以下の内容はhttps://tmrowing.hatenablog.com/entry/2025/05/21/221430より取得しました。


「仮面」の告白

ツイッターのタイムラインに、英語の授業での「自己開示」を巡るあれやこれやの声が流れていました。(そもそもの発端は、某『英語教育』雑誌の連載での奥住桂先生の記事らしいです。)

私の視座は、教員になりたての頃から「それほど」変わってはいません。
ツイッターではこんな投稿をしておきました。

英語教育関係のTLで「自己開示」の話題が流れているけど、英語教育というものが「自己表現」みたいなものにより高い価値を見出しがちなところが問題なのでは? 天満美智子氏の言葉を引いておきましょう。
『子どもが英語につまずくとき』(研究社、1982年) 過去ログ参照。
tmrowing.hatenablog.com

この過去ログからもうすぐ20年ですからね。
なーにやってんだか…。

「よりよい自己」 vs. 「よりよい表現」
tmrowing.hatenablog.com

そのちょっと前にはこんな記事を書いていました。

『発信』はなぜ強調されるのだろうか?

tmrowing.hatenablog.com

源流はここかな。 2005年の2月ですから、もう東京の私学で非常勤やってた頃ですね。

現代「自己表現」批判
tmrowing.hatenablog.com

本当に、「なーにやってんだか!」って言いたい気持ちですけど、その後にこのツイートをしていました。こちらも本音です。

そこから反す刀で、こちら。
engagement
とか
well-being
とか、イマドキの英語教育って大変ですね。

「初恋の味」
tmrowing.hatenablog.com

冒頭で

  • 私の視座は「それほど」変わっていません。

とかっこ付きで述べましたが、一つだけですが、大きな変化と言えるのが、

  • 授業で英語の歌を使わないことにした。

というものがあります。
かつては年間で20曲近くを使っていて、授業の大きな柱にもなっていた「今月の歌」実践ですが、ある年から封印しています。
文字通り「封印」。
私が以前授業で使ったある曲がきっかけだったのですが、「自己開示」の問題と、大きく関係しているな、と今にして思いますね。
恐らく、今後も私の授業で英語の曲を教材として使うことはないだろうと思います。

さて、先日の「チャンク」関連セミナーのフィードバックが新たに寄せられました。
匿名でお1人を紹介。

今回のセミナーには「チャンクで積み上げ英作文Standard」を今年度より新たに採用させていただき、指導していく中で生じた疑問を解消する目的で参加させていただきました。「解答・解説編」の記述の節々に感じ取られる断片的な意図が、松井先生のお話の中で繋がっていく感覚を得ました。実を言うと、採用に関しては、「文法を整理してほしい」という学年団からの依頼に(一見明示的には)的確に応えられていない(と誤解されている)教材なので、同僚からも訝しがられていました。そんな中、随所に文法・語法の知識が埋め込まれていること、そしてそれらの意図をも今回のセミナーで確認できました。何とか点いたこの火を絶やさずに次学年にも継承できるように横並びにも今回のセミナーの知見を共有していきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

匿名での開示ですが(だからこその?)、正直な感想だと思います。
私が出講している高校でも、この方の同僚と同じで

  • 「文法を整理してほしい」

という声の方に耳を貸して、採択に至らないという状況は目のあたりにしています。
前回のブログ記事で書いたこととも重なりますが

「体系的に文法を学ぶ必要がある」と謳って、高校の1年から3年までずっと授業の一部で「文法」の問題集をやっているような「シラバス」の学校こそ、思い切って『チャンクで積み上げ英作文』に取組んで欲しいと思っています。『チャンクで積み上げ英作文』は網羅的ではありませんが、この教材のBasic 編とStandard編の2冊だけでも、高校段階でカバーすべき伝統的な英文法の項目の多くを取り扱っているので、この教材の一つ一つのチャンク、そしてその構成と配列で、「文(=センテンス)未満の文法の単位」がどのような類型をとるのか、そしてそれらがどう積み上がっていくのか、という部分を理解してもらえたら、と思います。

もうお1人は、私の「文字指導/handwriting指導法」セミナーをこれまでにも受講してくれている、山下桂世子先生。英語を教えている方なら、ジョリー・フォニックスの指導者としてもお馴染ですね。

