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SmartHRに入社したエンジニアリングマネージャーが最初の3ヶ月でやったこと

はじめまして、昨年末にSmartHRにジョインしたaloeです。
4つのチームを内包する「プロダクト基盤開発部」のエンジニアリングマネージャーとしてジョインし、早いもので3ヶ月が経ちました。

入社前の印象は「スタートアップを駆け抜けてきた(あるいは最中)にしてはずいぶんと体裁が整った企業だけれど、エンジニアリングマネージャーとしてやれることが残っているのだろうか」というものでした。入社して3ヶ月経ってみて、その印象がどう変化したのか、そしてどんな課題を見つけどう向き合ったのかを、自分自身のふりかえりに代えて、ここに書き残そうと思います。

入社後の率直な感想

入社後に一番に感じ取ったことは、メンバーの圧倒的なアグレッシブさです。新しい提案があれば積極的に乗っかりともにチャレンジしていこうとする人や、職能の垣根を超えてプロダクトのためにやれることをドンドンやろうとする人など、挑戦と越境の精神が強く感じられて感動したことを覚えています。

チャレンジが多いのは素晴らしい反面、「目先のやること・やりたいこと」が溢れていて、サバイバルフェーズから抜け出せずにいる(もしくは意図的にサバイバルでい続けている)とも感じました。
サバイバルを否定するわけではないですが、2030年にARR1000億円を目指すという長距離走に挑む以上、目先の成果だけに過集中していてはゴールにたどり着けません。サバイバルフェーズを抜け、1〜2年後を見据えた投資的マネジメントをどのようにしていくかが、直近私が挑む課題になるだろうな……と意気込んだのがファーストインプレッションです。

最初の取り組みはスクラムマスタリング

チーフ(弊社におけるチームリーダー相当の役割)・チームメンバー・他部署の協業者たちとの1on1を一通り終えたところで、とあるチームが「改善を重ねているつもりだが開発が思うように進まず、追い込まれ感から焦りだけが増していく」と負の連鎖に苦しんでいる様子が見えてきました。これが私が最初に向き合うことになった課題です。

話を聞けば聞くほど、チームメンバーの「どうにかしたい」「もっとうまくやれるはず」といった強いエネルギーが伝わってきましたし、チーフの「どうしたらメンバーたちの主体性を尊重しつつ変化を起こせるか」と真摯に向き合う姿も見て取れました。

今思い返せば、ほんのわずかに、エネルギーが噛み合うためのピースが足りていないだけだったように感じます。
しかし当時の自分は、それまでの経験から「チームに変化を起こすには全員が変化に前向きになり、全員が同じ課題に同じ熱量で挑む必要がある。そうなるまで最低3ヶ月くらいはかかるつもりで、長ければ半年かかるつもりでチームの改革に挑もう」と見積もりチーフや上長と期待値をすり合わせたのですが、この見立てがどれだけズレていたかは後にお話します。

そうして、まずはチームメンバーのフラストレーションの根源を明らかにするために(実は別々の課題を見ているようで根源はほとんど同じであるということをチームメンバーに認識してもらうために)課題をすべて洗い出す会を開催しました。

オンラインホワイトボードツール上に並べられた課題の山
オンラインホワイトボードツール上に並べられた課題の山

詳細は割愛しますが、最終的なネクストアクションは

  • スクラムをもう1度セオリー通りにやり、学び直しを起点にプロセスを立て直す
  • 曖昧なままにしていたユーザーストーリーを書き上げて開発時の迷いを減らす

の2つに収束しました。

1時間×3枠と壮大な時間をかけて開催された会でしたが、すべて終わったあとに「あとはこれらのアクションに全力で取り組むだけだね」とそれまでより晴れやかな顔をしていたメンバーを見て、ようやく自分がSmartHRでほんの少しでも誰かの役に立てたのかもしれないとホッとしたことが印象深いです。

その後私は、スクラムマスターとしてチームに伴走するという関わり方を選びます。
本来は間接マネジメントをする役割ではありますが、入社したての自分が信頼関係を築くためにも、また、自分に何ができるかをメンバーに具体的に伝えるためにも、あえてスクラムマスターとして深く関わることを選びました。

具体的には「ハードスクラム」と称して、一つひとつのプロセスの意味や目的を確認しながら、スクラムガイドやセオリーに則るスクラムの実践をしました。守破離の「守」をハードにやったわけです。
不明確なままだった相対見積もりの基準を明らかにしたり、スパイクチケットの活用を始めたり、レトロスペクティブのテーマを絞り議論の密度を上げたり、デイリースクラムの目的を再定義したり、キャリーオーバーしたチケットの扱い方を見直したり……。こういったプロセス改善を、ときには私が問題提起し、ときにはメンバーが自発的に、積み重ねていきました。

変化のスピードは私の想定をはるかに超え、ハードスクラムを1ヶ月やった頃には、もうほとんど言うことがないくらいに自律的に前進していくチームになっていました。もちろんスクラムとして改善できるポイントはまだまだありますが、スクラムマスターである私からの問題提起を待たずとも、チームが自ら学び、自ら課題を解決し、良い行動を次のスプリントでも再現しようと自ら試みていたのです。明確な自律の芽生えと言えますね。

私が最初に見積もった「変化には最低3ヶ月」はずいぶんと的外れだったことを痛感し、同時に第一印象で感じた圧倒的なアグレッシブさが同じ方向を向くとどれほどの爆発力があるのかを見せつけてもらいました。私にとっての最初のチャレンジは、SmartHRの開発チームに秘められたパワーを目の当たりにさせられる機会でもあった……というと少々大げさでしょうか。でもそんなふうに記憶に刻まれています。

