」が多数つくんですが、手放しで褒めているわけではないので、「前後の投稿もよく読んで下さいね」、とここでも強調しておきます。
私のTLでも何度か目にした本書を入手。
I. 英語の通説を疑う
II. 英語の変化に気づく
III. 英語をもっとよく知る
という構成は良い。普段から語法を気にしている指導者なら、それほど「目から鱗」ということはないと思う。
ただ典拠として挙げられる資料が必ずしも最新のものではないのが気になった。私のTLでも何度か目にした本書を入手。
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
I. 英語の通説を疑う
II. 英語の変化に気づく
III. 英語をもっとよく知る
という構成は良い。普段から語法を気にしている指導者なら、それほど「目から鱗」ということはないと思う。
ただ典拠として挙げられる資料が必ずしも最新のものではないのが気になった。 pic.twitter.com/IZOjxi1XEd
関連するツイートも再録。書影は面倒でも、ツイッターのリンクをクリックして下さい。
この辺りからリアルタイムで読んできて、そこでの参考文献も読むようにしてきた身からすると、新刊で扱う語法を177項目に絞るのは大変だっただろうとは思います。
この辺りからリアルタイムで読んできて、そこでの参考文献も読むようにしてきた身からすると、新刊で扱う語法を177項目に絞るのは大変だっただろうとは思います。 pic.twitter.com/IS7pDcWyvM
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
最近の英語本への最大の注文は「索引の充実」。
これはどちらかといえば編集側への要望。
見出しにあるキーワードは索引に入れないとすると、結局最初のページから「通読」せざるを得ないのが難点。
例えば、形容詞willing は、単独でもbeに続く形でも索引にない。これはどちらかといえば編集側への要望。
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
見出しにあるキーワードは索引に入れないとすると、結局最初のページから「通読」せざるを得ないのが難点。
例えば、形容詞willing は、単独でもbeに続く形でも索引にない。 https://t.co/OjV8banVt4 pic.twitter.com/qntWm49QxP
金子 稔 氏が関わった新書での索引との差に言及。
大昔(1972年)の新書版での索引の例。
構成は基本的に文法項目立てで、目次では細かいことはわからない。
文法・語法・表現で213項目を209ページを使って取り上げ、
索引は英語日本語混交で約15ページ分使っていた。大昔(1972年)の新書版での索引の例。
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
構成は基本的に文法項目立てで、目次では細かいことはわからない。
文法・語法・表現で213項目を209ページを使って取り上げ、
索引は英語日本語混交で約15ページ分使っていた。 https://t.co/X6PNBqWYY6 pic.twitter.com/sjaNj1DE7g
子上本(=上本 明 氏)本を引き合いに。
同時期(1972年)のハードカバーの概説書の例。
174項目を358ページで。
目次も構成もABC順の配列。索引は語句と事項と合わせて7ページ。同時期(1972年)のハードカバーの概説書の例。
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
174項目を358ページで。
目次も構成もABC順の配列。索引は語句と事項と合わせて7ページ。 https://t.co/jpZS6LvB3W pic.twitter.com/mNrVRiZzyC
新刊の柏野本の内容で、上述の「資料の新旧」に関して。
例えばGarner’s は、現行の第5版(2022年)でも、旧版の第4版(2016年)でもなく、その前の「米語法」の時代の初版(1998年)。
この第5版でも依拠しているのはGoogle BooksのNgram Viewerの2019年版でのデータなので、「語法変化」では現行最新のNgram viewer(2022年版)との比較が気になるところ。例えばGarner’s は、現行の第5版(2022年)でも、旧版の第4版(2016年)でもなく、その前の「米語法」の時代の初版(1998年)。
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
この第5版でも依拠しているのはGoogle BooksのNgram Viewerの2019年版でのデータなので、「語法変化」では現行最新のNgram viewer(2022年版)との比較が気になるところ。 https://t.co/ax63ClxF1D pic.twitter.com/ZvXyBgXmwk
OALDは第10版(2020年)が資料に上がっているが、COBUILD の辞書は最新の第10版が上がっていないし、COBUILDのEnglish Usageも、示されているのは2012年の第3版。個人的にはUsageの第4版(2019年)で取り上げた社会と言葉遣いの変化が、辞書(第10版)の記述に少なからず影響を与えたと思っている。
OALDは第10版(2020年)が資料に上がっているが、COBUILD の辞書は最新の第10版が上がっていないし、COBUILDのEnglish Usageも、示されているのは2012年の第3版。個人的にはUsageの第4版(2019年)で取り上げた社会と言葉遣いの変化が、辞書(第10版)の記述に少なからず影響を与えたと思っている。 https://t.co/2YGCapKs6k pic.twitter.com/JHu7VJ773g
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
「通説を疑う」の項目の資料として古い文献を上げるのは、それなりに効果があるだろう。
・こんな昔から指摘されているんですよ!
と言えるので。
左は資料であげられていたもの(1991年)
右は私自身が高2の時に買って読んでいたもの(1980年)
でも、その後の語法の揺り戻しがないとは言えないもの。「通説を疑う」の項目の資料として古い文献を上げるのは、それなりに効果があるだろう。
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
・こんな昔から指摘されているんですよ!
