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Hiatus Kaiyoteのライブについて。事前の予習と、当日の予測できなかったズレにモヤる

Mood Valiant [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (BRC670)

はじめに

  • Hiatus Kaiyoteのライブに行ってはみたけれど……というお話です。バンドは悪くない、しかし、という体験を書きました。まともなレポ等では全然ありません。ライブ前にあれこれ予測していた。本番では思いがけない予測ズレに直面する。ナマモノってだから怖いんだよ……というオチです。まーご笑覧頂ければ幸いです。

ライブ前の予習期間

  • お財布と相談して月に一度はライブエンタメ見に行くことを自分に許可しているのですが、9月はもう終わり。10月はこちら、Hiatus Kaiyote行ってきます。ラジオで聞いて気持ちいいですねこれぐらいの超ニワカ、薄味ファンなので、果たしてちゃんと楽しめるのだろうか、という不安はある。あるがしかしそれもひとつ挑戦ということで。
  • 毎度の牽強付会、ニワカの与太なのだけれど、Hiatus Kaiyoteの音楽、非線形で未来的な音像、これソニックフィクションの系譜だと思っているんですよね。ここら辺、誰かえらい人に解説して欲しい。全然ちげーよと言われたらハイそれまでよ。
  • ライブ予習のため仕事中に聞いて身体に馴染ませようとしているんですが、自分で申し込んでおきながら、こんなオシャレグルーヴに乗り切れるんじゃろうかと不安に。後方で腕組みしてわかったフリしている絵面が目に浮かぶ……。
  • 昔、電気グルーヴのピエール瀧がレコード屋さんに入って、全然自分が分からぬジャンルだった時に、しかし即座に背を向けて店を出ると舐められるので、わざわざ物知り顔で物色して「あーこれこれ名盤なんだよねーフンフン」みたいな演技をひとしきりしてから退出する、みたいな話をしていて。瀧でもそんなことするのか……と驚き、しかしこういうのあるよねーと思った記憶あり。人間、分からんことをワカランと表明するのは勇気が必要で難しいんですよね。
  • ぜんぜんわからない。俺は雰囲気で音楽を聞いている。
  • 真面目に言うと、Hiatus Kaiyote、おしゃれグルーヴじゃなくて、聴いてる時の感触はある種のプログメタルに近い印象があります。拍子感のズレ、リズムの非対称、展開の非線形性……だから展開予測が難しいと感じる。King CrimsonとかToolとか、Meshuggahに近いわけです、自分の箱分類では。何が、言いたいかといいますとー、不安なんです!聴き込むしかない。
  • こんなこと書いていたら「感じたまま楽しむのがライブってものではないか?知らないバンドが演奏してても、それが素晴らしい音楽なら感動するし、ライブってそういうものでは?」と言われて、それはまーその通りだとも思います。現場では身体的聴取のモードこそ一番大切、という立場でしょうか。
  • しかし僕様ちゃんは予習して、既聴感ないと楽しめないタイプなんですよ……。ライブで新曲初披露とかされるとぼんやりしている類なので。それもこれも技術とか理論とか分からない、基本的に雰囲気で聞いているので。曲の輪郭、進行、発生する情動みたいのを予め把握しておきたいんですよね。その上でライブならではの差異を楽しみたいという気持ちがあります。
  • 以前、Dirty Loopsの記事の時に予測と予測ズレのグルーヴ、という話を書きました。上述の差異、ズレを楽しむにはまず予測情報を貰っておかないと本番対応できねえんです……。

ライブ当日、やれると信じたい

  • お待たせしました、お待たせし過ぎたかもしれません、ようやっとライブの話です。
  • 今日は会社休んでHiatus Kaiyote行ってきます。この一か月ぐらい聞き倒したので、やれると信じたい。信じて!(by『TITANFALL2』)
  • 開演を一時間間違えていました……ラブホテル街のど真ん中にひとりポカーン……。
  • 会場のSpotify O-EASTは、以前一度だけGoGo Penguinを見に来たことあり。その時、二階席からだとステージがかなり見易かったので、今回も一階は素通りして二階を選択。狭くて前後三人ぐらいの奥行しかないのですが、やはり見易い。正解かも。
  • (これが後で伏線になるとは、まだ知る由もなかった……)

