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#24【姫セン】まーわるーまーわるーよ copter はまわるー

 

死んだ魚のような目 である。

 

6月初旬、息子が誕生日を迎えたので、娘も合わせて3人で姫路セントラルパークに行った。

10時の開場とともに、まず子どもたちが向かったのは「スカイヘリ」というヘリコプターがぐるぐる回りながら上下するアトラクション。そう、遊園地でよく目にするアレだ。このスカイヘリは円広志のためのアトラクションと言っても過言ではない。全国民が一生涯で発する「とんで」というフレーズをすべて掻き集めても、円広志には到底及ばないだろう。Mr.とんでとんで。ちなみにマイケル・シェンカーより年上である。「Flying」つながりという意味では、円広志もまた ”神” の1人なのだろう。知らんけど。

スカイヘリ担当の若い女性スタッフが、並んでいる子どもたちを誘導するのだが、まさに ”死んだ魚のような目” をした猫娘そのものだった。ゲゲゲの鬼太郎2期の猫娘にソックリすぎて、モデルになった人じゃないかと疑うレベルである。ちゃんと魚を食べよう。もしくは辞めよう。この仕事には向いていない。

入社した当初は夢と希望に満ち溢れていた、のかもしれない。しかし現実社会に蔓延るありとあらゆる理不尽。上司からの理不尽な対応。客からの理不尽な要求。そんな数多の ”理不尽” を経験し現在に至ったのかどうかはさておき、「無」になってしまった猫娘。私がねずみ男なら確実にヤられていた。そんな猫娘をよそに、子どもたちは楽しそうである。

そして本日の主役である息子がジェットコースターに乗りたいと言った。姫センには5種類のジェットコースターがあり、私たちはその内の一つ「GO!GO!ジェット」に乗ることにした。ひろみや森田、全国津々浦々の ”ごう” のためのアトラクションである。ただし綾野、テメーはダメだ。さくちゃんを一人占めしやがって。みんなのアイドルさくちゃんを。ところでさくちゃんって誰?そんなよくわからないさくちゃんより私はよっちゃんが好きだ。さくちゃんよりおいしい。よっちゃんなら一人占めしてみたい。駄菓子屋ごと大人買いしてみたい。理不尽である。

話は戻り、この「GO!GO!ジェット」担当の生きた魚のような目をした女性スタッフが

「それじゃーみんなー、ゴーゴージェットー!の掛け声で出発するよー!みんなも大きな声で言ってねー!行っくよー!せーの、GO!GO!ジェットー!!!!(ニッコニコ)」

である。なんだこの違いは。同じテーマパークとはおもえないほどの違いである。もしあの猫娘がこのアトラクションの担当だったら、こうはいかない。

 

「それじゃ、みんな……、ごーごーじぇっとの掛け声で出発するよ……。みんなも大きな声で言ってね…。てか言えよ。逝っくよぉ。せぇの、郷、剛、へーぶん……。(無)」

HITOEさんちっす!

違う意味で悲鳴があがる。綾野。コレには乗ってよし。

 

 

ガッタン…ガッタン…ガッタン…ガッタン…

ゆっくりと地上28メートルまで上がって行く。

右後ろに座る息子を見ると、50歳ぐらい老けていた。

「大丈夫か?」と声を掛けると「だ……だいじょぶ」とは言っていたが、大丈夫ではなさそうだ。しかし動きだした以上、もうどうすることもできない。賽は振られたのだ。

ガッタン…ガッタン…ガッ…タン…ガッ……タン……ガッ……………

頂点に達した。

タン……タン……タン…タン…タンタンタンタンタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ(ホクトヒャクレツケン)ゴオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォ………

 

周りから多種多様な絶叫が聞こえ、ふと右後ろの息子らしき人に目をやると、人生初の告白をして見事に振られたときぐらいの項垂れっぷりである。もし付き合ったらあんな所行ってーこんなん食べてーと夜な夜な勝手な妄想を膨らましていたが「ごめんなさい」の一言でそれがすべて夢に終わったときの絶望感を体現していた。それとは対照的に隣りのじゃじゃ馬娘はめちゃくちゃ楽しんでいる。まさに天国と地獄。運動会である。

ジェットコースターが終わり、ご満悦な娘と顔面蒼白の息子。「また乗りたい」とウッキウキの娘。数分前とは打って変わって「もうイヤや」と息子。せっかくの誕生日にジェットコースターのトラウマができてしまい、親としては何とも言えない気持ちである。

 

気分を取り直してジェットコースター以外のアトラクションを幾つか楽しみ、午後からのサファリパークのバスチケットを購入し昼食を済ます。

バス出発の時間となり、いざサファリパークへ。

まず「猛獣ゾーン」ではチーター、ライオン、トラの各セクションを廻っていく。

まだ6月とはいえ、晴天で気温が30度近くになる夏日。

チーターもライオンもトラも猫より動きがない。

日曜の朝から家でゴロゴロしながらテレビでゴルフを観ているオヤジそのものである。期待通りの動きが見れるとおもったら大間違いやぞ感がひしひしと伝わってくる。当然と言えば当然だ。生まれた時から住処は大自然ではなく動物園やサファリパークなのだから。狩りをする必要もない。ここに居るのは ”サバンナの王” という肩書きだけのライオンである。

ちなみにバスにも種類があり私たちが乗ったのはその辺を走っている見慣れたバスだ。それとは別に檻状になったバスもあり、人間が檻の中に入りエサやり体験ができるものもある。こちらは当然ながらエサ目当てで動物たちがバスに寄ってくるので、さながら日曜大工をやっちゃうようなアクティブなオヤジだろうか。

動物たちも通過するバスの種類でスイッチの切り替わりがあるのだろう。そのへんは人間とよく似ている。美人の前で軒並み張り切るオヤジそのものである。

 

猛獣ゾーンや草食動物ゾーンなどバスで廻り、たまにサービス精神旺盛な動物がバスの前を高速で横切ったりを見物してサファリパークを満喫したのである。

夕方まで遊びまわりヘトヘトになりながらも、いい思い出づくりになったんじゃないかと子どもたちの笑顔がそう語っているようにおもえた。

 

猛獣文打。もう十分だ。結論、中島みゆきどこやねん。である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

ついでに「高所恐怖症」であることが判明した息子。これからの人生において立ちはだかるであろう高い壁を乗り越えていけるかどうか心配である。

ファイト! by 中島みゆき

 

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