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世界はある、でも救いはない。『閃光のハサウェイ』雑感というかうだうだ。

【チラシ付映画パンフレット】 『機動戦士ガン.ダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女(通常版)』 出演(声):小野賢章.上田麗奈.諏訪部順一

はじめに

  • 映画『閃光のハサウェイ』について。鑑賞直後の感想をいったん書いてみました。
  • それなのに、性懲りもなく雑感をうだうだとこねくり回したのが今回の記事です。
  • 映像に酔いながらも、やっぱりしんどい……という揺らぎながらのログ出力になります。
  • 映画見てからこっち、ガンダムのことばかり書いている……自重しようと思いながら、つい。

ホテルはある、モビルスーツもある、世界はある

  • 劇場版の新訳Zガンダム見た時に、旧版とのチャンポンではなく全編新規作画だったら……というのは多くの人が考えた夢想と思います。
    • U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 劇場版 機動戦士Ζガンダム
  • ハサウェイはそれが叶った作品という感もあります。キャラクター作画、同じく恩田尚之さんですし。ガンダム、ロボットもの、というワクを超えて日本アニメという映像表現のひとつの極みではないか、とすら思います。
  • 原典である富野監督の作風って基本的に次々に場所を切り替えてゆく、串団子方式の作りと思います。今回のハサウェイはそのような旅映画感ありつつ、ちゃんと場所がある、密室映画の作りも兼ねている。飛行機はある、ホテルはある、土産屋もある、船もある、モビルスーツはある、ギギもいる、肉欲はある、という実在感が凄いんですね。

空戦・フライトシミュレーターのような没入感あり

  • 一作目の話になりますが、細かいけれど、好きな表現あって。ハサウェイとレーンが対峙する場面です。
    • 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ [レンタル落ち]
  • 部下が人質に取られていることを知り、ハサウェイが相手を「情けない奴なのだな」と言い放つ。対してレーンは「返す!」と吠えて人質解放して上昇する。ハサウェイは「誘いか?」と疑う。しかしレーンは、機体を振り左右に横移動して味方の射撃を邪魔する。それを見て「潔い男!」と独語する。
  • この「横移動」が、ハサウェイが見るディスプレイの奥の方で小さく行われているんですよね。映像が暗いこともあり、目凝らさないと分からないレベル。
  • こういう手法、賛否あるとは思います。意図的に分かりづらくしてるだけですやん、という意見もあって当然ですし。しかし観客を信頼して投げかけて来ているとも言えます。それを読み解く快楽もありますよね。
  • これ原作の小説を確認すると、レーンは「やめろっ!今は、攻撃するな」と指示を出している。アニメ版はそれを敢えて切っている。このギリギリの映像作品としての難易度、攻めた面白さとも思います。
    • 小説 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上) 新装版 (角川コミックス・エース)
  • このシーン含め、コックピットからの視界はちょっとFPS的と言うか、空戦・フライトシミュレーターのような没入感があります。
  • 同時に、単なるモノマニアックな描写というだけでなく、レーンの若さ、生真面目さ、それを戦場で見抜くハサウェイの感応性といった人物表現にもなっていると思います。

一方でお話のしんどさに逃げ出したくなる

  • でも映像的な快楽とは別に、TV版Zガンダム(特に後半)並にしんどいお話じゃないですかー!ううう、という呻吟もあり。少しずつ、おかしくなってゆくハサウェイにカミーユが重なる印象もありますよね。ハサウェイってあれでしょ、性欲で暴走するカツの後継者やん、とか言うてごめんなさい(比較に使われたままのカツの立場は……)。
  • 第三部で「ハサウェイのピンチにガンダムUCの主人公、バナージ君が颯爽登場、銀河美少年!とかしたらブチ切れるでえ!」みたいな意見あり、自分も「せやせや!」と思っていたのに。こうもしんどい展開になると、救済を望んでしまう気持ちも分からなくもないです。まーほんと勝手な観客ですよ。
    • 機動戦士ガンダムUC FILM&LIVE the FINAL“A mon seul desir" [Blu-ray]
  • 一作目見た時は自分も調子に乗って「これぞ性欲ある富野ガンダムの系譜!性欲滅却したユニコーンとか八百長やったんや!」とかほざいていたのに。今回の二作目見たら辛くなって「虫の良い話なんじゃが、バナージ君、助けてくれないか……」とお願いしたくなってしまいました。

