以下の内容はhttps://tmrowing.hatenablog.com/entry/2025/08/09/183544より取得しました。


enthusiasts and those who are being unengaged

久々に英授研の全国大会に参加してきました。部分的ではありましたが、結果的に二日間両日に参加。間の懇親会にも出席。
もう退会して久しく、一般参加だけれども、来てよかった。
高校の授業研究の授業者は、神戸市立葺合高校の宮崎貴弘先生。
私が前回参加した大阪での全国大会での授業者も宮崎先生でした。
その時のレポートはこちら。

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葺合高校は私も若い頃からinspireされ続けている学校ですが、今は宮崎先生が支えているのだなぁと実感。
ビデオを見て、資料と見比べて、唯一気になったところは、懇親会で直接宮崎先生にお伝えしました。

私のお目当ての加藤京子先生の発表は沁みました。流行語になった感のある「エンゲージメント」ですが、

  • 生徒にはエンゲージしない権利もある

ということを英語教育の発表で聞くことは珍しいかと。加藤先生ならではの捉え方ですね。
(因に、この2日間の大会で、複数の発表者が紹介する、この場にいない方も含めてKato’s childrenとも呼べる方たちの活躍をも感じることができました。)
司会も務める和田玲先生とは十数年ぶりの再会。
和田先生の訳したエンゲージメントの本については、一年ほど前の過去ログで取り上げています。

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二日目はライティング系の発表で質問をいくつか。特に発表者は示さず列挙していきます。

名詞+前置詞+名詞のチャンクで、「崖の上のポニョ」と「ポニョの上の崖」は大違いだが、今回の研究では両者の区別なく数にカウントされるのか?

タスクが達成された、というときに多くの場合はテクスト(=ことば)でなされている。そのテクストで、こちらよりもこちらの方がより良いテクストだと気づく機会はどのように設けているのか?

ここでは私の疑問に答えていただいたのでOKです。

AIに投げる前に、アイデアジェネレーションの手法の明示的な指導は行っているか?いるとすればテクストタイプ別に手法を決めて行っているか?

これは私の訊き方も上手くなかったかもしれませんが、回答とはあまり噛み合っていなかった印象でした。

R&Wの技能統合のタスクは、タスクを達成しきれなかった場合に、なぜできなかったかで、Rの不備を明らかにする必要が出てくるが、その不備の部分はどのように確認しているのか?

次は質問というよりは自分の実践からのコメント。

要約では何を書いていいかよく分からない、という生徒への対応で、読解素材としての英文の「タイトル付け」とその「リーズニング」を、複数の生成AIに求めています。AIに投げて、その回答を比較精査し、本文のどこを読み取り、活かし、再構築してタイトルにしているかを考えることで、要約作成のヒントとすることが可能。

最後のシンポは良かったんじゃないでしょうか。
シンポジストは次のお三方

狩野晶子 (上智大学短期大学部)
工藤洋路 (東京外国語大学)
松下信之 (大阪府教育庁)

最初、

これからの英語教育のために「今」できること

という「お題」を見たときには、「来年のお題はどうするんだろう?」と心配になっていたのですが、司会の久保野雅史・英授研会長が1974年からの英語教育を振り返り「今」を浮かび上がらせるお膳立てがあったのは良かったと思います。
特に工藤洋路先生の指摘・問題提起は皆で考えてほしいと思いました。更には、全国学調の問題そのものの評価も重要。司会の久保野先生が、過去の問題との比較考察を見せたいとのことで投影した最初の画像がなんと奥様の(りえ様の)写真で会場に笑いが巻き起こっていました。

ディスカッションでは狩野先生の指摘したチャンクと発達段階に関して、工藤先生が拾ってACTFLEでの発達段階の記述を示していたので、私もチャンクでコメント。このコメントは、全体の議論の深まりに結構貢献できたのではないかと思っています。
松下先生は行政に移ってからも現場目線、学習者目線を忘れていないところが流石。

お盆前の平日にも関わらず、延べ500名近い参加者とのこと。
運営スタッフもお疲れ様でした。深謝。

都内とはいえ会場が東京の西の方だと、自宅からの往復は長旅になるので、流石に疲れました。

二日目の8月8日は

  • International Cat Day

とのことで、帰宅後に我が家の猫sを愛でておきました。

関連情報ということで、拙ツイート。

本日8月8日は
International Cat Day
なのだとか。
我が家の猫sも今はもうパンちゃんとマリちゃんだけになったけど、幸せに過ごしてほしい。
最近メディアで
cat enthusiast(s)
feline enthusiast(s)
という言い方を見聞きする機会が増えた。
COCAでは対応しきれていない。
NOWで少し拾える程度。



従来からある「猫愛好家」は “a cat lover” となるのでしょう。それとは違う何かを表したいからこそ、別の一語の名詞 “enthusiast” と結びついているのだと思われます。「猫の大ファン」「熱狂的猫好き」など適訳はどうなるでしょうか。 “fanatic” の持つネガティブな意味合いは排除できているでしょうか?