と言えるので。
左は資料であげられていたもの(1991年)
右は私自身が高2の時に買って読んでいたもの(1980年)
でも、その後の語法の揺り戻しがないとは言えないもの。 https://t.co/Eo1XJrSVyd pic.twitter.com/xGY7B71Mvs
辞書に戻るとMW’sの学習者用はアプリ辞書アリ。上級学習者版は第二版(2017年)も含め電子版、アプリ版ともナシ。ChambersはエポックなUniversal Learners’(1980年)の後継はなく、 写真3枚目のEssential (1998年;これはHarrap Essenial(1995年)の新装) がBNC準拠で用例豊富。アプリ辞書はなし。
辞書に戻るとMW’sの学習者用はアプリ辞書アリ。上級学習者版は第二版(2017年)も含め電子版、アプリ版ともナシ。ChambersはエポックなUniversal Learners’(1980年)の後継はなく、 写真3枚目のEssential (1998年;これはHarrap Essenial(1995年)の新装) がBNC準拠で用例豊富。アプリ辞書はなし。 https://t.co/ZeItWdFvhQ pic.twitter.com/KcTAN2H0PM
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
辞書は最新が最良、とは限らないので苦言。
Chambersはその後、Chambers Harrap International Corpusという5億語規模の独自の国際英語コーパス準拠、wordtrackという新語を精査する企画も盛り込んだ新シリーズを2009年に打ち出した。この新基軸は今も続いているようですが、語義語法の記述も用例の豊富さもアプリの機能も中途半端な印象でした。
Chambersはその後、Chambers Harrap International Corpusという5億語規模の独自の国際英語コーパス準拠、wordtrackという新語を精査する企画も盛り込んだ新シリーズを2009年に打ち出した。この新基軸は今も続いているようですが、語義語法の記述も用例の豊富さもアプリの機能も中途半端な印象でした。 https://t.co/BzyMgRi5j4 pic.twitter.com/XZl0RsQBZV
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
ツイッターでは書いていなかったことを追加。
柏野本の「凡例 (p.5)」で、オンラインコーパスに言及しています。
そのうちの、COCAはいいのですが、GloWbE (Global Web-Based English) の説明は間違いと言わざるを得ないでしょう。
- (?) 2010年から2019年までの20カ国以上のウェブサイトから集められたコーパスで、規模は19億語。
とあるのですが、コーパス構築のデータ収集は2012-2013の二カ年に跨がったものです。
コーパス規模の19億語は正しいのですが、対象は20カ国で、NOWコーパスと同じです。
詳しくは公式サイトの次の記述を確認して下さい。
www.english-corpora.org
The corpus of Global Web-based English (GloWbE; pronounced "globe") was created by Mark Davies, and it is unique in the way that it allows you to carry out comparisons between different varieties of English. GloWbE is related to other corpora from English-Corpora.org, which are the most widely used corpora of English and which offer unparalleled insight into variation in English.GloWbE contains about 1.9 billion words of text from twenty different countries. This makes it about 100 times as large as other corpora like the International Corpus of English, and it allows for many types of searches that would not be possible otherwise. In addition to this online interface, you can also download full-text data from the corpus.
Click on any of the links in the search form to the left for context-sensitive help. You might pay special attention to the comparisons between countries and virtual corpora, which allow you to create personalized collections of texts related to a particular area of interest. And you might want to check out the new expanded help files.
便宜上Kagi訳をそのままいじらずに。
Global Web-based English(GloWbE、発音は「グローブ」)のコーパスはマーク・デイヴィスによって作成されました。このコーパスは、異なる英語のバリエーション間で比較を行うことができる点で独特です。GloWbEはEnglish-Corpora.orgの他のコーパスと関連しており、これらは英語の中で最も広く使われているコーパスであり、英語の変異に関する比類なき洞察を提供します。
GloWbEには20か国から約19億語のテキストが含まれています。これはInternational Corpus of Englishなどの他のコーパスの約100倍の規模であり、他では不可能な多様な検索を可能にします。このオンラインインターフェースに加え、コーパスの全文データをダウンロードすることもできます。
左側の検索フォーム内のリンクをクリックすると、文脈に応じたヘルプが表示されます。特に国間比較や仮想コーパスに注目すると、特定の関心分野に関連するテキストの個別コレクションを作成できます。また、新しく拡充されたヘルプファイルもぜひご覧ください。
177ある個々の項目に関してはネタバレにもなりますのでここでは詳らかにはしませんが、次の投稿が偽らざる心境です。
「英語の変化に気づく」なら、今、一番いいのは拙ブログを読むことでしょうかね。
「英語の変化に気づく」なら、今、一番いいのは拙ブログを読むことでしょうかね。 https://t.co/uAqksj5W0d
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
「英語をもっとよく知る」なら、
・現実味のcould
の生息域を実例で確認。
t.co「英語をもっとよく知る」なら、
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
・現実味のcould
ほ生息域をhttps://t.co/cQbAiK55nV
実例で確認。
「英語をもっとよく知る」第二弾は
・asの前景後景
t.co「英語をもっとよく知る」第二弾は
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2025年9月6日
asの前景後景https://t.co/rjAhUYZQjP
辞書や教材、さらには「英語本」で、現代の英文法語法が反映されているかを「診る」際には、上記2項目を取り上げているか必ず確認していますが、それ以外に診ている項目に、
- 独立不定詞、文修飾副詞界隈
があります。
to be clear界隈だと、過去ログのこちら。
2024-07-26
To be absolutely clear, ....
tmrowing.hatenablog.com
let’s be clear界隈だとこちら。
2025-04-26
「謎をといてみせてよ」
tmrowing.hatenablog.com
この辺りの扱いはなかなか改善されていません。
隔靴掻痒の前に、まずは「痒いですよね?」って気づいてもらうまでが大変です。
さらに項目をあげるとすれば、
- have + 名詞 + -ing形
のイマドキの用法ですが、これに関しては、前回の記事で取り上げていますので。
あなたを生き生きとさせる新しい月の始まり
tmrowing.hatenablog.com
本日はこの辺で。
本日のBGM: bronze master (thee michelle gun elephant)