反動で、なんかこう明るいやつ求めてしまう

  • 仕事しながら、相変わらずハサウェイ君はどうすれば良かったんだろうか、と考えていたのですが、そんなことより自分の心配をしろといういつもの問題ではあります。そして今日も進捗ゼロです。ダメじゃん。
  • 見終わると反動で、なんかこう、明るく楽しいやつ下さい……と思ってしまいました。打たれ弱いおれ。こんな時こそ『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』を見るべきかもしれない。シェルターとしての虹ヶ咲への退避……そうだ、その方が賢明だ……!
    • 映画『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第2章』(特装限定版) [Blu-ray]
  • (いや、虹ヶ咲だってハサウェイ的な裏読み必要な箇所あったりもするのですが)

遅効性の面白さ

  • 自分の場合、実のところ一作目も今回の二作目も鑑賞直後は「最高やー」と手放し絶賛のトーンにはなっておらず、モヤモヤしたんですよね。しかし時間が経つにつれアレがソレでこういうことだから……と点が繋がっていき、最終的にはめちゃんこ面白かったなーという落着に変わっていたりします。
  • 要は情報量多すぎ展開早すぎて、一回ではよく分からんかった、ということですね。こないだ書いた、ギギが香港の邸宅でエレベータに拘る件(伯爵の暮らしを念頭にプロの愛人として仕事している)も、初見時はスルーしていました。
  • 過去エントリでこの作品は外見と内実が異なるとしきりに述べましたが、あれ半分は後出しジャンケンで、自分がモヤモヤしていたことが後でやっと諒解できて、あーそういうことだったん、と飲み込めるようになった。そのプロセスを省略して些かカッコつけて書いたのが本当のところかもしれません。

思い出してしまう逆シャアのこと、その分かりづらさ

  • でもって、この感覚はやっぱり『逆襲のシャア』に近いなーと思ってしまいます。有名な、ナナイとシャアの会話。甘えたりいちゃついてる素振りなのに心ここにあらずを見抜いて苛立ち、グラスを投げるシーンとか。初見時はぽかーんでしたから。
    • U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 逆シャアの受け取りのズレって北爪宏幸さんの絵がカッコ良すぎたから、と思っています。板倉俊之さんが「シャアが一番かっこいいのは逆シャアの時で~」と語っていたことあり、のけぞってしまったのですが。この時のシャアさん、オールバックで外見上はキメているだけで、内実はもっともだらしない時ですやんと。
  • Z~逆シャア辺りの面白さって、アニメなのに(だからこそ)外見と能力、内実が一致しないところと思っています。特に逆シャアは北爪絵のシャープさ、仕事ができてモテるいい男感が観客である俺たちを惑わせてしまう。内面のだらしなさが見えにくくなっている。それが後で分かってくるのが面白いんですけどね。

やっぱり性欲の話をする

  • 戻ってハサウェイのこと。多種多様な年齢、体格の人が登場するのが良いよね、という意見あって。これ自分もその通りと思いました。ギギとメイスのキャットファイト現場に居合わせる女性とか、ケネスの副官とか。自分の周りの職場にもいそうな、いい面構えをしていると思います。
  • おっちゃんおばちゃんを含めて世界はある、という作品世界構築と、あとモブの視線に同化することによる臨場感もありました。あー、おれはここにいるおっさんだわー、ギギたそをスケベ視点で見つめる輩、あれがおれ、という……。認めたくないものですが。
    • GGG 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ ギギ・アンダルシア 約210mm PVC製 塗装済み完成品フィギュア

さいごに

  • とりあえずまとめてみます。『閃光のハサウェイ』は初見では分かり難い、しかしそれ故の遅効性の面白さがある。逆シャアの難度とスルメ感に似たところあり。
  • ただ、北爪シャア同様にハサウェイも恩田絵がカッコ良すぎることで幻惑されている部分はあるかもしれません。そのせいで観客が見たいものをそれぞれ投影する、鏡みたいな機能を果たしているのやもしれず。
  • 自分の場合は、それが生き辛さと性欲、という問題提起になっているのかも(そこなの?)
  • こんなん書くの良くないと思いつつ、最後だから書いてしまうと。アムロ役として古谷徹氏の登板に複雑な思いにはなる、なるけれど今回の映画においては外側の現実が作品を照射しているようにも思えてしまいました。つまり君子として振る舞って綺麗ごと言うても、私生活はアレだったんだよなという眼差し。人はリビドーから逃れられない、その提起の裏付けのようにも感じてしまう、というどうしようもない感想です。

おまけ




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