因に、enthusiastと結びつく他の名詞の代表例は次のような感じ。比較的近年で急激に増加している結びつきも見られます。

このNOW検索をしていて思い出したのが、四軒家忍先生のツイート。

(名詞)which ... なんかを書いた時には、多くの場合、その「名詞」に当たるspecificな語が存在することが多いですから、ちょっとだけ考えてみると良いです。in the area where the lake is located. だと、in the vicinity of the lakeとか。もっと言うと、相当のレベルの受験生でもa person who teaches English at schoolとか書きます。an English teacherでよいですね。 #TOEFL

長いのがいいのではなくて、スッキリ書く。長くなるのは「語彙が不足していたから」ではなくて「正確に表したかったから」となるように。(ただ、Speakingではそんなことを言っていられません。でもいつも上のような意識をしていると、Speakingのレベルでさえ、スッキリ表せることも多くなりますね。)

私の反応は以下の連ツイで。

高校段階でも、関係詞節の効能・有り難味を伝授するのは大変。形容詞「節」で(助)動詞、つまり時制・相・態と心的態度を盛り込め、また別の主語を立てて主題の展開に「山谷」を作れるという利点が、他の後置修飾(前置詞、不定詞、分詞)との相違点。逆にその「山谷」を意図しない場合には不要で要再考。

しけんや先生の示してくれた「湖」の例で言えば、「ダム建設で出来た人造湖」の影響を語る文脈とか、歴史的な観測で「彷徨える湖」の現在地とかに注目させたいなら関係詞は便利。「先生」の例も同様。教師今昔物語、教職のブラックさを時系列で語る等の文脈では現在時制に意味を持たせることは可能。

これに対する四軒家先生の反応がこちら。

English teacherみたいなことばでも、関係詞を習った後に書けるか、となると全然笑えないですね。習ったから使う、というのは簡単ですが、実は習ったというのは、使わない選択もできる、ということなのでしょうね。

そして私のツイ。

ちょっと関連するかな、という拙ツイート。
発達段階と日常でのその語の生息域を考えるヒントくらいにはなるのでは?


  • pediatricianは小児科医。書き言葉では children’s doctorは低頻度。
  • dentistは歯科医。日本語で歯医者(さん)という言い方も日常語。
  • vetはveterinarian(獣医師;獣医さん)の頭の3文字をとって生まれた語。animal doctorは低頻度。
  • ophthalmologist は眼科医。日本語で目医者(さん)というのは世代差があるでしょうか。
  • eye doctor はophthalmologistの日常語だけれど、書き言葉では低頻度。

流石は四軒家先生、私がこのグラフを貼り付けた狙いを見通されていました。

これ面白いですね。veterinarianはラッキーなことにvetというのがあるから、このvetが 説明調の animal doctorよりも簡単なんですね。vetを先に子供が知ると、そのまま行っちゃいますね。逆にophthalmologistは不運なことに、短縮語ができなかったから、animal doctorに当たるeye doctorになったのでしょうね。dentistは、わざわざtooth doctorと言わなくてもいい、ちょうどいい語ですかね。英語学習ではanimal doctorがわかりやすいかもしれませんが、最初から vetを導入しても良さそうですね。

私の蛇足。

Ngram Viewerは5語までしか対応していないので、一部だけざっくりと。


“ENT” は “ear, nose and throat” に対応。
「耳鼻咽喉科医」って日本語でもそんなに高頻度では使われないけど、使うとなったら必要な語ですよね。
日本語母語話者でも、「眼科医」とどちらが高頻度か?っていきなり訊かれての即答は難しい。
英語の実態は英語ならではの要因も絡んできます。
語義と発達段階と生息域を考える好材料かと。

四軒家先生が仰った、

  • 長くなるのは「語彙が不足していたから」ではなくて「正確に表したかったから」となるように。

をあらためて噛みしめています。

英授研の振り返りで加藤京子先生のお話に言及しましたが、拙ブログの過去ログでは、こんな記事があり、ツイッターで紹介していました。

加藤京子先生ご本人については、とても140字では語り尽くせません。知ってしまったら知らなかった以前の自分には戻れないので。
もう15年近く前の話しですが、私が当時主催していた「山口県英語教育フォーラム」でのエピソードがこちら。

この過去ログで引いた加藤実践の「関係代名詞」の指導が中学校段階のものである、ということを踏まえて、今一度読み直してほしいです。

そして入門期からの3年で「英語の秘密」に気づかせてあげることのできる英語教師が50年近く現役を続け、今、高校段階の学習者の指導をしていることの意味を、高校段階をずっと指導してきた私としては反芻し、内省したいと思っています。
加藤先生自身、神格化などは望んでおられないと思いますので。

本日はこの辺で。

本日のBGM: lovesick (Laufey)

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