終演、どうしてこうなった

  • 終わりました。ライブ自体は良かったんですが、近くの客が……。オールスタンディングだから、あんまりマナーどうこう言うのも、うるせえのかもしれません。しかし、後半なんか楽しむテンションが大分下がってしまって……。高い金払ってこんなモヤっても仕方ない。楽しんだもん勝ち。モヤったもん負けたとも思う。しかし(毎度の無限ループ)。
  • あー声かけなしに前方へ無理やり詰め込み入ってきた客がいて、程度の話なんですけどね。こんなん別に明確なルールあるわけでなし、そんなもんだろと思う時もあります。自分もモッシュ上等!みたいなメタルのライブだったら身構えていて、別になんとも思わなかったかも。今日はHiatus Kaiyoteだから、勝手に心が繊細クンのモードになっていたせいかも。そこにオラついた感じのトーンが挿入されて、え、あなた、そういうことしますの?と困惑したのかも。
  • 以降は完全に悪口ですが、またそいつが気持ち良さそうにクネクネ踊ってましてね。視界に入るのか嫌で、手を右目前に衝立みたいにして、見えないようにしていました。まーそんな状況で聞いて楽しめるかと言うと……。あれですよね、こいつは楽しんでるんだよな、と思うと急激な嫌悪が湧き起こって音も死んで聞こえてしまう。鈍感力と言うとアレだけど、こんなもんウゼえやつだったな、ぐらいでチャンネル切り替えて、せっかくのライブ楽しむべきとは思います。それぐらいの図太さはむしろあった方が良い、うん。
  • ただまー、こないだ青木一郎しきりの現場とか声優アーティストさんのリリースイベントの話書いたように、ライブってナマモノだから、演者や演目以外の周囲の環境もやっぱり影響しますやね。周りの反応で全然楽しめなくなったり、逆にブーストかかって面白い時もあります。プロレス観戦とかでもあるあるで、しょーもないヤジでグルーヴに水が差される、あるいはドッと沸いて盛り上がることもあり。他人という予測できない存在故ですね。
  • 結局、この数年で急速に現場行くようになったニワカなので、根っこに引き篭もり信仰があるんですよね。生きたメディア=ナマモノ現場って人間による不確実性かあるでしょう。なにが起きるか分からない、それ故にスリリングだし、うんざりすることもある。死んだメディアって言うとあれだけど、リアルタイム進行しない記憶されたもの=映画やCDはその点、安全なわけですよね。ハプニングは起こり得ないから。もちろんナマモノはその何が起きるか分からなさこそを体験しに行っているわけで、完全に安全だったら家で見てるのと変わらんわけですが。グダグダ長いね、帰りに酒飲んで酔っぱらってます(言い訳)。
  • 着席可能なVIP席を選ぶべきだったのか。しかし通常の二倍ぐらいチケット代するから。貧乏に負けたとも言えます。うぐぅ。

ライブ自体は良かったのです

  • あー誤解ないように書いておきますが、Hiatus Kaiyoteのライブ自体は良かったのですよ!
  • Nai Palmさんギラギラの衣装に緑?の長髪。照明で蛍光色に光ってギラギラと浮かび上がる。フライングVを掻き鳴らし、客を煽り、たゆたうように歌う。まー華のあるフロントですよね。
  • てっきり序奏的に初っ端披露されると思った"Dreamboat"。違ったので肩透かし、ナンデですのんと思いましたが、中盤で演奏されてうっとり。夢に落ちていくような浮遊感ある演奏とNai Palmさんの色っぽい歌唱。
  • そして待ってました"Cinnamon Temple"。前述したプログメタルみたいと特に思ったこの曲。ライブで聞くと70年代HR風にも感じました。つまりジミヘン+サバスとでも言いますか。これは自分がHR/HM坊主だからの連想ゲームで、実際は異なる文脈と思いますが。
  • 海外記事でメンバーは「メタルではないけれど、ヘヴィなリフを心掛けた」という発言あり。
  • ちなみに音源でギターだと思っていた音はライブで見ると歪ませたベースでした。いかに自分が雰囲気で聞いているかという……hahaha。
  • バンドにコーラスを含めた所帯で、たぶん同期音源も使っていると思うのですが、生演奏と溶け合っていて自分程度だと判別できない瞬間も多々あり。こういう生楽器と打ち込みを対立軸としない、混然一体として提示するのが現代よなーと改めて思いました。
  • 開演押したものの、アンコール含め2時間超のパフォーマンス。最後はPaul Benderさんが終わりと思ったのかベースを下ろしかけたところで、Nai Palmさんが「サプラーイズ!」と言うてもう一曲披露。メンバー的にも充実感あるステージだったのでは。
  • つまりライブ自体は良かったんですよ。ライブ自体は。もっかい別場で見させて欲しい……(無理難題)。

最後に

  • だいぶ疲弊して帰ってきたのですが、無理矢理に教訓めいたものを導き出すならば、
    • 自分は自分。演者、演目に恥ずかしくない性善説的な行動を心掛けよう。
    • 他人は他人。コントロール不可能なので性悪説を前提に自衛しよう。
  • といったところでしょうか。
  • しょーもないことを引きずってしまいましたが、気持ち切り替えるしかないですね。酒飲んでカップラーメン食って寝よう。おしまい。

