辛過ぎる訃報が届きました。
- 中山美穂逝去。54歳。
現時点で死因など詳細は明らかになっていないので、多くは語りません。
一般にはアイドルの括りで語られるのだろうとは思いますが、まさに「スター」だったと思います。
合掌。
さて、
私のブログの今年のエントリーでは「気になる語法」を不定期ではありますが、継続的に書いています。冗談抜きで、私もいつ死ぬか分かりませんから
- 「ああ、あれ書いとけば良かった…」
と後悔しないように、普段から気になっていて解決していなかったものとか、以前気になっていたけど忘れていて思い出したものとか、できる限りこまめに書くように心がけています。
おかげさまで、今年のエントリーは、現時点で(このエントリーを除き)、92本。過去5年間の合計73本を越え、2013年の103本に迫る数になっています。
「気になる語法」の直近の4、5ヶ月の記事だけでも、つぎのような語(句)、表現、文法項目を取りあげています。
英語教育系の雑誌などではあまり言及されないものが多いかもしれませんが、私の興味関心の在りかを感じてもらえるリストにはなっているでしょう。
現場の英語のスピーキング指導・評価では「発音」に関して、所謂「英語ネイティブ」を規範・基準とすることから、随分と自由になりつつある一方で、テストやコンテストでは相変わらず…。
これが語彙や構文、文体も含めた「英語表現」という観点になると、「英語らしさ」の基準が、いまだに「英語ネイティブが言うか言わないか」に縛られている、という印象です。
大規模なオンラインコーパスから得られる知見に関しても、US/CA/GB/IE/AU/NZなど、私が「6大メジャー」と呼ぶ地域のデータが基準となり、規範と見做されていることが多いでしょう。
私が高校生の指導をする時に一番使っているオンラインコーパスは、COCA系の中でも、
- NOWコーパス
と
- GLOWBEコーパス
です。
この2つは、均衡コーパスではありませんが、世界の20エリアの英語使用実態を把握するのに、有益な情報が引き出せます。GLOWBEは2012/2013年のデータで、今では少々古いといわれますが、NOWは2010年から、前日までのデータが反映されているので、「ニュース英語」という狭い世界ではあっても、「イマココ」の英語を捉まえるためには欠かせない資料です。
Google BooksのNgram Viewerも2022年のデータに更新され、英米以外のデータがかなり増えたように感じています。
紙の辞書であれ、電子辞書であれ、アプリ辞書であれ、製品としてパッケージ化された辞書では、最新のものであっても、数年遅れでのデータ更新にならざるを得ませんから、単に「現象の記述」をするだけではなく、オンラインコーパスのデータをただ示すだけではない、「深さ」など、別の価値観の軸を求めることになるでしょう。
一方で、前回、前々回のこの拙ブログの記事で引用している
- Cambridgeのオンライン辞書
- MW'sのオンライン辞書
は紙の辞書やアプリ辞書ではまだ収録されていない現代英語の語義や用法を知り、把握する上で極めて有益、有効です。
- 「最近の学生・生徒はスマホで済ませて辞書を引かない。」
などと批判する指導者や研究者も見聞きしますが、彼らも本当は、スマホを使ってこういうオンライン辞書にアクセスしているのかも知れませんから、一概にスマホ利用を咎めるのは筋違いです。
いつもの話しですが、
- Whatever works.
です。
「英語ネイティブ規範」の話しに戻すと、私が「気になる語法」を書き続けている、その根底には「その英語ネイティブの規範そのものが変わりつつあるのでは?」という思いがあります。
単に流行というだけではない、概念の言語化、類推からの転用や用法の拡大など、もはやnative-intuitionだから、新たな語法用法として許されるという、英語ネイティブ側の容認度の拡大、というのではなく、「ネイティブ・ノンネイティブに関係なく、英語という言葉を使っていると、こうなってもおかしくないよね」という足場の拡がりの方を感じる機会が増えたように思うのです。
先ほどのリストの中でも、私にとっての驚きが特に大きかった、
- 変化する主体が主語のseeとshow
- 要素が主語にきて結実するplay into
- 人が主語に来る共鳴共感のresonate with
などでは、英語ということばの体幹の強さをあらためて感じました。
「ネイティブ規範」を追いかけるのではなく、言葉の可能性を信じて、ただただその言葉を生きるのが良いかと。
そんなことを、更に掘り下げ、関連事項とも結びつけて、お話しして、参加者の皆さんと情報共有、意見交換をするセミナーが、
12月28日
passmarket.yahoo.co.jp1月12日
passmarket.yahoo.co.jp
で開催されます。どちらも同じ内容です。
英語表現に興味関心ある方は十分楽しんでもらえると思いますので、このブログの過去ログで予習をしておいて下さい。
年始のセミナーで1月4日には、
を開催します。
こちらは、次のような内容です。
①では、私の数年来の日課である、「英語ニュース140字引用RT紹介&詳解」の実演が主です。
たとえば、ツイッター (現X) の検索窓で
- asの前景後景
と
- tmrowing
とを入れてもらうか、次のアドレスをクリックしてもらうと、「as の前景後景」という括りで、これまでに私がした投稿がズラッと出てきます。
一例を挙げると次のようなものです。
#asの前景後景
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2024年9月14日
後景のas節はmakeで現在形で舞台設定の説明。
前景の主節は伝達文でthatのないthat節中でthey have seen a dramatic spike in ridershipと急増の表現の部分に焦点が当てられることになる。出来事や事件、変化が生じる、出現するとそれは目に見えるようになるので動詞はsee。時制も確認。 https://t.co/sDOYoJEMke
一連の投稿を眺めることで、asの前景後景のパースが整ってくることでしょう。
また、
- 現実味のcould
と
- tmrowing
での検索でも、同様に、私の英語ニュース引用RTの投稿が出てきます。
例えば、次のようなもの。
#現実味のcould
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2024年10月14日
助動詞mayとcouldの使い分けの参考に。
mayはmay notと表裏一体で「そうかもしれないしそうじゃないかもしれない」可能性が基本。
couldは「頭の中のことが体に降りてくる現実味のある可能性」。
統廃合は現実味があり、転校せざるを得ない生徒が転校先を知るのはその後なので不確定。 https://t.co/IGYX0kAfds
このような投稿の作成に関連して、登録している英語メディア&ジャーナリストの合計200アカウントのセレクション、文字数制限の中での情報の取捨選択や言語化での工夫、着眼点など、舞台裏開陳です。
他では見られない、聞けない話も多いと思いますので、この機会に是非。
本日はこの辺で。
本日のBGM: You’re my only shining star (角松敏生 @30th anniversary liveより)

