少し難しいプロジェクトを提案された。
無理だろうな、心の中で思うが、部長から言われたのは一言。
覚悟を決めろ。
覚悟を決めろと言われたら断り方が分からない。理由をつけて断ると軟弱なやつと思われるのも癪である。
あまり何も考えずに、
はい、分かりました。
と返事をする。
そうして言わば袋小路のような逃げ場のない場所に追いやられてプロジェクトを起案した。
が、人手不足で起案したプロジェクト。
予想通りに全然進まないのである。
僕はリーダーだけど、プレーヤーとしても動か必要があり、あっちもこっちもで、頭が追いつかない。
泣き言と言い訳ばかりが!ニコニコ動画のコメントのように頭に浮かんでいく。
元気な時はいいが、体力ゲージが少ないときには心が折れそうになる。
格闘ゲームだったら起死回生の必殺技が出せるが現実世界ではただただ時間は流れるだけである。
そんなダメダメな状況では報告内容もイケていない。当然、報告する態度も覇気がなくなっていく。
そんな状況に、喝が入る。
覚悟が足りないのではないか。
いやいや、めっちゃ、歯を食いしばってサービス残業で頑張ってるんですけどね。
そんなことを口に出せるはずもなく、仕方がなく、改めて言われた、覚悟について考えてみた。
覚悟。
プロジェクト起案前にも、確かに言われた覚悟。
覚悟を決めろ。
自分自身でも覚悟が足りなかったなあ、と思う。
なんとかなるか、で進めてしまったがなんとかならんかった今の状況。
頭の中では、光速でぴゅーんとすすむ作業も実際やってみるとなかなか大変。
MPと名付けた休日返上での仕事も、今やMPが足りなくなっている。
魔法は使えず、まじで監獄か。
そんな朦朧とする意識の中、そもそも、覚悟ってどーすれば十分になるのだろう。
僕は基本、受け応えが結構適当なので方法を知らなかった。
ありゃりゃ、そりゃ覚悟が足りないわけだ。
さて、まずは覚悟を改めて辞書で調べる。
大きく意味は二つあり、
一つは、危険なこと、不利なこと、困難なことを予想して、それを受けとめる心構えをすること。二つ目は、迷いを脱し、真理を悟ることのようだ。
二つ目の意味は、除外していいだろう。
流石に、迷いを脱して、真理を悟れと部長から言われたわけではないだろう。
そんなメーカー、寒気がする。
覚悟は一つ目の意味だ。
困難なことを予想して、それを受け止める心構え。つまり、僕は困難なことの予想が少なすぎたというわけだ。
反省。
覚悟するとは、具体的にいうならば、想定シミュレーションをしてこうなった場合はどうする、ということを沢山書き出しておくことに他ならない。
考えられるトラブルは書き出しておいて、事前に潰せるものは潰して、自分では潰すことができない運次第の箇所が発生したときにどうやって対処するかを、満点の回答ではないにしろ、準備しておくことに他ならない。
つまり覚悟しろ、と言われたのは、ちゃんと準備してね、という部長からのアドバイスだったのだ。
決して、言質をとられ追い込まれてパワハラを受けたわけでもない、はずだ。
覚悟の仕方が具体的な分かったので、覚悟を改めてしだしているか、言語化すればするほど、挫けそうになる心はどうしたらいいのだろう。