先生のセミナーに参加するといつも感じるのが、先生が言葉を大変大切に扱っていらっしゃるということです。
私は文法を指導するときに子どもにわかりやすい単語を使って指導していたと思っていましたが、その文・単語がどのような状況であるのか、そこから何を学ばせたいのか、丁寧にみていく必要があると感じました。そして、私の英語の知識のなさに愕然としました。語彙が少ないということだけでなく、文法も理解していないということを実感し、ショックを覚えています。ここから、自分の英語学習をスタートさせなければと思っています。先生の学ばれる姿を見習って、自分もまた子どもたちのためにがんばろうと思います。
さて、四角化ドリルは本当に勉強になりました。
自分自身、一文字→単語→長い単語 という順番で子どもたちに読みを指導していますが、このあと、文に行く前にチャンクが必要だということを実感しているのがここ数年です。
今回は高校生対象のチャンクでしたが、ここに結び付けるために、これをしていけばいいんだ、ということがなんとなくみえてきました。それを具体化するにはもう少し自分の中で勉強が必要になります。早速、名詞句の限定表現 前半・後半 を購入させていただきましたので、じっくりと勉強していきます。
あの先生のご著書が学校だけでなく、一般書籍として手に入ったら・・と思います。

ありがとうございます。
一般書籍化、是非実現したいですね。

「史上最強のコロケーション」でよく知られたアカウントで、私は「コロケ先生」と呼んでいる方のツイートにこんな「チャンク」が流れてきました。

透明自由関係代名詞what
☞ what節の末尾に位置する「名詞句」(画像内の例では the best interest や hours)を中心に解釈すると上手くいきます。
「事実」ではなく「個人(or第3者)の意見」や「体感」を明示するために what we believe is や what seemed like を使用!

ちょうど、私のチャンク関連セミナーで取り上げたチャンクが、この「透明自由関係代名詞 what」に該当するものだったので、こんなツイートをしていました。

そんな名前がついてたんですね。
私は「仮のラベルを貼るwhat」と読んでいました。
先日のチャンクセミナーのスライドから抜粋。
拙著だとStandard編(緑本)で取り上げています。


詳しくはStandard編の「ドリル24」を見て欲しいのですが、コロケ先生の言う「透明」のwhatの他に、少数ですが、「透明ではない」whatも収録されていて、教材を作っていた私自身、若干の「違和感」を持っていたのですが、コロケ先生のツイートのおかげで、その自分で書いた台本に、演出上の注意書きのような補足が書き込めた気がしています。ありがとうございました。

以下、ドリル24から抜粋。

1. 悲劇にも似た状況で in what looks like a tragedy
2. 一瞬とも思えた短い経過時間で in what seemed like an instant
3. 今はカナダとして知られている地域で in what is now known as Canada
4. 今日我々が月食と呼んでいる現象で in what we call a lunar eclipse
5. 後に歴史的となるスピーチで in what would be a historic speech
9. 思春期といわれる年ごろに during what is thought to be the awkward age
11. 致命的となる過失と引き換えに for what would turn out to be a fatal mistake

このような「透明」のwhat方は、「核になる名詞」がある「仮の名札」パターンです。
それに対して、少々異質に映る14、15のチャンクは「ピタッとくる名詞がない」または「その名詞の直言を避ける」際に作る便宜上の名詞チャンクの「名札」パターンと言えるでしょうか。

14. ここ数日彼がしてくれたことのおかげで
thanks to what he has done for me in the last few days
15. 彼の無実を証明すると彼らが思うものによれば
according to what they believe would prove his innocence

ここでの 14.で “thanks to his favors to me” では、時系列での有り難みは表し切れないので、もどかしさが残るでしょうし、15.では、 “according to conclusive evidence of his innocence” では「直言」「断言」し過ぎになる、という思いがあるでしょう。

たかがチャンク、されどチャンク、ってか?
本日はこの辺で。

本日のBGM: 感情線 (UEBO)

open.spotify.com




以上の内容はhttps://tmrowing.hatenablog.com/entry/2025/05/21/221430より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14