
こんにちは!enechainデザイナーのETです。
2026年3月6日(金)にデザインシステムの実務としてのリアルを語るイベント、Design Systems Discussionを開催しました!テーマは「5社5色。デザインシステムの設計と運用のリアル」です。
Sansan・enechain・Ubie・CADDi・Findyの5社から、実際にデザインシステムの構築・運用を担当するデザイナーとエンジニアが集まり、70分間語り合いました。
この記事では、当日のディスカッションの中身と熱量を速報でお届けします。
- アンケートから見えた、参加者の輪郭
- AI × デザインシステム どうしてる?
- Figma要・不要論
- コンポーネントとトークンの設計思想
- リソース・ガバナンス・価値証明
- 会場からの質問
- クロージング・懇親会
- 参加者の感想
- おわりに
アンケートから見えた、参加者の輪郭
アンケートの結果、参加者の70%がデザイナー。次いでエンジニア13%、マネージャー層13%という構成でした。
事前アンケートでは、現在のデザインシステムに感じている課題として、「メンテナンス・更新が追いつかない」が最多、次いで「ガバナンスの難しさ」、「チーム間連携」といった声が多く見られました。
議論したいテーマの1位はAI × デザインシステムが、2位のコンポーネント再設計を大きく引き離しており、この領域への関心の高さが際立っています。

AI × デザインシステム どうしてる?
本イベントは5社のデザイナー・エンジニアが、3つのテーマについてディスカッションをするセッションからはじまりました。
最初のディスカッションテーマは各社のAI利活用についてです。
MCPを介してデザインシステムをAPIのように扱う取り組みや、Claude Codeを使ったプロトタイピングなど、すでに実践レベルで動いている事例が多く共有されました。
一方で、非エンジニアや経営層が容易にプロトタイプを作れるようになったことで、「ブランドを守るためのガードレールをどう引くか」が各社共通の課題となっているという話も出てきました。
各社の取り組みとしては、デザインシステムのコンテキストをMarkdownで全社に展開したエピソードやFigmaを使わずにコードベースでプロダクションにコミットする実験が進んでいるという話題が紹介されました。

Figma要・不要論
AIに関するディスカッションの中で特に盛り上がったのが、「Figmaをこれから使わなくなるのか?」という話題でした。
会場への挙手アンケートでは「いらない派」は少数でした。多くの参加者がまだ必要と考えていましたが、その理由は「デザインツールとして」というより「コラボレーションツールとして」という文脈が大きかったのが印象的です。
💬各社から出た様々な意見
リアルタイムにコラボレーションできるところがFigmaの本当のキラーだった。Figmaはデザインツールであると同時に、同期・非同期のコミュニケーションを取りながら確認していくツール。
ビジュアルエディターが残るかどうかという話ではないか。言語思考/視覚思考など人の特性によって、Figmaで作った方がAIに意図を伝えやすい人もいる。
開発速度を上げるならFigmaは超邪魔。1日でデプロイできる時代に、人間に残る時間はコラボレーションしかない。しかしそうなると逆説的に、Figmaのリアルタイム性とWebベースの軽量さはコラボレーションの利点になる。

コンポーネントとトークンの設計思想
2つ目のテーマは、コンポーネント整理・再設計とデザイントークンについてです。
歴史の古いプロダクトでの「新旧トークン混在」や、複数プロダクト間での「共通化とオーバーライドの境界線をどう引くか」が課題として挙がりました。
これに対し、全社的な大原則を定義してプロダクトレベルへ落とし込む手法や、PdM・エンジニア・デザイナーでデザインアイデンティティを言語化し直す手法が有効であると共有されました。
また、AIに伝わるようにガイドラインを丁寧に構造化していくことも今後重要であるいう話題も出ました。

