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音楽も衰退しました?あるいはスコアではない、音響だよ、という話。澤野弘之さん編。

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はじめに、これまでの振り返り

  • 文化は衰退している、音楽も然りという論説について。いやー全体は知りませんが、個々には面白いものがあると思いますよ!という話を素人なりに書いてみたシリーズ。
  • 前回はハンス・ジマーさんについて書かせて頂きました。今回は澤野弘之さんについて書きたいと思います。

日本のハンス・ジマーこと澤野弘之さん

  • ハンス・ジマーさんはメロディ(だけ)ではなく、音響操作で観客の心理を操作しているという話。ジマーさんに続けて澤野弘之さんのライブに参加して感じたことがまた契機になっています。澤野弘之さんは言わずと知れたアニメ、ドラマ、映画の劇伴作家で、ジマーからの影響を公言されています。
  • 「音響を含めた意味での”サウンド”」というインタビューアの言葉あり、ほぼこれ答えみたいな感じありますね……。
    • febri.jp
    • "澤野 今回の延長線上にはなると思いますし、これは『閃光のハサウェイ』に限ったことではないですが、より“サウンド”に特化した音楽を作っていきたいですね。もちろん、オーケストラを使ったメロディアスな曲も必要なところでは書きたいと思っていますが、当たり前のようにオーケストラを使うことはないのかなと。重厚感や壮大さを失わない形で、エレクトロやシンセがメインのものや、打楽器でビートを積み重ねて作るようなサウンドがひとつの理想です。最近の映画で言うと『TENET』のようなサウンドの在り方――ルーツをたどれば、僕が作家として非常に影響を受けているハンス・ジマーが昔からやっていたことでもあるのですが。

    • "――音響を含めた意味での“サウンド”ですよね。"

    • "澤野 そうです。たとえば、ハンス・ジマーの参加作でも、映画によってはオーケストラを使わず録音している劇伴もあります。でも、重厚感は失われていなくて、それが新しいサウンドとして成り立っているんです。"

  • ガンダムUCのサントラでもブラーム音→サウンドスケープ型アプローチというのをこの時点で披露しており、早い、早いよスレッガーさん!と言いたくなります。
  • そして澤野弘之さんの特色はもひとつ、SawanoHiroyuki[nZk]名義で歌ありの曲を手掛けています。これがですね、ライブで改めて聞いて、この扇情力そして構成はモダンメタルみたいやなーと思ったんですよ。
  • あながち拡大解釈や妄想という訳でもなく、澤野弘之さん自身が電子音楽を取り入れた北米ロックに影響を受けたとの発言あり(文中では再びジマーへの言及も)。
    • www.billboard-japan.com
    • "澤野:その影響が特に大きかったと思いますね。たとえば、マルーン5も最初はバンドサウンドだったのがだんだん打ち込みサウンドにシフトしていったし、いろんなアーティストが、新しい要素を取り入れて、時代に合わせてサウンドを変化させていった。その柔軟性はバンドに限らず、劇伴作家にもあると思うんですよね。たとえばハンス・ジマーはオーケストラだけにこだわらず、常に斬新なエレクトロなどを取り入れたりして自分をアップデートしていった。そこは自分も言い訳せず、追いかけていけるうちは追いかけていたい、という精神があるんですよね。"

  • また公開されている澤野弘之さん謹製のプレイリストにはLinkin Parkの存在もあり。うーん繋がっていくぜよ。
  • 海外掲示板では澤野さんはそのものズバリ、Zimmer meets Linkin Parkとも称されているそうです。また多用されるサビ直前ブレイク→無音→爆発という展開は「澤野抜き(Sawano Drop)」と呼ばれているそうな。うーん、おもちろい。
  • 澤野弘之さんてぶっちゃけ歌詞は意味性ではなく、響きを優先していると思ってそこもある種のサウンドスケープ的思想ではないかと思っています。
    • t.co
    • "あと、僕は作曲家という意識が強いので、人の音楽を聴くときも単純にサウンドと歌声とメロディでカッコいいかどうかを判断しているんですよ。日本の曲を聴くときも歌詞にはそんなに重点を置いてなくて、音として楽しいかどうかを気にしていますね。だから、自分がつくる音楽で一番重要視しているのもその3つの要素で、歌詞も響きとして聴いてほしいところがあるんです。"

  • 他にもnzk名義だと、30 seconds to Marsを想起する曲もあり。洋シネマティックロックの参照もあるんだろうなーと推測。
  • まープロの作曲家ですから、こんなん素人のおいらが思いつく程度のことは網羅していて、その先に引き出しがあるとは思うのですが、一側面としてジマーや洋現代ロックを参照しているのは間違いないことだと思います。
  • そして自分で勝手に面白いなーと思うのは、ライブで感じたモダンメタルのアプローチとの共通性。これはジマーさん含めお互いに影響与えあっているというよりも、収斂進化ってやつじゃないのと。収斂進化いうのはあれです、鳥と蝶は出自は違うのにともに空を飛ぶため、翼や羽といった類似機能を持つというやつ。
  • つまりですね、映画音楽もモダンメタルも畑は違う、しかし観客の情動を短時間で揺り動かすという共通目的から、空間音響アプローチに近付いていったのではないか、という仮説なわけです。
  • (あー後出のジョーダン・フィッシュさんなんかは完全に「分かって」やっている自覚型だとは思いますけどね)

続き

  • ではその、モダンメタルの手法って?という話は次の項目から。
  • 以下に続きます。



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