過去形なのは、これが入社3ヶ月目の半ばくらいのことで、その月のうちにハードスクラムは役目を終え、私自身もスクラムマスターとしてチームに密着する関わり方を終えたからです。入社前には想像し得なかったスピード感です。本当に。

スクラムマスタリングの裏にあるエンジニアリングマネージャーとしての狙い

ここまでスクラムマスター視点での体験を書きましたが、エンジニアリングマネージャー視点では、実はこの一連のチャレンジには裏テーマがありました。

その1つが「SmartHRという新しい環境で、チームの自律性をいかにして引き出せるか」の検証です。つまり自分の中に溜め込んできたマネジメントの手札が、SmartHRの文化やスピード感の中でどう通用するのか、もしくは適応が必要かの見極めです。

もう1つのテーマが、冒頭でも触れた「投資的なマネジメント活動」の1歩目を踏み出すことです。チームの自律性を引き出し、自分が直接的に関わる時間を減らしてもチームが前進していく状態になれば、マネジメント効果が将来にわたって効いていると言えるでしょう。その1歩目にどのくらいのコストがかかるかを見定める意図がありました。

最後のテーマは、チーフに投資的なマネジメント活動を体験してもらうことです。サバイバルフェーズを抜けて学習フェーズへと移るための「時間的・精神的余力」を生み出すために、私ならどうアプローチするのか。メンバーのモチベーションをそれとなくアラインして共通のゴールに向かうモメンタムを生み出すために、私ならどう振る舞うのか。1つの事例を見せることを狙っていました。

マネージャーとしてやっていること、やれていないこと

1つのチームに自律の芽生えが見えたものの、マネージャー(SmartHRにおけるチーフの上長にあたる役割)として期待されているスコープでの成果は、すなわち中長期視点での組織マネジメントの成果は、正直なところまだ出ていません。短期間で出せるものではないと腹を決めて、1年後に目指す組織のあり方を模索しながら、マネジメントの種をまいているのが現状です。

具体的な活動を列挙してみます。

  • 1on1
    • 直接マネジメントするチーフとの週次1on1
    • 間接マネジメントするメンバーとの月次1on1
    • QAEやPMなど協業する職種メンバーとの定期1on1
  • 観察系
    • 管轄する4チームのスクラムイベントのオブザーブ
      • イベントの開催時間が被っているチームもあるので、数スプリントがっつりと見るチームを決め、順繰りにオブザーブしています
      • チームで解決していけそうかどうかの度合い(自律性)に応じて、短期的に介入サポートするチームを決めています
  • 各プロダクトの歴史と現状のキャッチアップ
    • 「歴史」はコードを読みながら。設計意図に違和感や疑問を感じたらPull Requestを遡ります
    • 「現状」はNotion AIに週1でSlackやミーティングやGitHub上の動きをサマリーしてもらったものを読みながら。インプットの密度を上げ、情報の海に溺れないようにしています
  • 採用
    • カジュアル面談と1次面接の同席・練習
    • 書類選考
    • アトラクト
    • 採用プロセスの改善

一方で、まだできていないと感じていることも列挙します。

  • メンバーとの信頼関係の構築
    • 圧倒的にまだまだです。メンバーが困ったときに安心して頼れないだろうなあと感じます
  • フィードバック
    • キャッチアップ不足ゆえに、1on1が「ヒアリングの場」になってしまうことがあります。フィードバックするにはまだまだ観察不足です
  • 1年後のイメージの解像度
    • メンバー各々のキャリアの歩み方や、組織の1年後の姿を十分に色濃く描けていません。プラットフォームエンジニアリングをする組織としてのあり方を見つけていきたいです

こうして改めて書き出してみると、自分の置かれている状況がよくわかります。まさしく種まきの段階であり、マネジメントによる効果が何かしらの形で組織に現れるのはまだまだ先であることが読み取れると思います。

そういった状況であることを、上長も、同僚も、みんなが理解してくれていることが救いです。つい自分自身でプレッシャーをかけてしまい短期的な成果に食いついてしまいたくなりますが、マネージャーとして本当になすべきことに全力投球できるように支えてもらっているので、それに報いたい気持ちを忘れずに次の3ヶ月も挑んでいきます。

エンジニアリングマネージャーとして本当にやりたいことに手が届く環境

私は人の熟達やチームの成熟にとても興味があります。そのメカニズムを学ぶことにも、どう成熟を引き出せるか試行錯誤することにも、人やチームの変化を見届けることにも、喜びを感じます。そして人やチームを成熟に導く活動を通じてプロダクト開発に貢献することが、私のやりたいことです。

この思いを実現するためにSmartHRに来ました。人的資本経営プラットフォームを目指すSmartHRプロダクトはまさに人の可能性を信じて未来を変えようとするプロダクトですし、会社としてのSmartHRは社員の可能性を全力で信じている組織です。この上なく私の価値観に合う環境と出会えたのです。

あとはやるだけ、です。

マネージャーという立場で自分の願いを叶えるために、私はプロダクト基盤開発部という組織を作り上げていきます。組織をつくるために、「どうやって人を集めるか」「集まった人たちが成長し、彼らによって構成されるチームが成熟する仕組みをどうやってつくるか」という課題に頭と手を使い続けます。

やや暑苦しくなってしまいましたが、同じ熱意を持つ人に届いてほしくてこの記事を書きました。少しでも共感したり、逆に「自分ならこうする」という意見を持ったりした方がいれば、ぜひお話ししましょう。あなたの熱意に触れられることを楽しみにしています。

open.talentio.com

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