「おい!! こんな面白くていいのか!?」
と言い続け約10時間。いつの間にかクリアしてしまった2人協力プレイ専用のアクションゲーム『スプリットフィクション』。
前作『It takes two』でとてつもない欠点だった外道ストーリーを王道方面にギュッと修正し、“とてつもなくリッチ”な体験の数々で彩った、文句なしの神ゲーでした。

早速脱線しますが、自分が最も納得のいかない事があります。『It takes two』が「The Game Awards 2021」(著名なゲームアワード)のGOTYに選ばれたことです。
どう考えても2021年は『Phoenotopia』の年だったろという怒りは置いといて、受賞後すぐにプレイしたのですが……いや、面白かったんですよ。アクションや演出は面白いんだけど、それを塗りつぶすほどにストーリーが醜悪で、これでGOTYなんだ……とゲームにも、選出したアワードにもドン引きました。
しかし今作はそんな人間のクズすぎるストーリーをかなり我慢し(ちょっとだけある)、作家の卵である女性2人にフォーカスした共感しやすい友情の物語になっており、心の底から楽しむことができました。
つまらないところが一瞬たりとも無いゲーム
素晴らしいアイデアや、2人協力ゲームならではのギミック、水の中や空の上などコロコロと変わる景色、そのほとんどが10分ほどで使い捨てられ、「すげえ凝って作ってあったのに!」という贅沢さを常に感じるゲームでした。『Ori2』に近い、いやそれ以上かもしれない贅沢さに頭がクラクラします。

SF小説家のミオと、ファンタジー小説家のゾーイ。脳内を出版社に勝手に覗かれてしまうのを回避すべく、2人の脳内世界を行き来することになる今作。
SF、ファンタジーのどちらにもアイデアがぎっしりと詰め込まれており、近未来の車を奪うカーチェイスや宇宙戦争、妖精やゴリラ、変な魚に変身……などなど、初見で驚いてほしいのでこのくらいにしますが、息つく暇が無いほど頻繁な場面転換により、退屈できる瞬間がありません。

特に、ゲーマーなら思わず笑ってしまう小ネタも多数仕込まれており、

パートナーと「これはあのゲームの小ネタじゃない?」と談笑しながら寄り道するのも楽しい時間でした。
とにかくグラフィックやフィールドに手間暇が込められているので、主人公二人の会話は感情や感想などのパーソナルなものが多く、場面の説明や物語、パズルのギミックなどは「見りゃわかんだろ」と漫画・映画的に表現されていくのが素晴らしかったです。マンパワーと金の力をプレイヤーの楽しさに直結させているいいゲームだなと思いました。

1人が購入すると、誘われた1人はタダで遊べるというフレンドパス形式とはいえ、定価は6900円となかなかな高級なゲームではあります。
しかし本当に夢のような、子どもの頃初めて行ったディズニーランドのような感動は、このゲームならではのもの。値段分以上の体験は間違いなくできるので、仲の良い(できればアクションゲームのスキルが同程度の)パートナーを誘って、この夢のような体験を楽しんでほしいと思います。二人で割ったら3500円くらいだし……安い!!!
現状、2025年の個人的GOTY候補でした。長々と書いてしまいましたが、「めちゃくちゃ楽しかった」の一言で済ますべき作品かもしれません。