おまけ

  • 以下は時間軸遡って、ライブ前予習時に思いついた連想ゲーム的な雑談です。思えばこの頃は無邪気にはしゃいでいたんだな……。

余談:他のライブ体験からの連想ゲーム

  • ライブで体験する気持ち良さの何割かはこの予測とそのズレなのではないかしら……という余談を以下に綴ります。
  • リズムや演奏だけでなく、歌だって勿論そうで、「口から音源」みたいな賞賛スラングありますが、本当に音源通りで完全に正確だとしたら、感心はするけれど、実はそんなに面白くないのでは。記憶にある音の鳴り方をなぞるようで、微妙に違う、そのことに生で聞いているという実感と感激、そして興奮が生まれるのではないかと。
  • 坂道シリーズ等のアイドルを生歌ではないのにライブなにが楽しいねんとか腐す向きありますが、足繫く現場に通う友人からすると「ちゃうねん、見所はダンスやねん」と。ダンスという一回性の娯楽、やはりこれも予測と予測ズレの快楽が発生していると言えるのかもしれません。じゃあ大規模会場ライブでアイドルは豆粒大、ダンスも判別できない状態の場合、何が楽しねんと問われると、それはズバリ応援。可視性のなくなったダンスの代わりに観客の応援がグルーヴを発生させていると。
  • これは自分にも分かる話で、例えば コロナ期の虹ヶ咲の無観客配信ライブとか、有難い話だったけれど、今見ると多幸感が不足しているように感じる。何故なら観客の応援グルーヴが欠落しているので、というこれまた与太話ですはい。
  • あーぶっちゃけ、幸福な関係ばかりでなく、オタク現場では観客の応援が演者のパフォーマンス、グルーヴを阻害することも間々あるんですが、それはまたややこしくなるので、別の機会にしましょう(改めて書くのそれ?)
  • 2020年以降にライブ行くようになったので、めちゃニワカですがfox capture planのファンになって、たぶんそれは彼等の音楽が(自分にとって丁度よい)予測と予測ズレ体験があるからなのではと思っています。ライブで聞く度に少しずつ違って聞こえる。正確性と揺らぎが気持ち良いんではないかなー。
  • (Key担当メルテンさんのキャラクターが面白過ぎる、という理由もあります)

余談:過去ネタの再振り返り

  • 更なる思い出しの余談です。
  • なんども擦って恐縮ですが、ジマーさんの"Time"がああも情動を動かすのも、予測ズレによるところ大きいのかも。
    • www.youtube.com
    • 冒頭のピアノモチーフが一定のリズムで繰り返される→予測可能な構造として認識。
    • ストリングスが徐々に重なっていく→しかし重なり方が予測しきれない、あとこの曲が今、山の何合目なのか不明確(地図の喪失)。
    • クライマックスで急激に音の引き算が行われ、カットアウトで途切れるように終わる→呆然となるおれ。
  • 澤野弘之さんのSawano Drop、サビ前の静寂、音圧低下も予測の報酬系を完全利用していると言えるのでは。静寂の瞬間に次の爆発をリスナーは予測している。何ならサビよりも静寂こそが気持ちええまであります。

余談:わたしが予測できないハーコーなプログレ話

  • どんどん余談が続いて、そろそろ呆れられそうですが、も少しだけお付き合いを。
  • アバンギャルド系のプログレの皆さんいらっしゃるじゃーないですか。極端なので言うとMAGMAとか、あとカンタベリー系とかクラウトロックとか。
  • なんかここら辺を分かると通っぽい!出た通っぽい言葉!とか思いながら、ぼかーことごとくよく分からないんですよね……。たぶん初心者の自分には予測不可能性が高すぎるんだと思う。AKIRAにおける金田のバイクの・ようなもの。ピーキー過ぎてお前にゃ無理だよ、という。
  • ハーコーなプログレファンが堕落として叩く(であろう)後期EL&Pとかの方が余裕で楽しめます。
  • 初期Pink Floydでも、いまいちどう楽しめば良いか分からない時期ありました。ある時、お風呂場で流していると気持ちよくなってきて、あーこれはあれか、予測すると言うより、ぼんやり夢心地で聞くと気持ち良くなるんだなと。完全に余談ですねはい。

振り返ると

  • 後になってみると、死んだメディアの予習をいくらしようと、人間という生モノは予測不可能ということですね……。いい勉強になったと思うしかありません。次の現場でリベンジしてやるからな!



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