
この記事は CARTA TECH BLOG アドベントカレンダー2024 の 12/16 の記事です。
CTOのsuzukenです。
新卒面接も増え、「CARTAのCTOって普段何してるんですか」と面接で聞かれることも増える時期になりました。今日はCTOとしてエンジニア組織やテクノロジーに関連し、概ね週ごとにやっていることをゆるくまとめてみました。参考になれば幸いです。フィードバック・コメントもお待ちしてます!
前提は以下のとおりです。
- CARTA CTO = ホールディングスの全社CTOのこと。事業会社にはそれぞれCTOやテックリードが別にいます。
- CTOのミッションを一言で表すと、テクノロジーにより持続的な事業成長を実現すること。組織での実現は不可欠。
それでは見ていきましょう。
採用活動と面接対応
なぜやるか: 組織強化のため
- 毎朝候補者リストに目を通して、新卒・中途を問わず採用活動にフルコミット。
- HR採用担当のサマリーを見ながら、過去の面接官の評価記録に目を通し、面接で投げかける質問を構造化面接フレームワークから選択。論文やGitHubリポジトリがあればそれも見る。
- CTO室技術人事マネージャー陣ともWeeklyで定例。随時エンジニア組織全体の採用・育成状況や広報活動について広く共有しつつ、定例では議論中心に。
最近、新卒エンジニア面接の増加もあり、3割程度は採用に時間を使うようにしています。
社内新規プロダクト・技術評価
なぜやるか: 事業推進における技術貢献の実態把握、育成環境への反映のため
- 法務やICTと連携し、レビューが必要であれば見てコメントしておく。
- 新規プロダクト・サービスが出てきた場合は、情報資産や技術スタック、リポジトリ、アーキテクチャをざっと確認。気になる点があればテックボード陣(事業部のテックリードやCTOなど)のSlackチャンネルで質問。
- また、技術力評価会(半期ごと)の資料を読み込み、ボトムアップで上がってくる事業アイデアやアップデート情報を把握。プロセス上で将来問題化しそうなポイントは、事前に目星をつけておく。
すべての技術を完全にハンズオンするのはできていませんが、なるべく構造と課題から理解し、引き出せるようにしておきます。
1on1
なぜやるか: メンバーが仕事をするうえでの障壁をなくし、能力を発揮できるようにするため
- その名のとおり1on1。直接管轄の部署はWeeklyで、スキップレベルの場合はMonthlyでやってます。
- 1on1の開始時は個々のキャリアの過去/現在/未来の話を最初にすり合わせる。事業での取り組み・心配事について話すことが多い。僕が協力すれば解けそうな課題があるかをなるべく聞いておく。
マネージャー陣との1on1は他の人の心配を話すことになりやすい。なるべく当人について話すのを意識。
生成AI・Generative AI Labでの活動
なぜやるか: 生成AIを事業の進化につなげるため
- 基盤モデル、生成AI関連サービスのサーベイをし、週1でまとめておく。自分でAPIなり画面なりColabなりをsandboxでたたき、挙動を試しておく。自分でやるのが大事。いま自分でコードを書くといえば生成AI関連のものがほとんど。
- サーベイを資料にまとめておき、各種ミーティングで展開できるようにストック。とりあえずURLとメモをまとめる。生成AIで作業簡略化。
- 社内のGenerative AI Labでは色々な部署からの相談に対応。最近は「How-To」レベルの簡単な質問は減り、プロダクトやアーキテクチャに踏み込んだ個別ヒアリングが増加。必要に応じて自分でも回答したり、関連するエンジニアにアサインする等。
- 週1でO’Reilly Online Learningを眺め、読めそうな本をザッピング感覚でピックアップ。技術動向の更新は常に走らせておく。最近は生成AI関連に隣接したテーマを読むことが多い。
共通の要望があれば、経営基盤として仕組みが提供できるように考えてつなげるようにしておく。規律を持ちつつ事業を加速させるのが最優先。よくあるのはサービス開放、調査内容共有などなど・・。
HR関連データ把握とヒアリング
なぜやるか: エンジニア組織の状態を把握し、改善につなげるため
- HRからのパルスサーベイデータは月1でチェック。
- HRBP(HRビジネスパートナー)から個別に情報が来れば随時確認。従業員満足度や組織状態を把握して、必要に応じて改善アクションを考える。半期ごとの従業員満足度調査も参考に。
HRとは常にコミュニケーションし続けている。今月は来年4月の新卒研修の企画を仕込む。
Slackでの組織観察とナレッジ共有
なぜやるか: 創造性が発揮されているかを知り、環境の改善点を探すため。
- Slack上で各プロダクトやエンジニアが動いている様子を見る。CARTA全体で解決した方がよさそうな情報基盤系の課題や外部サービス周りの問題が見えたら、率直に質問して打ち手を考える。
- 社内ブログ(ヒトノワノート)をみる。トレンド機能がついて見やすくなったので、面白い記事を見つければ「いいね」やコメントをしておく。みんなに見てほしい記事は #cto チャンネルで紹介。