リソース・ガバナンス・価値証明
3つ目のテーマは、運用面についてです。
デザインシステムの運用において、専任メンバーを置かず、エンジニアなどの有志や兼務で回しているケースが大多数を占めていました。プロダクト立ち上げ期は「攻め」のモチベーションで構築が進むものの、フェーズが成熟すると「守り」のフェーズに入り、日々のメンテナンスを「気合で回している」のが実態という声も出ました。
一方で、AI時代になり、デザインシステムに乗せることでコーディングエージェントが使いやすくなるというメリットが生まれ、プロダクト側からの自発的な貢献が増加したという声もありました。 AIによるコード変更の自動検知や、経営トップ発信の「デザインシステム使用率100%」という推進などで、運用を自動化・仕組み化する動きもあるという事例もありました。
また、デザインシステムの価値については、コンポーネントの使用率などを測る試みはあるものの、数値化自体は目的ではないという認識で各社一致していました。
デザインシステムの価値が、「開発効率化」から「AI生成時のガードレール」へと移り変わっているという話もありました。 最終的にはデザインシステムがライブラリのような単なるパーツ集ではなく、会社としてどんな体験を守るのかを定義する「聖書」や「経典」のような存在になっていくという象徴的な話題も出ました。

会場からの質問
イベントではSlidoから参加者の質問を受け付け、投票数の多いものをピックアップしてディスカッションしました。
特に、回答が盛り上がったのは、コードベースでのUI調整、デザイナーのこだわりとの落とし所は?という質問への回答でした。
トークンベースで管理されていればピクセル単位のズレは問題になりにくいという前提のもと、デザイナーのこだわりは「ピクセルのズレではなく、提供したい体験がコードで達成できているか」にシフトしている、という話になりました。
また、FigmaをClaude Codeへのインプットツールとして使い、ユニークなデザインはFigmaで起こしてからコードに変換する、という実践的な使い分けも紹介されました。コードベースの方がむしろ実データ・実環境で確認しながら調整できるため、デザイナーが納得いくまでこだわれるという意見もありました。
クロージング・懇親会
クロージングでは、一言ずつ振り返りをいただき記念撮影を行いました。

また、終了後の懇親会でも白熱した議論が繰り広げられ、終了時間まで盛り上がりました。


参加者の感想
Xで #5社5色デザインシステム のハッシュタグで感想を募集しました。以下のようなコメントをいただいています。
x.comFigmaのLibrary Analyticsとかソースコードをgrepして、コンポーネントや各状態の利用頻度を見るのは、利用者のためのデザインシステムだから価値ある情報だと思う。
— トビ / KazuhiroTobita (@0b1tk) 2026年3月6日
でもそれが経営判断のやる/やらに繋がらないのは同意。始めたからにはやる or やるんだよ(パワー)
#5社5色デザインシステム
x.com言語じゃないビジュアル的なインタラクションツールは残るんじゃないかな〜と思ったりしている、それがFigmaなのかはわからないけども#5社5色デザインシステム
— Ryo Egawa (@erm1116_) 2026年3月6日
x.com運用コストの重さ共感…!
— みやこし (@kaz_DesDev) 2026年3月6日
問い合わせ・相談対応とか、PRレビューやリリースをレスポンス良く返さないとみんなデザインシステムに意見を出さなくなっていってしまうと思って頑張って返しているところある
#5社5色デザインシステム
x.comたしかにFigmaはキャンバスがあるということより、コラボレーションツールであるということが大きいのかも…
— moco (@moco_megane) 2026年3月6日
#5社5色デザインシステム
おわりに
70分間のディスカッションを通じて改めて感じたのは、各社それぞれのデザインシステムに唯一の正解はないということです。組織の規模、プロダクトの特性、チームの成熟度によって、最適なアプローチは異なります。だからこそ、他社の実践を知ることには意味があり、議論も盛り上がったイベントだったのではないかと思います。
5社それぞれの「色」が見えたこのイベントが、参加いただいた皆さんにとって、自社のデザインシステム、ひいてはプロダクト開発を見つめ直すきっかけになっていれば幸いです。
ご参加いただいた皆さん、登壇者の皆さん、ありがとうございました!