- SlackのKnowledge Center(例: データエンジニアリング、フロントエンド、クラウド etc.)で技術ネタが上がれば、その場で軽く調べます。あとで見ようと思うとなかなか見返さないので、思い立ったときが勝負。
CARTAエンジニアはSlackにたくさん書いてくれます。嬉しい限り。なるべく観察し、経営判断につなげる。普段の活動が創造の源泉。
文書化と発信
なぜやるか: CTOとしての考えを継続して伝え、ビジョンを実現するため
- こうしているうちに溜まっていくノウハウや箇条書きのメモは、生成AIを使って社内外向けの文章に仕上げる。ヒトノワノートに投稿したり、Docs化したり。
- 調べながらSlackに書き連ね、あとからまとめて投稿することが多い。
このブログ記事も、もともとは箇条書きのメモから出発したもの。経営メンバーからの考えの共有は組織をつなげるのに欠かせない要素だと考えてます。
社外の人と対話する
なぜやるか: テクノロジーに関する洞察を深め、事業成長につなげるため
- ここは週によりますが、概ね事業会社のテクノロジー担当、外部サービスの中の人、アドバイザー等。広く技術や組織について議論。
- 日によっては勉強会に参加。ざっくばらんに技術について話す事が多い。
- 外部のニュース、取り組みについて深い洞察を得るための機会とする。事業のヒントをもらうことも。
目的は様々。外部環境での変化の洞察を深める、技術領域について知見を深める、事業領域について理解を深めるなど・・。
経営会議、戦略ドキュメント、経営基盤マネージャー陣との対話
なぜやるか: 事業や組織を横断し、効率的かつ効果的な経営基盤をつくるため
- 経営会議向けのトピックは常にDocsにストック。最重要。いつでも出せる状態にしておく。随時Slackにも共有。
- 主要事業の戦略ドキュメントが上がってくれば、テクノロジー・セキュリティ・データ・AI関連のテーマを抽出して、必要に応じて個別ヒアリングを実施。網羅的なレビューは年1、主要事業は四半期ベースで目を通す。
- 予実ベースでは週1で確認。特にシステム利用面で気になることがあれば個別にテックボードメンバーにヒアリング。
- HR・ファイナンス・法務・広報・ICTなど経営基盤サイドの本部長陣と情報交換し、重要度を上げるテーマを吟味。
- 社外動向、投資検討、組織体制、経営基盤改善、技術アップデートなどのトピックは、宇佐美さん(社長です)との1on1でも広く議論。考えをヒアリングすることも多い。
テクノロジーによる事業機会拡大と持続可能な成長はCARTAにとって最重要テーマ。 特にテクノロジー・セキュリティ・データ・AI等は特定部署のメンバーだけでは立体的な解像度を上げづらいケースもあるので、なるべく広く聞いてまとめて理解してつなげることが多いです。理論よりも実例を。
セキュリティガバナンス指針策定
なぜやるか: 仕組みにより持続的なガバナンスを実現するため
- 情報セキュリティ委員会に向けて議題や課題を整理。都度法務や各事業のリスクオーナーと対話。
- 直近のセキュリティ相談や事例を踏まえ、課題定義から仕組み化へ。ガバナンス指針docsを整備し、実務に落とし込んでいく。これは細かな文書作業ですが、長期的な信頼構築には欠かせないプロセス。
最近はガバナンス系の文書も初版は箇条書き等を自分で書くことが多いです。
カジュアルなコミュニケーション
なぜやるか: 仕事を楽しみ、発見し、自律的な組織を作るため
- 社内カフェのガーデンでエンジニアやプロダクトメンバーと雑談する時間も大切。ちょっとした立ち話からアイデアが生まれたり、組織のヒントが見えたりします。他部署の人がランダムに来るのでちょうどよい。
- Slackで気になったことはその場で返答し、共有。時間をおかずに対応することで、タスク化して忘れてしまうリスクを減らす。
業務中はひたすらカジュアルコミュニケーションをしてます。重くせず、軽量なプロセスで共有・相談してもらい、柔軟かつスピードを持って進めてもらうのが一番と考えてます。
おまけ: タスク管理のやりかた
- 個人タスクはGoogle Tasksで一元管理。
- DocsとTasksを紐づけて会議中にタスクが出たらすぐに切り出し、期限を設定。思いついたことは即Tasksに入れないと、忘れてしまうため・・。
- Slack経由の質問には8割その場で返答。タスク化を避けて即レスすることで、後回しを減らす。
部署やチームを横断して物事を進める事が多いため、なるべく細かくタスク化。書かないと忘れます・・。
いかがでしたか?技術動向の追跡、採用活動、社内ナレッジの循環、経営陣との連携、そして文書の整備。日々、「テクノロジー」「組織」「事業」を行ったり来たりしています。項目は多岐にわたりますし、自分でも「もっとこのへんに使いたいなあ・・」「ちょっと手を広げすぎかなあ・・」等思う部分などもありますが、なるべく最近の動き方について書いてみました。
生成AIが身近になってからというもの、調べ、考えをまとめ、発信するのがとても楽になりました。おかげで信頼したチームをつくるためのカジュアルな時間、考えを深めて将来の組織・事業戦略を考える時間が相対的に増えた1年でした。来期も挑戦が盛り沢山です。